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新型Sクラスの走りと先進運転支援システムに迫る! 【試乗記】メルセデス・ベンツ Sクラス、王者たる進化。

  • 2017/09/26
  • GENROQ編集部
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足取りの軽快さではS400が一番。

1枚型デザインの2枚の12.3インチワイドディスプレイを採用した新型Sクラス。夜のインテリアを美しく彩ってくれる。
S63に積まれる、いわばオリジナル版のV8ツインターボのM177型はさらに強烈だ。ボア×ストロークも排気量も同一のV8ツインターボは、従来の5.5ℓ V8ツインターボに代わるもので、すでにE63に積まれている。612ps/5500〜6000rpmと900Nm/2750〜4500rpmの怒涛のパワーを生み出し、0→100km/h加速はなんと3.5秒という(こちらも欧州仕様メーカー値)。駆動力を電子制御する4マティック+のトラクション性能のおかげもあるとはいえ、繰り返すが車重2.2t余りの巨大サルーンとしては驚愕もの。何しろAMG GT Rでさえ3.6秒なのだ。

従来型の柔らかでラグジュアリーな乗り心地がどうなったか、と走り出したものの、新しいSクラスは正直言って期待したほどではなかった。まず、今のところ用意されているモデルには、新たにSクラス・クーペ同様のダイナミックカーブ機構(コーナーで内側にリーンする)が加わったMBC(マジックボディコントロール)が用意されない。すべて「エアマチック」エアサスペンションだが、もっともすっきり軽やかで確かな足取りと思われたのはやはり標準ホイールベースのS400だった。エンジンは3.0ℓ V6ツインターボ(367ps/5500〜6000rpm、500Nm/1600〜4000rpm)でV8に比べればさすがにちょっと線は細いが、実用上は十分だ。何より乗り心地がいい。

無論S560 4マティック ロングでも一級レベルではあるが、S400がタタンと軽快に超える段差や舗装の剥がれた部分で、ドシンと明確なショックを伝えてくるのはちょっと残念だ。S560 4マティック ロングと比べると車重が250kg近くも軽い1970kgに留まっていることとタイヤサイズ(560の試乗車はAMGラインの19インチ付き)の違いだろう。

MBCが装着できれば話はまた別だろうが、現状ではちょっと物足りない。また20インチが標準となるS63のほうはサスペンションもAMG専用となり、段差などでの突き上げはさらに硬質で明確。低速域ではそれなりに覚悟が要る。さらにS63の場合はトランスミッションが9速ではあるが、トルクコンバーターではなく、より変速がダイレクトでクイックな湿式多板クラッチ式のAMGスピードシフトMCTが搭載されているせいで、ガンというシフトショックを感じる時もあった。

MBC付きモデルを試してからでも購入は遅くない。

「インテリジェントドライブ」は昨年発売された現行Eクラスのシステムのほうが一部先行しており、最新バージョンに改められた。たとえば「アクティブディスタントアシスト・ディストロニック」には再発進機能が付き、高速道路の渋滞の中で一旦停止しても、30秒以内であれば自動的に再発進するようになった。実際に首都高の合流地点などの渋滞の中でこまめに停止、アイドリングストップ、再始動、再発進を律儀に繰り返して見せた。車間と速度コントロールはなかなかに巧妙で、普通の人間並みと言っていい。

車外からスマートフォンで操作できるリモートパーキングアシストも新機能である。Sクラスではオーナーではなくショファーが操作することになるだろうから、実際に使う機会があるかどうかは別にして、車外からの操作で並列駐車も縦列駐車が可能なのは現状メルセデスだけである。スマホやタブレットでエンジンが始動し、ギヤをセレクトして動き出すのは、見ていて確かに007気分である。

ただし、駐車スペースから出る時は前後方向に真っ直ぐしか動かすことはできない。つまり縦列駐車はできるが、そこから出すことはドライバーの担当となる。また車からある程度離れると動作が停止するので(3mぐらいが限界)車の傍にいる必要がある。社長さんや会長さんが、自分でスマホ画面をクルクルするとは考えられないが、隣にピッタリ寄せて駐車されてドアを開けるスペースがない時には役に立ちそうだ。

ちなみにSクラス・ロングのさらにロング版たる(ホイールベースが+20cm)マイバッハS560も同様、目地段差では意外に大きな突き上げを感じ、後席でくつろいでいる人にも路面の凸凹がはっきり分かる。かつてのマイバッハが外界とは遮断されたように、圧倒的なフラットさで突進する感覚とはやはり違う。日本ではMBC付きとなるRWDモデルを優先するべきではなかったかと思う。

やはりSクラスはV8じゃないと、という向きはMBC付きを確認してからでも遅くないのではないだろうか。

2基のターボチャージャーをV型シリンダーバンク内側に配置する「ホットインサイドV」レイアウトを採用したS560の4L V8ツインターボエンジンを搭載する。
試乗車にはAMGライン専用の19インチアルミホイールを装備。タイヤサイズはフロント245/45R19m、リヤ275/40R19の大径サイズを履きこなしていた。
ヘッドライトとリヤコンビネーションランプがLED化された。被視認性を確保しつつ走行状況によって発光量を自動調整する。
530Lのトランクスペース(VDA方式)を誇るS560 4マティックロング。ちなみにS400は510Lとやや少ない容量となる。
試乗車には_desinoスタイルパッケージが装着されていた。シルクベージュの上質なセミニアンレザーがふんだんに採用されたプレミアムなシートだ。
ショーファーパッケージ装着車にはフットレスト付きエグゼクティブリヤシート(助手席側後席)が設定される。
「Comfort」「Eco」「Sport」「Individual」の4つの走行モードを選べるダイナミックセレクトを装備(AMGモデルは「Sport+」モードも設定)。
他のモデル同様、センターコンソールにはCOMANDコントローラーやタッチパッドを組み合わせる使い勝手の良いインフォテインメントシステムの操作系が集約される。

SPECIFICATIONS
メルセデスS560 4マティック ロング<S400>
■ボディサイズ:全長5255<5125>×全幅1900×全高1495㎜ ホイールベース:3165<3035>㎜ ■車両重量:2220<1970>㎏ ■エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ<V型6気筒DOHCツインターボ> 総排気量:3982<2996>cc 最高出力:345kW(469ps)/5250〜5500rpm<270kW(367ps)/5500〜6000rpm> 最大トルク:700Nm(71.4㎏m)/2000〜4000rpm<500Nm(51.0kgm)/1600〜4000rpm> ■トランスミッション:9速AT ■駆動方式:AWD<RWD> ■サスペンション形式:F 4リンク式 R マルチリンク式 ■ブレーキ:F&R ベンチレーテッドディスク ■タイヤサイズ:245/50R18 ■環境性能(JC08モード)燃料消費率:9.0km<10.5>/ℓ ■車両本体価格:1681<1128>万円 

問い合わせ/メルセデス・コール TEL0120-190-610

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