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ルネサス:自動運転のメインプロセッシングを1チップで実現する「R-Car V3U」を発表

  • 2020/12/18
  • Motor Fan illustrated編集部
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ルネサスエレクトロニクスは、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転システムに向けて、車載用SoC(System on Chip)のR-Carとして最高性能を誇る「R-Car V3U」を発表した。

 R-Car V3Uは、ASIL D向け車載SoCであり、最大で60 TOPS、96,000DMIPSの性能を実現し、ディープラーニングを用いた車載カメラ画像の物体認知からレーダやLiDARとのセンサフュージョン、走行計画の立案から制御指示まで、1チップで自動運転のメインプロセッシングが実現可能。12月17日よりサンプル出荷を開始し、量産は2023年第二四半期を予定している。

 ルネサスの車載デジタルマーケティング統括部の統括部長、吉田 直樹氏は、次のように述べている。
「次世代のADASや自動運転システムに向け、1チップでメインプロセッシングが実現可能になるR-Car史上最高性能のR-Car V3Uを発表できることを大変嬉しく思います。R-Car V3Uは、すでに市場投入している車載カメラ用SoC、R-Car V3MやR-Car V3Hと専用エンジンの共通化を図り、ソフトウェア資産の流用が可能なスケーラブルなアーキテクチャを採用しています。これにより、短期間でスムーズに次世代システムへの拡張ができます」

最も高い機能安全レベルのASIL Dをサポート

 自動運転システムでは、ASIL Dの機能安全が求められている。これは自動車向け安全規格ISO 26262において最も厳しい安全性レベル。R-Car V3Uは、ランダムハードウェア故障(偶発的故障)を高速に検出、制御する高度なセーフティメカニズムを搭載している。R-Car V3Uでの信号処理の大部分において、ASIL Dのメトリクスを達成見込みであり、機能安全実現に向けての設計の複雑さを軽減し、市場投入までの時間とコストを削減する。

60 TOPSの高いディープラーニング処理性能を低消費電力で実現

 R-Car V3Uは、周囲の物体検知やセグメンテーションなど各種の最先端のディープラーニングに柔軟に対応できる。また、R-Car V3Uのアーキテクチャは低消費電力を実現しているため熱の発生が抑えられ、空冷で動作できるECUを開発可能。CPUにはデュアルコア・ロックステップ対応のArm Cortex-A76 CPUコア 4セットと、Cortex-R52を1セット搭載し、コンピューティング性能は最大96,000DMIPSを実現している。

 またR-Car V3Uは、レーダ信号処理用のDSP(Digital Signal Processor)や、従来のコンピュータビジョンアルゴリズム処理に適したマルチスレッドのコンピュータビジョンエンジン、画質を向上可能なイメージシグナルプロセッサ、その他自動運転で求められる専用エンジン(物体の動きを検出するDense optical flow, 高精度な距離計測を行うためのStereo disparity, 物体の分類を行うObject classificationなど)を搭載している。

開発負荷軽減のための充実した開発環境を提供

 R-Carの最大の特長は、専用エンジンの共通化を図り、ソフトウェア資産の流用が可能なスケーラブルなアーキテクチャを採用していること。これにより、従来のR-Carファミリ用ソフトウェア資産を活かしつつ開発負荷を軽減することが可能だ。

 ルネサスは、ユーザがソフトウェアの開発負荷を軽減する、各種の開発環境をパートナと共に用意している。特に、物体認知などのディープラーニングによる学習結果を自動的に推論用ソースコードに変換するツールを、R-Car V3U用に提供する。変換されたソースコードを、統合開発環境のe2 Studioに取り込むことにより、実行性能や消費電力などをシミュレートでき、R-Car V3Uの評価やソフトウェア開発の早期着手が可能。また、各種アプリケーションのリファレンスデザインやオンライン教育なども提供することにより、あらゆるレベルのエンジニアが迅速に設計に着手することができる。機能安全やサイバーセキュリティ要件に準拠したコンパイラとコードジェネレータも用意しており、セキュアなソフトウェア開発を支援する。

 R-Car V3Uは、ルネサスの車載用マイコンRH850や、パワーマネジメントIC、パワーデバイスなど、ADASや自動運転用ECUに必要なコンポーネントと組み合わせて使用することが可能で、さらに効率的な開発が可能。

R-Car V3Uについての詳細はこちらまで

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