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本気でワインディングやサーキットを走るなら6速MT車を買って、まずはLSDとクイックシフトの装着、ブレーキのチューニングから スズキ・スイフトスポーツ試乗 MTvsAT|BMW Mを思わせる望外に高いGT性能。ノーマルのまま乗るなら6速AT車を選べ![3/4]

  • 2018/02/20
  • 遠藤正賢
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新型スズキ・スイフトスポーツ6速AT車

そしてたどり着いた、箱根のワインディング。初めはAT任せのまま、やや速めのペースで走らせてみると、坂道走行の制御ロジックが組み込まれているらしく、減速時は積極的にシフトダウンし、逆に加速時やアクセルオフ時はむやみにシフトアップを行わない。そのためアクセルオフ時には適切なエンジンブレーキ、アクセルペダルを踏み込めば即座に溢れんばかりのトルクを得ることができる。軽くジョギングする程度の気持ちでワインディングを流したいという時は、ATモードを維持した方が、むしろ速く楽に走れるだろう。

スイフトスポーツ専用の前後サスペンション
そして、最も重要なハンドリングや路面への追従性は、もはや絶品と言うより他にない。ダンパー・スプリング・スタビライザーのみならず、リヤはトーションビームまで剛性を高めた専用品を採用したおかげもあり、ステアリング操作に対し極めてクイックかつリニアに反応し、コーナリングの過程でもさしたる修正舵を必要としない。かつゆっくりとロールしながら弱アンダーステアを維持するため、何ら不安を覚えることなく旋回できる。

シート表皮が黒・赤コンビに変更されたスイフトスポーツのリヤシート
サイドサポートが強化されたスイフトスポーツ専用フロントシート

路面の凹凸に対しても、大きな凹みに対してこそやや強めのショックを室内にもたらすものの、それ以外はいたってオンザレール。サスペンションが極めてしなやかに凹凸をいなし、車体の姿勢をフラットに保ってくれる。フロントセミバケットシートの高いサイドサポート性も相まって、車体のみならず乗員も姿勢と視線の変化が少ないため、速く安心して走れるだけではなく、快適で疲れにくいというのも大きな美点だ。

その走り味は、ほぼ同じパワートレインを持ち、走りにおいては無類の完成度を誇るエスクード1.4ターボに酷似しており、しかも車重が230~250kg軽く(ただしエスクードは4WD、スイフトスポーツはFF)、ボディサイズは全てにおいて一回り小さいのだから、速くないわけがない。楽しくないわけがない。「乗らなきゃわからないのかよ、そんなことまで」と言われそうだが、実際に乗ってみたら、期待以上の速さと楽しさだったのだから、ただただ驚かされるばかりだった。

新型スイフトスポーツ6速AT車のパドルシフト
新型スイフトスポーツ6速AT車のメーターパネル

だが、その持てるポテンシャルを全て使い切って走りたいとなると、物足りない部分が見えてくる。メーター上は6250rpm以上がレッドゾーンとなっているが、ATモード、パドルシフトを駆使したMTモードを問わず、実際には5800rpm付近で自動的にシフトアップする。これは後日試乗した6速MT車でも、5800rpm付近でレブリミッターが働いてしまっていたため、状況はさほど変わらないというのが、また大きな問題だ。

コントロール性の面ではもちろん、特に4000rpm超でターボエンジンとは思えないほどの快音を奏でるこのK14Cを堪能し尽くせないという意味でも、この自動シフトアップ制御と低いレッドゾーンは疎ましく思えてしまう。

新型スイフトスポーツの6速MT
なお、6速MTはアルトワークス用5速MTとほぼ同様の改良メニューが与えられているものの、残念ながらストロークが10mmも長い50mmとなっており、ブッシュなどもアルトワークス用ほど硬くはない。筆者のようにアルトワークスと同じシフトフィールを期待して6速MT車に乗ると、率直に言ってガッカリしてしまうのだが、長距離長時間走行する際にはむしろちょうど良く、疲れにくいという点で好印象だった。

そして、230Nmもの最大トルクを発生するにもかかわらず、依然としてスイフトスポーツには、6速AT車はもちろん6速MT車にもLSDがオプション設定すらされていない。

そのためコーナリングで車体をアウト側へフルバンプさせずとも、エンジン回転をレッドゾーン付近で維持せずとも、立ち上がりでアクセルを踏み込めばアッサリとイン側がホイールスピン。それ以上の加速を拒むため、より速く走るには、これまで以上に小さく回り直線的に立ち上がるライン取りが求められる。

スイフトスポーツであれば、各パーツメーカーやチューニングショップがバリエーション豊富にLSDを商品化するだろうが、そろそろヘリカルLSDくらいは標準装備してもよいのではないだろうか?

ローター・キャリパーともサイズが拡大された新型スイフトスポーツ用前後ブレーキ
また、先代よりも大幅にサイズアップされたブレーキは、耐フェード性こそ下りの高速ワインディングでも申し分ないものの、絶対的な制動力はもう少し欲しい、というのが正直な所。ペダルタッチもスポンジーでストロークも長いため、フィーリングにこだわるならばサーキットを走らずともブレーキまわりのチューニングは必須だ。

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