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ー空冷四発も検討した上で、 Z900のエンジンをベースとして選択したー 【Z900RS 開発ヒストリー】 ” MAKE THE Z TIMELESS” 伝説に挑んだ開発者たち

  • 2018/03/30
  • MotorFan編集部
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乗りやすさと楽しさのための味つけ

本機もアシスト&スリッパークラッチを採用。入力側と出力側の接合面を傾斜させることにより、駆動力や逆駆動力による圧接力の増減が可能となり、クラッチレバー操作力の低減と強大なバックトルクの吸収(ホイールスピンの抑制)に効果を発揮している。
高回転高出力化を狙わないことによる良い影響は、排気系にも見られる。ネイキッドバイクでは、ルックス上、ないほうがすっきりするエキパイの連通管と、重量増加やコストアップにつながる排気デバイスを、どちらもなくすことができたからだ。

連通管も排気デバイスも、高回転高出力型に設計した排気系の低中速性能を補うための物だが、高回転高出力化を狙わない本機の場合は、もとから低中速性能に的を絞って排気系を設計できるので、どちらもなしで求められる性能が得られる。

とはいえ、二重管構造の内側パイプの径や集合部(膨張室)の内部構造などは、他のエンジン性能パーツと並行して、膨大な数の試作とテストを繰り返し、頑として妥協しないテストライダーとの議論を毎週のように続けた末に完成したという。

二重管構造の内側パイプの径は、25.4/ 28.6/31.8/35mmの各仕様をテストし、 25.4では下のトルクは出るが上が回りづらく、31.8だと逆に下のトルクが不足するので28.6に決めたあとで、連通管の有無をテストし、性能的に大差はないがビジュアル的には圧倒的にないほうが良いとの判断により、最終的に連通管なしのエキパイを採用した。

こうした排気系の開発で重視されたのは、ただ低中速トルクが充実しているだけでなく、過不足なく楽しい加速感が得られること(感性に訴える過渡特性)と、Z1をオマージュした現代のスタンダードスポーツに相応しいサウンドの造り込みである。

排気音については、同社の別モデルやライバル機種の、アイドリング時を含む録音をもとに作ったサウンドサンプルを用意し、明石工場の多数の職員にアンケートをとったり、数十種類もの(中にはラフスケッチから手作業で形にした物も含む)膨張室を試作/評価するなど、騒音規制の範囲内で最高のサウンドを追求している。

とにかく試作点数の多い機種でした、と実験担当者が振り返るように、数値化できない性能にこだわり、感覚をもとに仕様を決めていったのは、排気系だけでなく、エンジン各部のパーツや電子制御(KTRC) の設定にも及ぶ。

点火時期の制御については、ベースとなったZ900のレスポンスの良さと高回転の伸びの両方を落とす代わりに、スタンダードスポーツにふさわしい常用域(中低 回転時)の扱いやすさや感性にマッチした加速感などをテーマに、これまた妥協しないテストライダーとぎりぎりまで煮詰めた末に量産仕様が決定した。

本機に搭載のKTRC(カワサキ・トラクション・コントロール)は、前後ホイールの回転数/エンジン回転数/スロットル操作を検出し、モード1では毎秒200回の時間精度で点火時期を調整することで駆動力を制御し、スポーティな走りを実現する。

最高の加速を得るためには、まったくスリップしないよりは理想的にスリップしたほうが良いので、それに見合ったスリップを許容し、加速時に自然に生じるホイールリフトも許容するのがモード1の特徴だ。

これに対してモード2では、後輪にスピンが生じたときに点火時期/燃料供給量/ サブスロットルによる吸気量の3つを調整し、駆動力を低減させてスリップを防ぎ、同様にしてすべてのホイールリフトも抑制する。刻々と路面状況が変化するツーリングにはありがたいモードといえる。

クラッチは、Z900/Z1000などと同じく、アシスト&スリッパー式。作動原理は同じだが、もちろん、スーパーネイキッドとは異なり、スタンダードスポーツに合わせた設定に変更されており、発進しようとしてクラッチレバーに指をかけた瞬間から、峠道で誤って1速にシフトしたような事態に至るまで、乗り手にもマシンにも優しいクラッチに仕上がっている。

バランサーは、Z900と同じ一軸二次バランサーを装備し、不快な振動は極力排除したチューニングが施されている。Z900と同様、クランクケース前方に、バランサーギアのバックラッシュを調整するレバーを備える。

メーターユニット解説

メーターまわりは、最新の技術を投入しつつ、見た目はZ1を思い起こさせるクラシカルなもの。スピード/タコメーターはともに電動アナログ式で、その間のインジケーターパネルには、燃料、水温、ギアポジション、時刻、距離、トラクションコントロール(KTRC)の選択モー ドなどの情報が表示される。

KTRCのモード選択は左グリップ脇のセレクトスイッチで行い、スリップ抑制を控えめにしたモード1/モード1よりもスリップが早く抑制されるモード2/OFFのどれを選んだかが表示される。

メインスイッチをオフ→オンしても前回選択したモードで起動するが、OFFで再起動した場合は1を自動選択。

カワサキZ900RSのすべて (ニューモデル速報モーターサイクルシリーズ)

カワサキ伝説のZ1をオマージュ
時代を超えた普遍的な称号がいま蘇る


伝統と現代技術の巧みな融合
色褪せないタイムレススタイリング
感性に訴えかける緻密な造り込み

柳川明・試乗インプレッション
コンセプト&デザイン・インタビュー
開発ストーリー
メカニズム詳密解説
ライバル車比較レビュー
コンストラクターが考察するZ900RSの本質

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