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「変わることなき本格クロスオーバーの魅力」デリカD:5だけが兼ね備えるふたつの魅力を各カテゴリーのライバルとの比較から明らかにする 三菱デリカD:5をホンダ・ステップワゴンやスバル・フォレスター、ランドローバー・ディスカバリースポーツと徹底比較!「ライバル車比較インプレッション」

  • 2019/03/23
  • ニューモデル速報
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設計年次の古さを感じさせないリラックスできる居住空間

 今回のディスコスポーツを筆頭に同じ三菱のアウトランダー、そして日産エクストレイルなど、3列シートを用意するSUVは少なくない……というか、多人数乗り乗用車は、国際的にもはやSUVが主流である。

 このディスコスポーツでも、2列目のスライド機構を融通すれば大柄な成人男性が3列すべてで膝を揃えられるパッケージングには感心する。とはいえ、3列目のヒール段差は非常に小さく、いわゆる「体育座り」を強いられて長距離は遠慮したくなるのも厳然たる事実。この点は他社SUVも大差なく、さらに大柄なマツダCX-8でも3列目乗員には何かしらのガマンが必要なのは否定できない。それと比較すれば、D:5とステップワゴンの最後列は「大人のための快適居住空間」と呼ぶにさしつかえない。改めて日本のFFワンボックスミニバンの空間効率の高さを思い知らされるところである。

 ただ、同じワンボックスミニバンとしてみるとD:5とステップワゴンの設計年次には8年以上の差があり、シート収納法や空間効率で言えば、やはり新しいだけのアドバンテージがステップワゴンにはある。ボディ全長はわずかに短く、最低地上高差を差し引くとボディ全高は両車ほぼ同じだが、レッグルームやヘッドルームの絶対的な余裕はステップワゴンに軍配が上がるのだ。

 D:5のシートは表皮は刷新されたが骨格は3列とも従来からのキャリーオーバーで、シート設計自体は新しくない。サードシート収納法は左右跳ね上げ式だが、その出し入れの操作力、及び収納時のかさばり具合も特筆すべき点は特になく、D:5のサードシートは良くも悪くもオーソドックスである。

 しかし、実際のサードシートの居心地もすべてがステップワゴンの勝ちかというと、そう言いきれないのが面白い。D:5のそれはシート設計こそ新しくないもののクッションは十二分に分厚い。背の高い男性ではわずかに太ももが浮く着座姿勢ながらも、リラックスして座れるのはうれしい。また、左右方向の余裕だけは明らかにデリカに軍配が上がる。いかに8年の設計年次差があれど、5ナンバー枠を守りながらすべてギリギリに設計されているステップワゴンに対して、最初から伸び伸びとパッケージされたD:5に分があるのは明らかだ。

本格SUVに引けをとらない悪路性能に磨きが掛かる

 今回連れ出したディスコスポーツとフォレスターは、最低地上高、各部の走破性アングル、サスストローク、4WDシステム……といった悪路性能の指針となるすべての性能で、最新の同クラスSUVでもトップクラスと評価されている。しかし、D:5は完全なミニバンパッケージながらも、これら悪路性能の指針で2台に大きく引けを取らない。

 今回の取材では残念ながらオフロードを走ることはできなかったが、新しいD:5は刷新されたフロントセクションの剛性アップに合わせて、フロントのバネレートを高めて、さらにリヤショックアブソーバーを大径化して内部バルブを高応答性のものに改良するなどの変更が施されている。ただ、これらのシャシーチューンはあくまで「悪路性能や操縦安定性は従来レベルをキープする」という開発目標のもとでボディ剛性バランスの変化に対する補正が主眼だそうで、意図的に舗装路での性能アップに特化させるなどの宗旨替え、コンセプトの変更はしていない。

 それでも、開発現場は「せっかくやるなら……」とリヤの追従性などを明らかにレベルアップさせたそうで「極限の走破性よりも、林道やダートなどのそうした未舗装路での接地感や安定性も増しています」と開発担当氏は語る。その効能はオンロードでの乗り味にも現れており、舗装路での高速巡航における安心感も明確に向上している。さらに、フロントの接地感やリニアリティも新型の方が好印象で、従来のバネ下が暴れるようなクセも払拭された。

 そうは言っても、完全に本格SUVレベルの地上高に、本格ワンボックスミニバンのボディを組み合わせたD:5は、お世辞にも低重心とは言えず、同じ高速周回路で乗り較べれば、地に足のついた安定感ではディスコスポーツとフォレスターが先んじられているのは明らかだし、同じミニバンボディのステップワゴンより上下動が大きいのも否定できない事実ではある。

 それでも、今回の大規模マイナーチェンジで、あえて車高をローダウンしたり、あるいはロール剛性をはっきりと高めたり……といった宗旨替えをしなかった点は、開発陣の見識として全面的に賛同したいところだ。高速で必要以上に飛ばしたり、コーナーであえて意地悪にイジめるといった行為をしない限り、D:5は今回の4台の中でも最も見晴らしが良く、いかなる時も柔らかさを失わないサスペンションのストローク感はなんとも気持ちいい。

 整備された路面でぶっ飛ばした時のフラット感はなるほど、全高が低くフットワークも引き締まったSUVや地上高の低いスパーダに分があるのは否めない。こうした場面でのディスコスポーツの硬質感、そしてフォレスターのリニアでフラットな身のこなしは最新SUVとしても最上位クラスと評すべきだろう。またD:5よりナロートレッドなのに腰高感をいだかせないステップワゴンのフットワークはさすがに新しい。

 その一方で、クルマ全体を大きくバウンドさせるような凹凸では、D:5はたっぷりとしたストローク感を伴いながら、大海原を行くクルーザーのようにゆったりと吸収してくれる。それにしても、こうした過酷な波状路でも、大容積ボディやフロアがミシリともいわないD:5の剛性感には素直に感心する。このあたりは今回の改良の巧妙さとともに、お世辞にも新しいとは言えないGSプラットフォームのそもそもの素性の良さがうかがえるところである。

 ミニバンとSUVの本格クロスオーバーという、いまだライバル不在のD:5は、ひとつひとつ性能をピンポイントで見ると、本格SUVのディスコスポーツとフォレスター、あるいはミニバン専業のステップワゴンに譲るところがあるのは仕方ない。しかし、そのふたつを融合すると、こんなに万能で頼りがいがあり、そして独特の心地良さとマニアックな魅力が醸し出されるとは、改めてD:5の企画力と商品力の妙を感じるところである。それと同時に、今回のマイナーチェンジでも、その本来の魅力をなにひとつ薄めなかった開発陣の姿勢には、クルマオタクのひとりとして拍手を送りたい。

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