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  • 2017/11/01
  • 遠藤正賢

自動車を含む様々な分野に役立つ最先端のテクノロジーが集結!【CEATEC JAPAN 2017】

JEITA/CIAJ/CSAJ、「CEATEC JAPAN(シーテックジャパン)2017」を開催

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ホンダ「モバイルパワーパックエクスチェンジャーコンセプト」で「モバイルパワーパック」の充電を行うデモンストレーションの様子
電子情報技術産業協会(JEITA)、情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)で構成されるCEATEC JAPAN 実施協議会は10月3~7日の4日間、エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN(シーテックジャパン)2017」を幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催した。

業界の垣根を超え、政策・産業・技術を連携し、IoT・ロボット・AI(人工知能)を活用した「未来の社会」を共創する展示会として開催され、出展社数667社・団体、小間数1,758小間、来場者152,066人を集めた同展示会の中から、自動車を含む様々な分野に役立つ最先端のテクノロジーを出品していたブースをピックアップし紹介する。
ホンダ・モバイルパワーパック

ホンダ・モバイルパワーパック・エクスチェンジャーコンセプト

今回出展した中では唯一の国産自動車メーカーとなったホンダは、再生可能エネルギーを利用して発電した電気を蓄え、小型電動モビリティの動力や家庭での電源として活用できる、着脱可能な可搬式バッテリー「モバイルパワーパック」の量産モデルと、複数のモバイルパワーパックを同時に充電でき、電力需要のピーク時にはステーション内のモバイルパワーパックから送電網に電力を供給可能な充電ステーションユニット「モバイルパワーパック・エクスチェンジャーコンセプト」を出品し、その充電・取り出しを実演した。

ホンダ・スマート水素ステーション(SHS)70MPaコンセプト

ホンダ・モバイルパワーパック・チャージ&サプライコンセプト

また、モバイルパワーパックをキャリーバッグのように持ち運べ、非常時の電源や無電化地域での常時電源として活用できる充放電器「モバイルパワーパック・チャージ&サプライコンセプト」や、製造圧力82MPa(メガパスカル)を実現し充填圧力70MPaでの商品化を見据える高圧水電解型水素製造ステーション「スマート水素ステーション(SHS)70MPaコンセプト」も参考出品。水素を「つくる・つながる・つかう」社会の実現に向けて技術力を着実に磨き続けていることを示していた。

テスラ・モデルX
テスラ・モデルS

自動車メーカーからはこのほかテスラも出展し、最大7人乗りのラージサイズクロスオーバーEV「モデルX」と、ミドルラージEVセダン「モデルS」を展示。残念ながら最新のミドルサイズEVセダン「モデル3」は姿を見せなかったが、大勢の来場客が争うようにして車内に乗り込んでおり、エレクトロニクス業界関係者の関心度が極めて高いことをうかがわせた。

小糸製作所のブースに展示されたレクサスLCのフロントノーズ

自動車関連製品を手掛けるメーカーの出展は決して少なくなかったものの、今回のCEATEC JAPANは直後に東京モーターショーを控えていたこともあり、その出品を敢えて避けていたブースは少なくない。その中で小糸製作所は、レクサスLCのロービーム一体LEDアレイ式ADB(配光可変)ヘッドランプとともに、LiDAR(ライダー)内蔵LEDヘッドランプおよびOLEDリヤコンビランプを参考出品。

小糸製作所のLiDAR内蔵LEDヘッドランプ。光源の両脇にLiDARが内蔵されている
小糸製作所のLiDAR内蔵OLEDリヤコンビランプ。発光していない個所がLiDAR

LiDARをランプ正面と側面に内蔵し、車両全体で8個の搭載を可能にすることで、少しでも早く障害物を検知するのが狙いだというが、展示モデルの体積は車載用として初めて実用化にこぎ着けた、新型アウディA8の前方中央に搭載されるレーザースキャナーの1/4にも満たない。このサイズでの実用化は当面先の話になりそうだが、大型のランプを採用しやすい背高ミニバンやSUVなどでこれよりも大型化するか、LiDARではなく単眼カメラやレーザーレーダーを内蔵して実用化するのはそう遠い日のことではないだろう。

