Motor-Fan[モーターファン]|自動車最新ニュース・速報、試乗記など、クルマとカーライフを楽しむサイト

  • モーターファンテック
  • モーターファンバイクス[Bikes]
  1. TOP
  2. ニューモデル速報
  3. 新車情報

マクラーレンF1以来の3シーターのハイパーGTカー マクラーレン・スピードテールが登場! 最高出力1050ps、最高速度はなんと403km/h!

  • 2018/10/26
  • GENROQ編集部
このエントリーをはてなブックマークに追加

まずは空力から解説していこう

 ボディ全体はエレガントな流線型をしている。ミリ単位で調整されたホイールカバーは最高速に利くのは間違いない。なにしろ403km/hもの速度では、わずかでも空気抵抗となる可能性のあるものは取り除きたいところだ。さらにドアミラーは、先日発表されたレクサスESにも採用されるカメラ式を採用しているが、最高速を志向するスピードテールでは格納可能になっている。写真ではルームミラーを備えていないが、カメラのみでも視野角は180°以上確保されているという。当然カメラは高精細でダッシュボード左右の端に配置されたモニターに後方映像が表示される。運転時に作動するが最高速モードでは格納することが可能だ。Aピラー付け根には左右リアビューカメラで撮影した後方映像が表示されるモニターがある。

 だが、もっとも注目したいのはボディパネル後端左右のアクティブ・リア・エルロンと呼ばれる可変空力システムだ。一枚のカーボンファイバーでできているのだが、リアパネルのスリットが最大26度めくれ上がることで空気抵抗の削減やスタビリティ向上につながる。ボディパネルは巨大な1枚のカーボンだが、マクラーレンが特許取得した技術によってフレキシブルに曲がるようになっている。

 
 エルロンは油圧アクチュエーターで上下する。言葉で説明するとわかりにくいので映像をご覧いただきたいが、ボディ表面の隙間はわずかに1mm。これによってスピードテールならではのスリークでシームレスなデザインを実現しただけでなく、スポイラー近辺から発生する乱気流を抑制するという。これが403km/hという驚異的な最高速を誇るスピードテールにとってハイライトである。もちろん減速時にはエアブレーキ機能にもなる。なお柔軟なカーボンパネルとはいえ、頻繁に曲がっていては疲労骨折が心配になるが、マクラーレンのR&Dチームは、6ヶ月間連続動作テストを行ったがなんら破損もなかったという。

 パワートレインの詳細は明確になっていないが、ミッドに搭載されるのはセナにも搭載される4.0ℓV8ツインターボとみるのが妥当だろう。スーパーシリーズより上位シリーズに採用される高出力ユニットは、セナのようなサーキット志向モデルでは800psを発生していたが、スピードテールはハイパーGTカーである。それを大幅に超える性能を求めているとは考えにくい。おそらく250ps程度を発生するモーターが組み合わされていると予想される。

 フルLED化されたデイタイムランニングライトの横には縦型のダクトがレイアウトされる。空気抵抗を最小化するためにテーパー状に細くデザインされ、ここから入る空気は低温ラジエーターに送り込まれる。ボンネット上の空気は低温ラジエーターには流れ込まず、フロントフード上の小さなインテークに入る。ここからボディを通り、ホイールアーチ周辺を通って、左右ドア下部に抜ける。この技術によって、車体左右の空気を整流し、ボディ周辺に発生する乱気流を抑制するという。ノーズ上の空気の残りはフロントウインドウ上を抜けて、シュノーケル型のインテークに入る。
 
 当然ボディ下面はカーボンで覆われ、ボディの上下に流れる空気を制御する。最新モデルの空力技術の基本だが、アンダーパネルは延長されたリア部と接続し、リアディフューザーによって空気抵抗を削減する。さらに空力性能向上のための伝統的な手法として、固定式の(回転しない)カーボン製フロントホイールカバーが装着されている。ブレーキの排熱のため、隙間が設けられている。なおリアホイールにカバーは装着しないのは、空力性能がフロントほど向上しないことや重量増など、メリットが少ないためだそうだ。

自動車業界 特選求人情報|Motor-FanTechキャリア

「自動車業界を支える”エンジニアリング“ 、”テクノロジー”情報をお届けするモーターファンテックの厳選転職情報特集ページ

motorfuntech

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。 一覧へ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ 一覧へ