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  • 2018/01/31
  • Motor Fan illustrated編集部

AWD その3:フォルクスワーゲン・ゴルフR 第五世代ハルデックス・カップリング+電子制御満載で走らせる。

電子制御システムでクルマの動きをコントロールするVWの4MOTION

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FFの世界のベンチマークたるフォルクスワーゲン・ゴルフをベースに、2.0ℓ直4ターボエンジン+4MOTIONを搭載したのがゴルフRだ。

歴代ゴルフのAWD(そして横置きのアウディも)は、ハルデックスのカップリングユニットを使ってAWD化している。ハルデックスは、現在ハルデックス・トラクション(Haldex Traction AB)社となっているスウェーデンの自動車部品サプライヤーだ。
ゴルフRが使うハルデックス・カップリングは、第五世代と呼ばれるタイプ。モーターで6ピストンのアキシャルポンプを回転させて油圧を得、ピストンを作動させてクラッチの締結・解放を制御する仕組み。アキュムレーターを廃して軽量化したのが第五世代の特徴だ。

GOLF Rの雪上コーナリング
VW GOLF R(ゴルフR)の雪上坂道発進

ハルデックス5は、理論上100:0(完全FF)〜0:100(完全FR)の駆動力配分が可能なシステムだが、実際の雪上では前輪のみ、あるいは後輪のみからの強い駆動力は感じられなかった。直結AWDらしいトラクション感は感じられたものの、それにともなって操舵フィーリングにやや違和感が現れてしまった。


コーナリング中でもそこかしこからカチコチパチパチ音が鳴っているのが聞き取れる。ESCにTRC(トラクションコントロールシステム)と制御システムがフルに働いているようだ。ドライブモードをDCCモードにして走ってみると、パワステのアシストが強くなりハンドルが軽くなった。レースモードに切り替えると、エンジン+トランスミッション(7速DCT)の制御が変わり、高回転まで引っ張るようになる。アクセルレスポンスが良くなり、TRCの入り方は少し穏やかになるが、基本はやはり変わらず。コーナリングでフロントが外へ逃げていこうとするのをESCで立て直すような動きになる。

トラクションはAWDで確保する。クルマの動きはブレーキでなんとかする、という印象だ。FFベースのカップリングAWDでトラクションをかけようとすると、どうしても直結AWDになっていく。そうすると基本的にフロントがじわーっと外へ逃げるような、ステアリングに対してクルマの動きが追従しない方向になる。制御の仕方も一定舵を入れていてもすぐに応答せず、だんだん姿勢を作っていき、その姿勢を作りすぎてリヤが流れるとESCの制御が入る。

ゴルフRは、ドライ路で有り余るパワーを存分に使って超高速で移動というのを想定しているようだ。高速道路でのレーンチェンジ、あるいは高速旋回という使い方の方がゴルフRのAWDのポテンシャルを発揮できるのかもしれない。

第五世代ハルデックス・カップリング
ゴルフR

フォルクスワーゲン・ゴルフR
車両重量:1500kg
前後重量配分:61:39(前軸910kg/後軸590kg)
前後トルク配分:95:5〜50:50
試乗車タイヤ:ミシュランX-ICE(前後255/40R18
タイヤ指定空気圧:前後250kPa

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