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内燃機関超基礎講座 | 二種の燃料を使い分けるマツダSKYACTIV-CNG。圧縮天然ガスの実力を探る。

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マツダはアクセラにCNG仕様を設定し、欧州を中心に一般ユーザーへの販売を開始した。CO2(二酸化炭素)排出抑制をにらみながら燃料の多様化を進めるうえで有力な選択肢のひとつである。
TEXT:牧野茂雄(MAKINO Shigeo) PHOTO:山上博也(YAMAGAMI Hiroya)/牧野茂雄
*本記事は2014年1月に執筆したものです

アクセラCNGコンセプトは、2013年の東京モーターショーで世界初公開された。もともと圧縮比の高いエンジンはピストンリング張力が高いからガス燃料化しやすい。もしかしたらCNG仕様はHCCI車のベースか? CNGはポート噴射、ガソリンは筒内直噴。CNGインフラがある場所ではCNG車として使用し、もちろんガソリンだけでも走行可能。燃料供給系統を別々に持つバイフューエル車だが、2燃料混合のデュアルフューエル車としても使用できるという。

ボンネットを開けた車両右側にCNG注入口がある。市販車では、この位置での給ガスは不便であり、ガソリン給油口と同じ場所に移動されるはずである。四角い箱はCNG系のECU。これも市販段階では場所が変わるに違いない。CNGタンクはトランクルームに搭載。200気圧(20MPa)タンクは容量75ℓ。この位置はたしかに安全だが、ラゲッジ容量が著しく減る。まだ「コンセプト」であり試作段階ということを考えると、ひょっとしたら日本国内への導入を見込んだか?

日本で自動車燃料にガス系が割り込めない理由は、1960年代にガソリン/軽油のインフラ整備を優先したことや燃料税制、エネルギー業界の縄張り争いといった背景のなかに溶け込んでいる。

そもそも、CNGとLPG(オートガス)はスタート地点が異なり、その事情が現在も尾を引いている。CNGは圧縮した気体であり、現在は約200気圧でタンクに充塡される。LPGは6気圧で液化する(ガスライター用のガスと同じ)ため、CNGのような重装備タンクは不要だ。しかし、両方ともタンクが自動車部品として認められていないため、自動車部品の認証を国際協調する協定の外に置かれ、そのため車両とはべつの検査が義務付けられている。高圧ガス保安法では「自動車容器」と呼ばれ、ガス事業の容器として取り扱われる。これがガス車普及を妨げる最大の要因である。

ガス車先進国のオランダで見付けたLPGタンクは、スペアタイヤ収納スペースに収まるものだった。エンジン改造キットとともに販売され、通常のガソリン車をバイフューエル化する。このタンクはヒュンダイでも使用していた。

CNGタンクは車両検査時に外観検査とガス漏れ検査が行なわれる。しかしECE基準を満たす外国製タンクを国内法が認めていないため、日本のローカル基準に合わせたタンクに交換しないと給油が許可されない。LPGタンクは6年ごとに単独状態の検査が義務付けられており、クルマからタンクを降ろして検査し、バルブを交換しなければならない。200気圧のCNGタンクは目視検査だけで、わずか6気圧のLPGタンクが分解検査というのも筋が通らない。

ただし、2013年に動きがあり、車載CNGタンクとLPGタンクを自動車部品と規定し、日本も批准しているECE規格を受け入れることが閣議決定された。あとは実務レベルでの処理になるが、ガスステーションでは「契約車以外にはガスを売らない」のが慣習であり、まだまだガス利用促進にはほど遠い現状である。過去は過去として精算し、新しいルールづくりを進めるべきである。

おもな自動車燃料の比較

自動車メーカーでは、ホンダがCNG車ラインアップを持っており、マツダも欧州などで販売している。インフラと法規が整えば、日本国内でもガス燃料車は普及できる。これもエネルギー安全保障であり、上の表にあるように燃料としての素性はもともと優れているのである。

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