Alpine A110 Impression from Editor's room 【アルピーヌA110サーキットテスト】安易な試乗に要注意!? エリーゼを超えた超絶ハンドリング!
- 2018/10/27
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MotorFan編集部 小泉 建治
軽量化っぷりが尋常ではない
今回テストした「ピュア」の車重は1100kgで、今どきのスポーツカーとしてはかなり軽い部類に入る。これ以上の軽さを求めるなら、マツダ・ロードスター、ロータス・エリーゼ、ケータハム・スーパーセブンくらいしか選択肢が見当たらず、いずれも動力性能ではA110よりも劣る。
A110のプラットフォームとボディは96%がアルミニウム製だ。残りの4%は前後バンパー(樹脂製)とリベット等にとどまる。シートは一脚わずか13.1kgで、先代ルノー・メガーヌR.S.のバケットシートが27kgだったことを考えると驚異的な軽さであることがわかるだろう。
ほかにも、世界初のアクチュエーター内蔵のリヤブレーキキャリパーによって通常よりも2.5Kgの軽量化を果たすなど、とにかく変態的(失礼!)なまでに細部にこだわり抜いた結果の1100kgなのである。
にもかかわらず、コクピットにはエリーゼ&エキシージのようなスパルタンさがない。あのアルミ剥き出しの無骨さにもおおいに惹かれるものがあるが、A110はかなりの上質さ───ラグジュアリーとも言えそうなほどの仕立てを見せているのだから驚かされる。
切り始めは鋭く、その先は穏やか
そしていよいよ試乗開始だ。ESCがオフになるトラックモードを選択してコースインする。ピットロード出口から最初のコーナーに向けてステアリングを切った時点で、早くも声を上げそうになった。とにかく初期の反応が鋭い。その高い旋回性能ゆえ、ミッドシップの市販車はあえて切り始めの反応を鈍くして安全性を確保するのが定石だ。
俊敏性では右に出るものがないと言われるエリーゼも意外と初期の動きは穏やかだし、それなりのロールを許容することでビギナーにも姿勢変化をわかりやすく伝えてくれる。あの軽快感は車体の絶対的な軽さがもたらすものであり、ハンドリングのしつけ自体はそこそこマイルドなのである。
ところがA110はコブシひとつ分の動きで即座にノーズが反応し、視線を向けた先と車体のノーズの向きが見事にリンクする。
「こりゃあ手強いぞ」
確かに気持ちはいいが、この尋常ならざる機敏さは、限界域で手に負えないことを予感させる。だがクルマ好きの多くがそうであるように(と信じたい)、ノー天気な自分もサーキットなんぞを走っていると不安よりも快感のほうが勝ってきて、次第にペースは上がり、気がつけば目を三角にしてタイヤを鳴かせていた。
そして案の定、ストレートエンドの1コーナーでリヤがブレーク!……しそうになったけれど、あれれ? なんだか挙動がゆっくり? ほう、ちゃんと2コーナーのほうに向きが変わったではないか。
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