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内燃機関超基礎講座 | フライホイール式ハイブリッド!?:ポルシェ911 GT3 Rハイブリッド

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ウィリアムズF1が2009年に開発し実戦未投入に終わった不思議なハイブリッドシステムをポルシェがレース仕様に採用している。フライホイール式ハイブリッドとはどのような仕組みなのか。
TEXT:世良耕太(Kota SERA) PHOTO : Porsche/Williams Hybrid Power

911GT3は、ワンメイクレースのポルシェカップやル・マン、FIAGT選手権などのレース参戦を念頭に置いて開発されたモデルである(一部ロードゴーイングモデルもある)。その(ほぼ)レース専用マシンにハイブリッドモデルが加わったのは2010年だった。911GT3Rハイブリッドがリヤに水平対向6気筒エンジンを積むのは、歴代GT3あるいは911の伝統を受け継いだもの。トランスミッションとクラッチの間にモーターを挟むのではなく、前車軸に2基のモーター/ジェネレーター(MGU)を積んでハイブリッド化した。MGUは1基あたり60kWを発生。フルアシスト時は内燃機関が発する480kWのパワーに、MGUが生む120kWのパワーが加わる。エネルギー回生はフロントで行なう仕組みだが、減速時により大きな荷重が掛かる前輪から回生する方が効率は良く、理に適っている。

① パワーエレクトロニクス
② モーター/ジェネレーター ×2
③ 高圧ケーブル
④ 電動フライホイールバッテリー
⑤ パワーエレクトロニクス

エネルギー貯蔵装置として、バッテリーの替わりにフライホイールを用いるのが、ポルシェがレース車両に採用したハイブリッドシステムの最大の特徴。最高40000rpmでエネルギーを蓄える。貯蔵エネルギー量は未発表。

ユニークなのはエネルギーの貯蔵システムだ。減速時の運動エネルギーはMGUで電気エネルギーに変換される。変換された電力は、運転席横に設置された電動フライホイールバッテリーに伝えられ、再び運動エネルギーに変換され、貯蔵される仕組み。

この電動フライホイールバッテリー、実は2009年にF1に導入されたKERS(運動エネルギー回生システム)用に、ウィリアムズF1チームの関連会社、ウィリアムズ・ハイブリッド・パワー(WHP)が開発したものだ。WHPが開発したKERSは実走テストがなされたものの、実戦に投入されることなくお蔵入りとなった。経緯は不明だが、それにポルシェが目を付け、陽の目を見ることになった。

ウィリアムズ・ハイブリッド・パワーがF1向けに開発した電動フライホイールバッテリーの構造図。エネルギーの貯蔵装置であるフライホイール(MLCと一体化したカーボンファイバー)をモーターで駆動する仕組み。

当初、KERSでもリチウムイオンバッテリーとキャパシタの性能が比較検討されたが、リチウムイオンバッテリーの性能向上にともない、キャパシタは淘汰された。電動フライホイールはバッテリーやキャパシタに比べてパワー密度やサイクル密度に優れ、軽量で、低コストだとWHPは主張する。こうしたメリットが考えられる半面、高速回転するフライホイールが生み出すジャイロ効果が車両姿勢にどう影響を及ぼすか、不安の声もあった。

エネルギーを蓄えるカーボンファイバー製フライホイール。真空容器内で高速回転する。衝突して外から力が加わった際も含め、安全性確保が懸案事項だった。

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