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内燃機関超基礎講座 | 日産キャラバンのディーゼルエンジン[YD25DDTI]型式は同じ、中身は別物に

  • 2020/11/25
  • Motor Fan illustrated編集部
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日産のNV350“キャラバン”に搭載されるディーゼルエンジン・YD25DDTi。基本形こそ従来同様だが全面的に手を入れられ、もはや別物の新世代機となっている。
TEXT:髙橋一平(Ippey TAKAHASHI) FIGURE:NISSAN

日産は2012年6月、キャラバンのフルモデルチェンジに伴い、これまでの3ℓディーゼルエンジンを2.5ℓへと置きかえる。先代(E25型)に搭載されていたエンジンはZD30。DOHC4バルブにコモンレールなどといった近代的な装備が盛り込まれた4気筒エンジンだが、燃費面で改善の余地があったということで、この部分を改善すべく2.5ℓへとダウンサイジングという手法が採られたというわけだ。

新たに選択されたエンジンはYD25DDTi。1998年にプレサージュに搭載されて以来、十数年を経ているが、日産独自の予混合燃焼技術であるMK(Modulated Kinetics)燃焼の採用や、ロングストローク設定など、エネルギー効率の高さという意味において非常に高いポテンシャルを秘めていた。ディーゼルにおいて成熟した市場を持つヨーロッパで高い評価を得ているエンジンでもある。

燃費性能の向上と、環境性能追求のためのダウンサイジングにターボの装備は必須というこうとで、ターボは引き続き装備されることになったが、商用車にふさわしいパワー/トルク特性の確保と、環境性能の向上を図るため、サイズなどの仕様を変更(ボルグワーナー製の可変ノズルターボを採用)。その他シリンダーヘッドにも大幅に手を入れるなど、徹底的なブラッシュアップが図られている。

従来のYD25DDTiをより商用車向きとしながら燃費や環境性能を向上するべく、タービンなどに変更などを加えた結果、最高出力は95kW(129ps)に抑えられているが、わずか1400rpmで最大トルクを発生、そのまま2000rpmまでフラットに最大トルクが続くという、商用車の実用シーンでストレスなく使えるトルク特性に仕上げられている。前モデルに搭載されていた3ℓディーゼルのZD30から排気量を縮小したにもかかわらず、ほぼ全域でそれを上回り、実用域においては圧倒的といえるトルクを発生。356Nm(36.3kg-m)という最大トルクはクラストップの数値となっている。

パラレルポートシリンダーヘッド/低圧縮比燃焼室:インテーク側にはバルブごとに独立した流路を持つパラレルポートを採用。燃焼室の冷却性向上のための水路を確保しながら、ヘッドボルトを避けるなどの制約もクリアしたうえで最適化を図った結果、複雑なポート形状となっている。タンブル発生、スワール発生と、独立したポートそれぞれに異なった役割を与え、MK燃焼に欠かせない予混合を促進する。
バイパス機構付きEGRクーラー:燃焼温度を下げることでNOxの発生を抑えることができるクールドEGRだが、冷機時(低水温時)には温度が下がり過ぎてしまい、HCが大量に排出されてしまうことになる。そこで、冷機時には排ガスがクーラー内を通らないよう通路を切り替え、バイパスを通して直接EGRバルブに導くことで温度の下がり過ぎを防ぎ、HCの排出を抑制する。
電子制御可変ノズルターボチャージャー:排ガス通路の開口面積をコントロールすることで、排ガス流量にかかわらず最適な過給状態が維持できる可変ノズルターボ(ボルグワーナー製)を装備。可変ノズルの駆動を電子制御式のアクチュエーターで行なうことで、ギヤポジションや負荷状況に応じたきめ細かい過給圧制御を可能としている。ターボラグを最小限とすることで、PMの抑制にも貢献。
リーンNOxトラップ(LMT)触媒:通常運転時、つまり酸素過剰率の高いリーン条件でNOxをトラップ材に吸着。その後トラップ材に吸着し蓄えたNOxを処理するために燃料過剰なリッチ条件を作り出し、HCと微量のO2を供給。これらが反応してできたH2とCO2がNOxの還元剤として働くことで、NOxを効果的に還元浄化する。商用車としては初採用となる装備だ。

エンジン型式 YD25DDTi
配置 DOHC 直列4気筒
総排気量(cc)  2488
ボア×ストローク(mm)  89.0×100.0
圧縮比 15.0
最高出力 95kW(129ps)/3200rpm
最大トルク 356Nm(36.3kgm)/1400-2000rpm
燃料供給方式 電子式(コモンレール/200気圧)
使用燃料 軽油
適用法規 国内平成21年(ポスト新長期)規制対応

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