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ダウンサイジングの次は「ライトサイジング」フォルクスワーゲンのDownsizing Turbo →Rightsizing=Miller Cycle+Turbo プラス100ccで何が変わるのか—VW 1.5 TSI evoエンジンの目的を探る[3/4]

  • 2019/05/06
  • Motor Fan illustrated編集部
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 EA211 TSI evoのキー技術は、ミラーサイクルの適用だ。これも「今さら」の説明になるが、ミラーサイクルは吸気バルブを閉じるタイミングの工夫で「圧縮比<膨張比」を実現する高膨張比サイクルのこと。膨張行程が長いために燃焼サイクルの仕事量が増え、効率が高まる。

 ミラーサイクルは効率の向上と引き換えに、トルクが低下する弱点を抱えている。吸気バルブを早閉じまたは遅閉じに制御して吸気行程を短縮し、圧縮比<膨張比を実現すると、吸入空気量が低下するからだ。VWがEA211 TSIをEA211 TSI evoにするにあたり、排気量を100cc増やしたのは、吸入空気量の低下とそれにともなうトルクの低下を補うためだ。1.8ℓ・直4直噴ターボの排気量を2.0ℓにし、早閉じミラーサイクルを適用したアウディは15年に発表したこのEA888 Gen.3Bを、小さくなりすぎた排気量を適正に戻す意味で「ライトサイジング」と呼んだ。実質的にはそのVW版がEA211 TSI evoなのだが、VWはライトサイジングの表現を用いていない。あくまで、これまで培ってきた直噴過給技術の延長線上であり、evo=進化という位置づけなのだろう。

 evoは74.5mmのボアを1.4ℓ版から受け継ぎ、
ストロークを80.0mmから85.9mmに伸ばした。ストローク/ボア比は1.15である。容積比(上死点での燃焼室容積/下死点での燃焼室容積)は1.4ℓ版の10.0に対し、1.5ℓのevoは12.5となっている。圧縮比<膨張比はアウディのEA888 Gen.3Bと同様、吸気バルブの「早閉じ」で実現している。

容積比10.5のEA211 1.4ℓに対し、1.5ℓ evoは12.5。膨張行程を長くとるため、74.5mmのボアはそのままにストロークを80.0mmから85.9mmに伸ばした。このストロークをフルに使えば圧縮比は最大12.5になるが、evoの吸気バルブは下死点前70°付近で実質的に閉じるので、有効圧縮比はベースとなった1.4ℓとほとんど変わらない。1.4ℓのままミラーサイクルを適用すると吸入空気量が減るので、排気量を増やして帳尻を合わせた。
燃焼室マスクの効果。「早閉じ」によってバルブ開時間が短くなるため、とくにピストンスピードが遅い低回転時に良好な混合気が形成されるようにしたい。evoは吸気ポート~燃焼室の経路をマスクすることによって、リフト量が小さいときでも十分なタンブルが発生するようにした。
吸気バルブ遅閉じではなく早閉じミラーサイクルを適用したのは、吸気バルブを閉じた後の断熱膨張による吸気温度の低下を歓迎したため。吸気側カムシャフトに300°/秒の速さで制御できる油圧位相可変機構を装備したのも特徴。

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