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Mercedes-Benz S400d 4MATIC long Driving Impression メルセデス・ベンツ S400d 4MATIC long:新世代の3.0ℓ直6ディーゼルはフラッグシップにふさわしいゆとりと優雅さがある

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例によってエンジンカバーは外すとこう見える。

 ところが現在、ディーゼルハイブリッドはSクラスのラインアップから落ちている。「売れなかったからやめた」という表現が正しくないことは、販売実績が示している。ラインアップから落ちたのは、フェイスリフトを機に本国も含めて設定がなくなったからだ。ディーゼルエンジン搭載車は、「S400d」に一本化された。もっともベーシックなS400dで車両本体価格は1116万円(税込)である。

 モーターを取り払っただけ、ではもちろんない。搭載するのは新世代のディーゼルエンジンである。S400dが搭載するのは、OM656のコードネームを持つ3.0ℓ直6ディーゼルだ。ひとあし先にOM654の2.0ℓ直4ディーゼルが発表され、E220dやC220dに搭載されているが、OM656はその兄弟であり、モジュラーエンジン・ファミリーに属する。もっといえば、ガソリンのM264(2.0ℓ直4)やM256(3.0ℓ直6)も同じファミリーだ。

 新世代ディーゼルエンジンの特徴を簡単にまとめると、最新の排ガス規制に対応すると同時に、損失(とくにフリクション)を大幅に低減し(た結果、熱効率は向上する)、軽く、コンパクトに仕立て、出力とトルクを向上させている。

大小のターボを切り替える2ステージターボチャージャーを採用。小さい方が可変ジオメトリーだ。

 OM656は排気側にのみ可変バルブリフトシステムのカムトロニックを装備しているのが特徴で、冷間時の吸気行程中に排気バルブを再開し、排気の一部を燃焼室に取り入れることで始動性を確保した。マツダのSKYAKTIV-D2.2と同じ手法である。

 運転状況に応じて大小のターボを切り替える2ステージターボチャージャーを採用したのもSKYAKTIV-D2.2と同じだが、OM656が軽負荷用の小ターボ側を可変ジオメトリーにしたのに対し、SKYAKTIV-D2.2(18年マイナーチェンジ後)は大負荷用の大ターボが可変ジオメトリーである。

 マツダのSKYAKTIV-DはNOx触媒を持たずに現行の排ガス規制をクリアするが、OM656はSCRを用いて浄化する。高圧&低圧EGRを上手に使って燃焼の段階でNOxを低減している(SKYAKTIV-Dと同じアプローチ)というが、より規制の厳しいRDEを見込んだがゆえにSCRを採用したということだろうか。そのSCRはDPFの下流に置く従来方式ではなく、DPFにSCRをコーティングした最新式を採用している(ゆえにコンパクト)。

 OM656の容積比は15.5で、V6だった先代OM642と同じ(マイナーチェンジ後のSKYAKTIV-D2.2は14.4)。ピエゾインジェクターの最大噴射圧は2500barだ(SKYAKTIV-D2.2は2000bar)。最高出力は250kW、最大トルクは700Nmである。OM642は190kW&620Nmだったから、出力&トルクは大幅に増えている。

 OM642と対比すると、鋳鉄ブロックはアルミブロックに、ピストンはアルミからスチールに変わっており、シリンダー壁面にはスチールカーボン材を溶射コーティングしている。アルミブロックと鋳鉄ライナーの組み合わせより鉄の層を大幅に薄くでき、ブロックの小型・軽量化に結びつく技術だ。

 この技術をメルセデス・ベンツはNANOSLIDE(ナノスライド)と呼んで新世代エンジンの技術的な特徴のひとつに位置づけ、ディーゼルのみならずガソリンエンジンにも積極的に適用。「F1のターボエンジンにも効果的に用いられている」と喧伝している。

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