オムロンの4代目卓球ロボット「フォルフェウス」

自動運転を見据えた技術としては他に、4代目卓球ロボット「フォルフェウス」で話題をさらった電子機器メーカーのオムロンが、「ドライバー見守り車載センサー」をコクピット型デモ機に搭載して紹介した。

オムロン「ドライバー見守り車載センサー」デモ機

「ドライバー見守り車載センサー」は、遠赤外線カメラと顔画像センシング技術「OKAO vision」で、ドライバーが運行の状態を注視しているか (Eyes ON/OFF)、ドライバーがどれだけ早く運転に復帰できるのか (Readiness High/Mid/Low)、ドライバーが運転席にいるか (Seating ON/OFF) の3つの指標から、ドライバーが運転に集中できる状態かを判断。さらに、マスクやサングラスなどを着用しているドライバーの状態をセンシングすることも可能とした。

なお、同社では2017年度より、名古屋大学未来社会創造機構およびHMHSコンソーシアムと共同で、「ドライバー見守り車載センサー」と心電や脈波を測る生体センサーを、一般家庭の自家用車を含む幅広い車に搭載して実証実験を開始。2020年までに発売される自動車に「ドライバー見守り車載センサー」が採用されるのを目指している。

デンソー「生体センシング」

デンソーは手のベルトで脈、頭のベルトで脳血流を常時測定し、運転支援をより素早く精密に行う「生体センシング」技術や、トヨタ車体の超小型EV・コムスをVR技術と同調させ、映像に合わせた動きを加えることで、リアリティを大幅に高める「VR-CAR」プロトタイプなどを展示。

デンソー「VR-CAR」

「VR-CAR」は観光PRや交通教育、旅行やライブの疑似体験、そしてゲームなどのエンターテインメントへの活用を想定しているというが、筆者としてはかつて流行し現在は絶滅した体感型レーシングゲームが復活することを願ってやまない。

三菱電機の非接触充放電ユニット

三菱電機は非接触充放電ユニットと、停車位置がずれても高い伝送効率を維持する「双方向ワイヤレス電力伝送技術」を参考出品。

「双方向ワイヤレス電力伝送技術」による伝送効率改善イメージ

非接触充放電はケーブル式に対し、車載側と路面側の充放電ユニットを正確に合わせても伝送効率は90%程度で、15cmずれれば通常では60%にまで伝送効率が落ちてしまうが、伝送効率を高める制御を行うことで、ケーブル式に対し80%以上の伝送効率を確保する。また、ショッピングモールやオフィスなどへ長時間駐車する、満充電状態のEVから電力を放電させることで、電力のピークカットにも寄与するという。

ニチコン「LEAF to Home(リーフ・トゥ・ホーム)」と「トライブリッド蓄電システム」

コンデンサーおよび回路製品メーカーのニチコンは、日産リーフを家庭用電源として活用できるようにするV2Hスタンド「LEAF to Home(リーフ・トゥ・ホーム)」を新型リーフと組み合わせて展示したほか、災害時にEV・PHV・FCVから家電に電力を供給する可搬型給電器「EVパワー・ステーション・パワー・ムーバー」を紹介。

可搬型給電器「EVパワー・ステーション・パワー・ムーバー」

さらに、太陽電池と蓄電池にEVの大容量電池を加えた3つの電池をDCリンクすることで変換ロスを最小限に留め、蓄電池間を高効率で電力移動することを可能にした「トライブリッド蓄電システム」を初公開。CEATEC AWARD 2017コミュニティ・イノベーション部門の準グランプリを受賞したこのシステムは、2018年の商品化を予定している。

ロームがヴェンチュリ・フォーミュラEチームに供給しているシーズン3用SiCパワーデバイス

半導体メーカーのロームは、ヴェンチュリ・フォーミュラEチームに供給しているシーズン3用SiC(シリコンカーバイド)パワーデバイスを出品。シーズン2用のIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)モジュールに対し、SiCとのハイブリッドモジュールにすることでスイッチング損失を40%削減し、インバーターの冷却ファンを省略可能とすることで、インバーターの体積を30%減らし2kg軽量化、変換効率も1.7%高めている。

今年12月より始まるシーズン4向けパワーデバイスはさらに、フルSiCモジュールへと進化。シーズン2用に対しスイッチング損失を74%削減して、インバーターの小型軽量化をより一層推し進める計画だ。

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