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【モンキーRアーカイブ・開発者インタビュー】他社には出来ない、ホンダらしい独自のモンキー“R(レーシング)”バージョンを作ろうじゃないか![2/2]

  • 2019/02/11
  • MotorFan編集部 北 秀昭
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当時の開発陣たちは、 4MINIカスタムを徹底研究していた!?

--発売から25年を経た今でもまったく見劣りしない、まるでカスタム車のように完成された外観と車体。おまけにモンキーRって、“カユイ所”にもしっかりと手が届いているんです。

 例えばFCR28のようなビッグキャブの装着もしやすいですし、オイルクーラーの取り付け場所にも困らない。またダウンマフラー装着時も、基本的にキックペダルの交換がいりません。モンキーが七変化するヤンチャ坊主なら、モンキーRは優等生というイメージかな。モンキーシリーズの中でも、モンキーRは特別な存在ですよ。

●一般のユーザーさんが踏み込みにくい箇所は、メーカーがしっかりと設計・製作する必要があると考えています。例えばアフターパーツなどではフォローしにくいであろうガソリンタンク。モンキーRの場合も、形状などは、妥協することなくしっかりと作り込みました。

--手に入りにくいモノ(箇所)は、きちんと揃えておいてくれる。これこそバイクメーカーの仕事であり、プロの仕事ですよ! 当時の開発陣の皆さんは、4MINIカスタムも徹底的に研究しておられたのかな? なんて推測しちゃいます(笑)。

 ユーザーたちが購入後、どういう箇所をカスタムするのか? これを知らない人たちに、この車両は作れませんよ、絶対に!

●遊び心に満ち溢れたオジサンたちが、心をひとつにして作ったのが、このモンキーRだったのかも知れません(笑)。このモデルの開発は、ビッグバイクなどに比べてやりやすかったところもありましたから。

--やりやすい、というと?

●開発者の人数が、ビッグバイクよりも少なかった。また、「コレをやっちゃダメ」という制限も少なかった。おまけに、開発メンバー同士の意見交換もやりやすかったんです。

 「“R”なんだから、バッテリーはいらないでしょ」「熱を遮断するマフラーのインナーに穴開けてもいい?」なんて。専門分野を超えて、互いに言いたいことを言い合ってました。

ミニバイクレースとモンキーR

モンキーRには大型の6Vや12Vバッテリーは非搭載。ニュートラルランプを点灯させるため、ガソリンタンクの下部に2Vのカードバッテリーを配置。
--1987年といえば、全国各地でミニバイクレースが開催されていた頃。サーキットでは2ストのYSR50や4ストのGAGをベースにしたチューニングマシンなどが、凌ぎを削ってバトルしていました。YSR50やGAGのライバルとなりうるモンキーRの開発時には、レースでの使用も視野に入っていたのですか?

●レジャーモデルという性格上、ミニバイクレース用として使用される可能性が非常に高い。その点も十分考慮しました。

--例えばどんな箇所に?

●弊社のカブ系エンジンの排気量は、50cc、70cc、90ccなどがあります。例えばモンキーの場合、70ccまではOKですが、90ccだとフロントタイヤとシリンダーヘッドが接触してしまう。モンキーRはこれを回避しています。また90ccの場合はキャブレターの大型化も必要。モンキーRはこの時にキャブがフレームやタンクに当たらないよう、キャブ周りにクリアランスを持たせています。

--その他にこだわった箇所は?

●電装系です。モンキーといえど、“R”ということで基本的にバッテリーは積みたくなかった。ただし初心者のためにはニュートラルランプも必要。そこで2Vのカードバッテリーを採用することにしました。バッテリーの寿命が来る頃には、初心者だったライダーもニュートラルランプはなくても大丈夫だろうと。

--個人的には、シフト状況を数字で表示するギアポジションインジケーターが欲しいところですね(笑)。やはりモンキーRの“R”はダテじゃない。走るために生まれた、ホンダイズムが凝縮されたモデルなんだなあとつくづく感じます。

●実は当時、かなり気合を入れて、「水冷エンジン」を搭載したミニバイクレース仕様のモンキーRを2台試作したんですよ。当時、千葉県にあった新東京サーキットにも頻繁に通いました。

--87年、88年頃の新東京といえば、ちょうど世界GPで活躍した故・加藤大二郎君や青木三兄弟、芳賀兄弟などがウデを磨いていた頃です。

●「モンキークラス」ではレーサー仕様のモンキー改がバトルを繰り広げていましたね。

時代がようやく モンキーRに追い付いた?

記事掲載から7年後、モンキーは125ccとして発売された。
--モンキーRは横型エンジンを積んだレジャー系という位置付けですが、カテゴリーは完全にスポーツ系だと思います。モンキーRベースのフレームがNSR50を生み、NSR50ベースのフレーム&足周りがNSR-Miniとなり、NSF100へとバトンタッチされた。そういう意味では、モンキーRは「近代ホンダにおけるスポーツミニの原点」と呼ぶべき存在なのかも。

●今振り返ってみれば、確かにそうですね。

--ただし、あまりにも命が短かった。

●発売当時はモンキーRよりも、既存のモンキーの方に人気がありました。さらに言えば、1987年当時は50ccの場合、パワーを稼ぎやすい2ストの人気が圧倒的に高かったですから。

--当時は「速くてパワーのあるバイク=いいバイク」という風潮が確かにあった。しかし1990年代に入ると「レーサーレプリカはもういい」と、カワサキゼファーなどのネイキッドモデルが人気になった。

 また、それとともに、「4ストミニには味のある」という価値観も強まってきた。そういう意味では、モンキーRは“早すぎたモデル”だったのかもしれません。ちなみに4MINIフリークの間では、「モンキーRを再販して欲しい」という声も、決して少なくありませんよ。

●こうしてお話をしていると、「モンキーRは今、なのかなあ…」と(笑)。

--まさしく今ですよ。仮にもし今出すとしたら、当然インジェクションでしょ。しかも原付2種で。

 もう一回り車体を大きくして、前後のホイールは12インチにサイズアップ。エンジンはカブ110ベースでクラッチ付きに変更。イメージはドンドン膨らみます!

※本記事は「4MINIちゃんぷ19(2011年発売)」の「モンキーR 開発者インタビュー」を再編集したものです。

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