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川重冷熱工業:貫流ボイラのドライ式低NOx水素専焼技術を開発

  • 2018/05/20
  • Motor Fan illustrated編集部
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貫流ボイラ実機による燃焼試験

川重冷熱工業は、川崎重工と共同で、NOx排出値が世界最小レベルのドライ式低NOx水素専焼バーナを開発し、2018年3月から川重冷熱工業の滋賀工場にて実施した貫流ボイラ実機による燃焼試験において、低NOx性能を確認した。

 水素は燃焼時にCO2を排出しなおが、火炎温度が高いことから天然ガスの燃焼時に比べて約3倍のNOxが発生する。従来の水素専焼バーナでは、燃焼室への蒸気噴霧や排ガス再循環(EGR)により火炎温度を下げることでNOxの発生量を抑えているが、このための機器の追加設置が必要となる点や、NOx低減効果に限界がある等の課題があった。

 これらの課題を解決するために、川崎冷熱工業では2015年から水素専焼バーナの開発を開始した。川崎重工の水素焚きガスタービンの開発で得られた水素燃焼に関する知見を活かし、蒸気噴霧やEGRを必要としないドライ式を採用、独自の水素と空気の混合方式を開発することで、ボイラの燃焼条件となる低空気比(燃料の量に対して混合する空気量が少ない状態。低空気比で燃焼することで排ガス熱損失を抑えることができ、高いボイラ効率で運転できる)においても、天然ガス焚き並みの低NOx性能を実現した。

 今回の燃焼試験では、水素専焼バーナを貫流ボイラ実機に組み込み、換算蒸発量750kg/h出力の水素燃焼を実施し、定格負荷においてNOx発生量が天然ガス焚きボイラの保証値60ppm(O2=0%換算)を大きく下回る40ppm程度に抑えられることを確認している。

 同社の貫流ボイラは天然ガス等を燃料とし、全国の化学工場や製鉄所等において豊富な実績を有している。水素は石油化学プラントや製鉄所、苛性ソーダなどの生産工程において副産物として発生するが、本燃焼試験での確認により、これら未利用エネルギーを貫流ボイラにおいて有効利用できるようになり、工場の燃料コストの低減、およびCO2排出量ゼロと低NOxの両立による環境負荷の低減を実現する。

 川崎重工グループは、将来の水素エネルギーの普及を見据え、水素エネルギーサプライチェーンに必要なインフラ技術の開発・製品化に取り組んでいる。今後、同社は2019年の市場投入を目標として水素専焼貫流ボイラの完成を目指すとともに、将来的な吸収冷温水機への適用も含めた、製品ラインナップの拡充を図っていく。

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