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  • 2017/11/25
  • Motor Fan illustrated編集部 鈴木慎一

BMWの2ℓ直4ターボの進化度合いは? 320iの新旧パワーユニット比較 N20 vs B48

N20型とB48型の技術スペックを比較してみる

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左がB48型を搭載する現行320iの後期型。右がN20型を搭載する前期型。4気筒版のB48は上質な印象。車両脇に立つと結構にぎやかなN20型に対して、B48の静粛性の向上は目覚ましい。
BMWの320iと言えば、Dセグセダンの王道モデルだ。エンジンは2.0ℓ直列4気筒ターボ。この4気筒ターボ、同じ320iでも前期型のN20型から後期型のB48型へと搭載エンジンが変更されている。さて、それぞれをじっくり見てみよう。

現行BMWのBシリーズは燃焼室形状を固定とした設計で、バリエーションは気筒数と過給圧違いによって創出する。縦横方向ともに搭載があり、下は1シリーズから上は7シリーズまで、文字どおりのフルラインアップ対応という具合だ。
3気筒=1.5ℓのガソリンエンジンがB38/ディーゼルエンジンがB37
4気筒=2.0ℓのガソリンエンジンがB48/ディーゼルエンジンがB47
6気筒=2.0ℓのガソリンエンジンがB58/ディーゼルエンジンがB57
この6機種のエンジンでほぼすべてのラインアップを構成する、というのがBMWのエンジン戦略だ。

BMW現行3シリーズは、このB系のエンジンを積む。しかし、前期型はN系のエンジンを搭載していた。前期型320iが搭載していたのが、N20型2.0ℓ直列4気筒である。

ここでは、BMW3シリーズの中核をなす「320i」のエンジンを新旧で比較してみよう。

旧→N20
新→B48
というわけだ。

新:B48B20A ツインスクロール・ターボ、燃料筒内直接噴射、バルブトロニック、ダブルVANOSなど、BMWのガソリンエンジン技術のすべてを搭載。シリンダーブロックがクローズドデッキになった。
N20B20A 筒内直噴にバルブトロニック+VANOSの可変バルブ機構、そしてターボチャージャーの「BMW先進技術ぜんぶ載せ」としてN55型6気筒エンジンと同時期にデビュー。同一排気量ながら過給圧違いによってモデルを創出した。

旧 N20型直列4気筒DOHCターボ

前世代のN43型に代わってN20が登場したのが2011年。排気量は2.0ℓのみで、過給圧などの二次的要素で出力はトルクを大幅に動かして仕様を作り分けていた。アルミライナー鉄溶射、14mmオフセットクランク、ツインスクロールターボ、電動式ウォーターポンプに可変容量オイルポンプ、バルブトロニックのみならず吸排気可変バルブタイミング、オイルパンに2本を上下に並べる形で仕込んだ二次バランスシャフトなどBWMの手持ちの技術を惜しみなく注ぎ込んだユニットである。
320iの搭載エンジンはN20B20A型で135kW/270Nm。

右方に傾けて搭載するのはBMW直列エンジンの定石で、左方に吸気、右方に排気システムを備える。可能な限りエンジンフード高さを抑えるための手段である。4番気筒はバルクヘッド直前までめり込むような配置で、フロントミッド指向が見て取れる。N20は、直噴システムのための燃料ポンプ動作音が大きいのが特徴のひとつ。
N20B20Aのシリンダーヘッドカバーを裏返したところ。ABS樹脂の板材と発泡材は分離構造で、外したら再び装着するのが少々難しかった。燃料系のマスクをねらっているのが形状からわかる。

新 B48型直列4気筒DOHCターボ

3/4/6気筒のガソリンとディーゼルをブロックや周辺技術まで共用するというBMWの新モジュラーエンジンシリーズ。このB48型2.0ℓ直列4気筒エンジンは、その中核をなすガソリンエンジンだ。おそらく、BMW車のなかでもっとも量販されるエンジンが、このB48だろう。従来のN20型よりロングストロークになったが、BMWが「TwinPower Turbo Technology」と呼ぶ、ツインスクロール・ターボ、燃料筒内直接噴射、可変バルブタイミング&リフトであるバルブトロニック、ダブルVANOSなど、BMWのガソリンエンジン技術のすべてを搭載している特徴は前型N20と同じ。B48もB38と同様に縦置き(B48B型)と横置き(B48A型)がある。
320iが搭載するB48B20Aは135kW/270NmでN20と同一。330iはB48B20Bとなり、圧縮比を11.0から10.2へ下げ過給圧を上げることで185kW/350Nmのパワースペックになる。330iも4気筒エンジンなのだ。

搭載にあたっての傾斜や吸排気配置はN20と同様。変速機に同じユニット(ZF8HP)を用いるためか、前後方向の搭載位置はほぼ同等。ちなみに3気筒搭載では地面が見えるほどにすっきりとした配置である。オイルは給油しにくそうだが、最近のロングライフ化に伴い、開閉の頻度も極少なのだろう。
B48B20Aのシリンダーヘッドカバー  化粧板と発泡材は一体型構造で、スナップを用いてシリンダーヘッドに装着する仕組み。心なしかN20に比べても凹凸への追従が少ないようにも見える。

N20 vs B48エンジンスペック比較

N20B20A 320iが搭載するのと同じ縦置き用2.0ℓ直4エンジンだ。B48への移行も最終段階になり、搭載モデルは現在ではX4とX5のみだ。PHOTO:BMW 
現行のB48A20A B48の次の英字が「A」になると、横置き用となる。この写真は横置き用。PHOTO:BMW 

旧:N20B20A 新:B48B20A
エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ(縦置) 直列4気筒DOHCターボ(縦置)
排気量:1997cc 1998cc
ボア×ストローク:84.0×90.1mm 82.0×94.6mm
圧縮比:11.0 11.0
最高出力:135kW(184ps)/5000rpm 135kW(184ps)/5000rpm
最大トルク:270Nm/1250-4500rpm 270Nm/1350-4600rpm
ボアピッチ:91mm 91mm
シリンダーブロック:アルミ合金製・オープンデッキ アルミ合金製・クローズドデッキ
燃料噴射システム:筒内燃料直接噴射(DI) 筒内燃料直接噴射(DI)
   HDEV5.2(Max200bar) HDEV5.2(Max200bar)
ECU :MEVD17.2.4 DME8.4.0

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