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ホンダN-VANが軽商用車の在り方を変える!?【試乗インプレッション】

  • 2019/04/04
  • ニューモデル速報
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ドライバリティに優れるCVTの走り

 売れ筋になるであろうNAエンジンはN-BOXのそれから、耐久性やコストを考慮してVTEC機構を省略されたものになる。それでも市街地ならNAで不足はない。考えてみれば、CVTの本格軽バンというのもほとんど例はなく、今回は耐久性やドライバビリティも意識して練り込んだという。そういわれると、N-VANのCVTは右足ひとつでの速度微調整もやりやすく、荷重を問わずに運転しやすそうだ。ただ、NA車で高速で追い越し車線に出る場合には、周囲との間合いをきっちりと測るべきだ。わずかな上り勾配でも、高速での再加速に痛痒感を覚えるケースは少なくない。

 ただし、ターボなら動力性能の不満もすべて霧散する。高速で周囲をリードすることさえ可能だし、条件さえ許せば130㎞/hのリミッター領域まで苦もなく加速して、その速度域での安定性にも文句なし……と高速でもまるで苦がないどころか、アゴを出す素振りすら見せないシャシー性能、そしてまずまず悪くないアダプティブクルーズコントロールとレーンキープアシストによる半自動運転機能もあって、N-VANの高速巡航は驚くほど快適で、まさにストレスフリーである。

 対して、従来型の軽バンが最も苦手とするのが高速道でのふるまいだ。これまでは軽バンの使い勝手は知りつつも、高速移動のために購入を躊躇したり、あるいはトヨタ・プロボックスで妥協(?)していた向きも、N-VANなら安心して軽バンに踏み込めるかもれしない。

 今回の取材車ではロールーフの「+STYLE・COOL」がターボ車だったが、特に軽のサイズで全高が95㎜も変われば走りにもそれなりの影響がある。サスペンション設定にはNAとターボ、あるいはルーフの高低で大きな違いがなさそうだが、操縦性ではやはり低重心なロールーフのほうが少し安心感があった。

 さらに、高速を頻繁に使うなら、予算さえ許せばターボをオススメしたい。動力性能で圧倒的に余裕が出ることで、あらゆる場面でのストレスが軽減されるだけでなく、高速や山坂道まで含めた総合的な実燃費も、N-VANではNAとターボでほとんど同じだったからだ。

 ここまで想像力が掻き立てられる室内空間に加えて、これほど走りがいいと、これを趣味や日常生活で使いこなしたい好事家も如実に増えることだろう。そうした乗用車用途では可倒/収納性をあからさまに優先した助手席や後席のデキが気になるかもしれない。助手席はスライドもせず座面も運転席より一段低く、シートもすこぶる平板。後席もあくまで補助的なつくりである。

 というわけで、N-VANの助手席と後席を立派にしたワゴン登録モデル=バモスを復活(?)を希望……と思わなくもないが、これらのシートを立派にしてしまったら、シートアレンジや荷室空間など、N-VANのN-VANたる美点の大半が崩壊してしまうし、「それって、つまりはN-BOXでは!?」とツッコまざるを得なくなる。このあたり、N-VANに思いを馳せる好事家たちにはなんとも悩ましい。

 さらに、N-VANは平日の高速道路の勢力図もがらりと変える可能性もある。これまで高速を積極的に走る軽バンはほとんど見られなかったが、今後はN-VANがプロボックスやハイエースに伍して追い越し車線を疾走する姿が定番の光景になるのでは……と予想しておく。

 いや、高速道路だけではない。N-BOXが軽乗用車の世界を変えたように、今度はN-VANが、平日のお仕事から休日のレジャーまで、軽バンの了解や定説をことごとく塗り替えていく可能性は十分だ。

主要諸元表
グレード:+STYLE FUN Honda SENSING
寸法・重量
全長(㎜):3395
全幅(㎜):1475
全高(㎜):1945
荷室内側寸法 長さ(㎜):左 1510/右 1330
荷室内側寸法 幅(㎜):1235
荷室内側寸法 高さ(㎜):1365
ホイールベース(㎜):2520
トレッド(㎜):前 1310/後 1310
車両重量(㎏):960
エンジン
型式 :S07B
種類:直列3気筒DOHC
ボア×ストローク(㎜):60.0×77.6
総排気量(㏄):658
圧縮比:12.0
最高出力(kW[㎰]/rpm):39[53]/6800
最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):64[6.5]/4800
燃料供給装置:電子制御燃料噴射式(ホンダPGM-FI)
燃料タンク容量(ℓ):27(レギュラー)
トランスミッション
形式:CVT
変速比:前進 3.677〜0.753/後退 2.645〜1.313
最終減速比:5.176
駆動方式:FF
パワーステアリング:電動式
サスペンション:前 ストラット/後 車軸式
ブレーキ:前 ディスク/後 リーディング・トレーリング
タイヤ・サイズ: 145/80R12
最小回転半径(m):4.6
JC08モード燃費(㎞/ℓ):23.8
車両本体価格 :156万600円

主要諸元表
グレード:+STYLE COOL・ターボ Honda SENSING
寸法・重量
全長(㎜):3395
全幅(㎜):1475
全高(㎜):1850
荷室内側寸法 長さ(㎜):左 1495/右 1310
荷室内側寸法 幅(㎜):1260
荷室内側寸法 高さ(㎜):1260
ホイールベース(㎜):2520
トレッド(㎜):前 1310/後 1310
車両重量(㎏):970
エンジン
型式 :S07B
種類:直列3気筒DOHCターボ
ボア×ストローク(㎜):60.0×77.6
総排気量(㏄):658
圧縮比:9.8
最高出力(kW[㎰]/rpm):47[64]/6000
最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):104[10.6]/2600
燃料供給装置:電子制御燃料噴射式(ホンダPGM-FI)
燃料タンク容量(ℓ):27(レギュラー)
トランスミッション
形式:CVT
変速比:前進 2.818〜0.577/後退 2.645〜1.313
最終減速比:5.176
駆動方式:FF
パワーステアリング:電動式
サスペンション:前 ストラット/後 車軸式
ブレーキ:前 ディスク/後 リーディング・トレーリング
タイヤ・サイズ: 145/80R12
最小回転半径(m):4.6
JC08モード燃費(㎞/ℓ):23.6
車両本体価格 :166万8600円

モーターファン別冊ニューモデル速報 Vol.575 ホンダN-VANのすべて

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左側センターピラーレス&助手席ダイブダウン。実用性マックスの新提案「軽バン」
ドライビングインプレッション
ライバル車比較試乗
開発ストーリー
メカニズム詳密解説
デザインインタビュー
使い勝手徹底チェック
バイヤーズガイド
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