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フォルクスワーゲン Polo TSI R-Line VWポロ TSI R-Line:ライトサイジングのEA211 1.5ℓevoを搭載したポロの実力。燃費は? 走りは? エンジンから探る

  • 2019/05/04
  • MotorFan編集部
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 1.5ℓ TSI Evo 96kWが本国では「BlueMotion」グレードに設定されていることも、効率追求型(パワーよりも燃費志向)であることを示している。2005年に発表した元祖過給ダウンサイジングのEA211と、その次の世代であるEA211(吸排気の向きを逆転し、吸気前/排気後ろに)の基幹となる仕様の排気量は1.4ℓだった。EA211 Evoで排気量を増やして1.5ℓにしたのは、ライトサイジング(排気量の適正化)のコンセプトを取り入れたためである。

こちらは、技術満載=高効率」のEA211 1.5TSi evo 96kW
EA211 1.5TSi evo 96kWは、量産ガソリン車初のVGターボを採用したのが話題だった。
こちらが、EA211 1.5TSi evo 96kWのスペック

 過給ダウンサイジングは、主に低負荷領域で燃費向上効果が得られる。過給を行なうと、自然吸気(NA)エンジンよりも小さな排気量で同等の出力/トルクを発生させることが可能だ。排気量を小さくするとエンジン本体は軽くできるし、機械抵抗は減り、ポンピングロスも減る。過給によって低回転から充分なトルクを発生するので、NAのようにエンジン回転を高める必要がなく、常用回転数を低下させることができ、燃費向上につながる(しかも静か)。低回転域から充分な力が出るので、気持ち良く走ることができる。

 これが、過給ダウンサイジングのメリットだ。ところが、日本のJC08や欧州のNEDCよりも高負荷領域で走行するモードを含むWLTCが導入されるようになると、過給ダウンサイジングのメリットが薄れてしまう。前述したように、過給ダウンサイジングは主に低負荷領域を得意とし、高負荷領域を苦手とするからだ。高負荷あるいは高回転域での連続運転では燃費面でのメリットを享受しづらい。

 そこで、全域で効率が高くなるコンセプトに切り替えた。それがライトサイジングである。排気量を増やせば自動的に全域で効率が高くなるのではなく、ミラーサイクルを適用するための、0.1ℓの排気量増だ。ミラーサイクルは吸気バルブを閉じるタイミングの工夫で「圧縮比<膨張比」を実現する高膨張比サイクルである。膨張行程が長いために燃焼サイクルの仕事量が増え、効率が高くなる。

 1.5ℓ TSI Evo 96kWの容積比(幾何学的圧縮比)は12.5だ。吸気バルブを下死点で閉じて圧縮し、高圧縮による効率向上を狙ったのではなく、12.5の膨張比が欲しかったのだ。実際には下死点に到達する前に吸気バルブを閉じるので、カタログに載っている12.5の数字ほど圧縮比(実効圧縮比)は高くない。1.4ℓの排気量のままでこれをやると吸入できる空気量が少なくなり、トルクが低下してしまうので排気量を増やしたのだ。

 1.5ℓ TSI Evo 96kWのもうひとつのキー技術は、可変ジオメトリータービン(VGT)である。VGTは排ガス流量に応じてベーンの角度を調節する機構を備えたタービンのことで、VWは「低回転域での過給圧の素早い立ち上がりを実現するため」と説明している。VGTの可変ベーンは高温にさらされるため、高価な耐熱合金を採用せざるを得ず、従来は高価格なモデル、具体的にはポルシェ911ターボ(3.8ℓ水平対向6気筒)や718ケイマン/ボクスターの2.5ℓ仕様(水平対向4気筒)しか適用例がなかった。

 VWの1.5ℓ TSI Evo 96kWはミラーサイクルの適用によって圧縮上死点付近での混合気の温度が低下〜ノッキングが抑制される〜点火が進角できる〜高膨張比のため燃焼サイクルの効率が向上〜排気温度が低下という好循環の影響で排気温度が低下するため、高価な耐熱材料を使わずにVTGを採用することができた。

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