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1.4ℓ直噴ターボを搭載したスズキの新型スイフトスポーツに乗ってみた!(チョイ乗り) 【試乗】スズキ新型スイフトスポーツは派生モデルではなく、ほぼ専用設計のエキサイティングなモデルだった

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【パワートレーン】エンジンチューニング、吸排気、冷却などはすべてが専用設計

──新型スイフトスポーツのトピックは、1.4ℓ・直4直噴ターボエンジン(K14C型)です。従来までの1.6ℓNAエンジンをやめ、エンジンをターボ化してパフォーマンスを上げてきました。出力こそ3kW増しの103kWですが、最大トルクは70Nm増しの230Nmを2500-3500rpmで発揮します。トルクウエイトレシオは4.2kg/Nm! 低回転・高トルク型エンジンと、軽量化が功を奏して、ひと転がり目から軽さを感じることができるレベルです。スペックどおり、低速トルクがものをいっていて、本当に1速、2速でもキレイに発進していくので非常に扱いやすい。クラッチミートポイントも適正化されていて、坂道発進でもスイスイ前に進んでいきます。また、シフトストロークが5mmショート化され、カチッカチッとしたシフトフィールではないものの、引っかかることなく、スコスコと気持ちよくシフトチェンジできるのも、扱いやすさを助長してくれています。


「スポーツというキャラクターを考えた時に、これからの時代に沿って、ダウンサイジングで過給をかけて、2.2~2.3ℓクラスに勝てるようなトルクと出力を出すというのをコンセプトとしていました。市場は国内とヨーロッパにあるんですが、どちらにも対応できるようなエンジンを考えて、1.4ℓ直噴ターボのK14C型ブースタージェットエンジンを選択しました。国内では今夏にデビューした新型エスクードから初めて搭載しましたが、エスクードは少し燃費側にふった仕様だったので、スイフトスポーツ専用にパワーと燃費を両立させたチューニングしています。
エスクードと異なる点と言えば、ウェイストゲートの制御が違っています。エスクードは、燃費を重視して低負荷域ではウェイストゲートバルブを開くノーマルオープン制御を採用していますが、そうするとコンプレッサーの回転が低下し、アクセルを踏んだときのレスポンスに遅れが生じます。ですので、スイフトスポーツではノーマルクローズ制御を採用し、ウェイストゲートバルブを閉めてタービン回転数を高く保つことでアクセルに対する応答スピードを上げています。ウェイストゲートバルブは電子制御方式ですが、開閉そのものは負圧で行なっています。そのほうがスムーズに過給がかかるという判断です。電動だとレスポンス遅れや音の問題があります」

各シリンダーに7つの噴射口を持つインジェクションノズルを配置し、20MPaをメインとした高圧燃料ポンプによって高微粒化した燃料を噴射する。排出ガスのクリーン化とエンジン高出力化の両立に貢献する。
──レブリミットが6000rpmとMT車にしてはやや低めですが、ターボ車に乗っている感じはなくエンジン特性がとてもフレキシブルだから、どの回転、どの速度域からでも力強い加速をしてくれます。スポーツだからといってあえて高回転まで回さなくても、アクセルレスポンスが良いので低回転だけでも十分速く走れちゃう感じです。今回は時間の制約のため実現できませんでしたが、ワインディング走行はけっこう面白そうです。スロットルコントロールひとつで姿勢変化や荷重移動が作ることができ、ここは2速、ここは3速とギヤを決めずに走れます。かといって高回転域がダメかということはなく、高速道路では6速からでも追い抜きがかけられる力があります。

「スイフトスポーツのエンジンはこのご時世でもハイオク仕様にしているので、ノッキングが気になる低回転域の点火を進角して、実用トルクを稼ぐことができたのは、開発側からすると非常にありがたかったです。ターボの過給圧制御やウェイストゲートのノーマルクローズ制御と合わせて、アクセルの応答遅れを最小限に抑え、太いトルクを発生します。
また、スイフトスポーツでは専用インジェクターを採用しました。エスクードのインジェクターは6孔でしたが、ひとつ孔を増やして7孔にして、さらに噴射圧をあげて噴霧の高微粒化して燃焼をよくしてあげることで、キレイに燃やしてあげるようにしています。そもそもエスクードのK14Cエンジンも噴射圧は3〜20Mpaと高かったのですが、スイフトスポーツのK14Cエンジンは20MPaをメインにしています。インジェクターの変更により、排ガス規制や燃費性能にも貢献しています」

新型スイフトスポーツのK14C型エンジンについてはこちら

そして、何よりコストパーパフォーマンスが高い! これだけの性能向上や装備内容が充実されているにもかかわらず、先代モデルの価格からほぼ据え置きの183万6000円(6MT)。今回か単眼カメラ+レーザーレーダーによる衝突被害軽減ブレーキシステムをはじめ、初採用となった車線逸脱抑制機能など先進安全装備のオプションをつけても200万円を超えません。これはかなり魅力です。

最近のスズキの新型車は、華やかさはないけれど走行性能と燃費の相反する性能を両立する「軽さ」を武器に、走りの本質を極めるブレないクルマづくりをする印象が強く好感が持てます。スイフトスポーツはまさにその真髄をいっています。スイフトスポーツは冒頭で述べたようにチューンングする層に熱いファンが多い車種です。開発エンジニアの話では、タービンサイズをワンランク上げてもエンジンの耐久性としては問題ないとのことでしたから、究極の速さを突き詰めていくと、筑波サーキット1分切りも夢ではないのでは? そんなポテンシャルを感じます。ただ、ノーマルの完成度が高いので、そのバランスを崩さずにレベルアップできればという条件つきですが……。

SPECIFICATIONS
スズキ・スイフトスポーツ(ZC33S・6MT)
■ボディサイズ:全長3890×全幅1735×全高1500㎜ ホイールベース:2450㎜ ■車両重量:970㎏ ■エンジン:直列4気筒DOHC直噴ターボ 総排気量:1371cc ボア×ストローク:73.0×81.9㎜ 圧縮比:9.9 最高出力:103kW(140ps)/5500rpm 最大トルク:230Nm/2500〜3600rpm ■トランスミッション:6速MT ■駆動方式:FWD ■サスペンション形式:Fマクファーソンストラット Rトーションビーム ■ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク Rディスク ■タイヤサイズ:F&R195/45R17 ■環境性能(JC08) 16.4km/ℓ ■車両本体価格:183万6000円

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