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アルピーヌA110試乗|20代のクルマ好きの評価は?〈伝説の復活が示したジドウシャの未来とは? 〉

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 走りは、先代と同じく「軽さ」が武器だ。800kgほどだった先代と比べて、新型は試乗車の「ピュア」で1110kg。数値は結構増えているけれども、ボディの96%はアルミ製とスポーツカーらしく軽量化に抜かりはない。シートの後方に搭載するエンジンは1798ccの直4ターボで最高出力は252ps、最大トルクは32.6kgm、0-100km/hはわずか4.5秒だという。

 しかし、期待と同じくらい不安があった。というのも、軽量がウリのスポーツカーはストイックになりがちだからだ。例えば、「ロータス・エリーゼ」はエンジンを搭載したアイアン・メイデンのようだったし、「アルファロメオ4C」は小洒落たバーに見せかけたギロチンだった。アシストのない重ステを握りしめ、少しのミスがアクシデントを招くスリルに満ちていた。それらも決して嫌いではないが、普段使いするにはあ・ま・り・に・もハードルが高かった。

 アルピーヌA110もそれに近いに匂いを発散している。Sabelt製モノコックバケットシートに身体を固定されたが最後、気力と体力をとことん痛めつけられることを覚悟させられるのだ。

 ただ、実際には「アルピーヌA110」は違った。スポーツカーらしい我慢がなく、気構えることなく乗れる。ステアリングにはパワーアシストが付き、トランスミッションは7速DCT。後方視界こそ悪いが、乗り降りで苦労することもなければ、シートは体圧を均一に分散してコツコツと細かな振動さえ伝えない。むしろスポーツカーの中でも快適性は高く、このゆるふわ感に心底ホッとした。

 気分が盛り上がってきたら、「SPORT」モードをON!! アクセルの反応が一段と増し、加速のレスポンスはもちろん、エンジンブレーキの効きも高まる。弾けるアフターファイアをBGMに、フィギュアスケーターのように激しくも優雅に駆け抜けていく……。

 カッチリとした一体感と同時に、足回りのしなやかな動きも感じられる。路面のうねりや凹凸を受けた動きの変化とドライバーの感覚にズレがない。確認すると、重心は運転席と助手席のヒップポイントのちょうど中間にあるという。軽量なボディをはじめ、あらゆるメカニズムが、この『体幹の良さ』の伏線だったのか。

 車両本体価格は最低でも790万円〜と決して安くないのだが、自動ブレーキなどの最新安全装備は一切なく、ハイブリッドや電気が台頭している中で「A110」のパワートレーンはガソリンエンジンのみ。荷室は狭くて薄い。しかし、必要な時に必要なクルマを借りれる時代だからこそ、「A110」のようなエンジニアの人間味に溢れた芸術こそ所有したくなる。

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