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実用化は本当に目前なのか、最新事情から見えてきた電動バイクの課題とは?

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EVの未来はバッテリー性能にかかっている

 反対にデメリットはどうだろう。まず価格が高い。現状では同クラスのガソリン車に比べてかなり割高で、例えばPCXエレクトリックはPCXの倍以上の価格設定といわれている。そのコストのほとんどがリチウムイオンバッテリー代。つまりイニシャルコストがかかるわけだ。
 また、一充電当たりの航続距離が短いのも難点。PCXエレクトリックもWMTCモードでは50km以上と販売国の8割以上のユーザーの1日当たりの実用距離をカバーしているデータもあるが、ガソリン車のPCXなら同条件で400kmと大きな差がある。しかも充電するには家庭用100V電源で6時間程度かかるなど時間と手間がかかる。長距離通勤の場合、毎日充電する必要が出てくるわけで、忙しい現代人にとっては面倒かも。というように、電動2輪は都市型コミューターとして有望ではあるが、まだまだ解決すべき課題も多い。ただ、これらの問題はすべてバッテリーの性能にかかっているので、次世代型バッテリーの開発が進めば一気に解決される可能性も高い。

可及的速やかなインフラ整備が求められている

 そしてもうひとつの大きな課題がインフラの整備だ。昨年、実際に電動2輪でツーリングした経験からすると、一番困ったのが充電。まずもって電動2輪用の充電設備がないのだ。4輪用の充電ステーションは最近急速に普及していて、ディーラーやコンビニ、ショッピングモールの駐車場など至るところに設置されているが、こと2輪用に関しては皆無に近い。さらに充電用ソケットを装備した輸入モデルの大型電動スクーターなどでも「前例がない」という理由で4輪用の充電施設を使わせてもらえなかったり、充電ソケットは接続できてもチャージャー側の機械に認識されず結局充電できない場合もあった。また、4輪では一般化している国際基準の急速充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)にも一部のブランドを除いて対応していないことも踏まえ、出先での“電欠”には事実上対応できないなど、現状における電動2輪はユーザーにとって便利で使いやすい乗り物には未だなっていない。
 とするならば、電動2輪のさらなる普及のためにはバッテリーを含めた車両の開発とともに、充電ステーションなどのインフラ整備をスピード感を持って進めていくことが求められるだろう。

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