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内燃機関超基礎講座 | エンジンの振動を考える。加振力と偶力、一次二次三次……。

  • 2020/11/10
  • Motor Fan illustrated編集部
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(PHOTO:BMW)

重たい部品が何千という回転数で回り、往復する。そこにおける振動の発生は不可避。それらの特性をあらためて考えてみる。

慣性加振力

一次振動

一次振動とは、ピストンの上下動に伴ってエンジン回転と同期して出てくる振動のことを言う。単気筒エンジンや360°クランク(ふたつのピストンが同時に上下運動するタイプ)の直列2気筒エンジンではこの一次振動が発生する。直列4気筒などではピストン同士で振動を打ち消すので一次振動は発生しない。

二次振動

直列4気筒エンジンでは#1と#4のシリンダーが同時に上下運動し、#2と#3シリンダーは180°位相を変えて上下運動する。従って直列4気筒では一次振動は打ち消される。その一方でエンジン回転の2倍の速度で発生する二次慣性力は4気筒とも同方向(ピストンが上下運動する方向)に働くので、この力が加振力となってエンジンを上下に激しく振動させる。

3次以上の振動

エンジンで問題になる振動は加振力が大き
い一次振動と二次振動である。一次→二次→
三次と次数が上がるに連れて急速に加振力は
下がっていく。三次以上の振動では加振力が
小さいので発生してもエンジンを実質的に振
動させるまでに至らず、問題になることはほと
んどない。

慣性偶力

偶力は重心を中心としてエンジンをすりこぎ運動させようとする力のことを言う。慣性偶力には

・ 上下に揺らせる(X軸周り=クランク軸と直角方向)ピッチング
・ 回転方向に揺らせる(Y軸周り=クランク軸方向)ローリング
・ 左右に揺らせる(Z軸周り=鉛直方向)ヨーイング

の3種類がある。慣性加振力がエンジン全体を動かそうとする力であるのに対して、慣性偶力はエンジンの重心を中心に回そうとする力であり、ピストンやコンロッドの上下運動のアンバランスで発生する。

 慣性偶力は直列偶数気筒エンジンでは発生しない。V型エンジンでは左右バンクの気筒がオフセットしているために重心を中心に回転させようとする偶力が発生する。慣性偶力が問題になるのは以下の気筒配列である。

● 直列3気筒:ピッチング(一次と二次)

● 90°V6:ピッチングとローリング(一次と二次)

● 60°V6:ピッチングとヨーイング(二次)

動弁系による慣性偶力

ピストン、コンロッドの往復運動によるものではないが、直列6気筒エンジンでは動弁系の上下運動による1.5次慣性偶力が発生する。

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