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歴史が育む至高の移動空間 トヨタ・センチュリーをメルセデス・マイバッハSクラス、ロールスロイス・ファントムと徹底比較!「ライバル車比較インプレッション」

  • 2019/06/07
  • ニューモデル速報
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折り目正しき英国の伝統と格式が現代的に昇華した新型

 一方で、そういう多様性や親和性を超越した存在にあるのがファントムということになるだろうか。

 その一世紀に迫りつつある歴史の中で、ドライバーズカーとして設えられたクーペなどの派生モデルはいくつか存在するも、基本的には生粋のショーファードリブンカーとして開発されてきたファントムは、今年日本に上陸した新型で八代目だ。七代目以降はBMW傘下のブランドとして英グッドウッドの本社敷地内にある工場ではタクトタイム150分という特別なラインで架装され、最終工程でタクトタイム49分のゴースト系のラインと合流するという複雑な生産動線が採られている。

 八代目で採用された新しいアルミスペースフレームは、先日デビューしたカリナンや今後登場するだろう新型ゴースト系とも共有されることが決まっており、この世代で工程はある程度合理化されるだろう。もちろんそれは生産性の向上のみならず、時間的猶予を緻密なつくり込みの側に振り分ける目的もあるはずだ。

 先代ファントムは長き歴史の中でも特に60年代以降、V型からのイメージをレトロフィーチャー的に解釈したもので、その卓越したセンスが21世紀のロールス・ロイスの成功において重要な役割を果たしたことは想像に難くない。恐らくは自動車のデザイン史に名を残すことになるだろう、その先代のイメージを新型は綺麗にトレースしている。

 サルーンにして全高1645㎜という規格外のプロポーションは、着帽で乗り込んでの後席の着座姿勢を折り目正しいものとするためだろう。表皮のしっとりとした触感とは裏腹に、着座感には一定の張りもある。フットレストは電動でポップアップするようになったが、リクライニングを倒しても、その広大な前後長をフルに使って寝そべるような姿勢をとらせてはくれない。最上にして、いかにもイギリスらしくマナーが重んじられた空間である。

 但し、その設えはオーナーの要望を如何様にでも受け止めるのはご存知のとおりだ。そこまでの主張は必要ないとあらば、メータークラスターと一体化したギャラリーと呼ばれるオーナメントなど新しい演出で遊んでみるのもいいだろう。デザイン的にはこちらも先代のイメージを踏襲しているが、端々にはコンテンポラリーなテイストも散りばめている。

 ファントムが先代と最も変わったところといえば、動的性能ではないだろうか。特にステアリングを握る側の立場でいえば、それまで8時20分の位置でステアリングに指を掛けて送りハンドル気味に乗るのが一番しっくり収まっていた先代に対して、新型は能動的な操舵に対して車体の応答ラグが歴然と少なくなった。足の裏というよりも足の指ひとつの力加減で滲むようにトルクを後輪に伝えるパワートレーンの柔軟性は従来どおりだが、先代に対すればクルマの側が賓客に相応しいGコントロールへと導いてくれる、平たく言えば運転しやすくなった感がある。

 特等席である後席は50㎞/h辺りから下の速度域で時折後輪側から微細な音振が入ってくるものの、速度が上がるにつれそれが霧散してからは最上に相応しい快適性をみせてくれる。マジックカーペットとはよく言ったものだが、新しいファントムは乗り心地だけでなく、100㎞/h付近から向こうの静粛性も他とはちょっとレベルが違う。それはもちろん価格も含めての話だが、新型でもファントムが圧倒的な自動車体験を約束してくれる存在であり続けていることは間違いない。

〈ロールスロイス・ファントム〉

シートやテーブルといった調度品は言うに及ばず、ルーフに輝く星空やシャンパングラス、ドアに仕込まれたアンブレラなど、世界最上級のショーファーカーとして、後席乗員に対して贅の限りが尽くされる。しかしその真髄は、外界の喧騒から隔絶する圧倒的な静粛性と、快適な乗り心地。現行型のファントムは新たなアーキテクチャーが採用され、乗り味は新世代のものとなっている。

エクステンデッド・ホイールベース
V型12気筒DOHCツインターボ/6750㏄ 
最高出力:571㎰/5000rpm 
最大トルク:900Nm/1700-4000rpm
JC08モード燃費:― 
車両本体価格:6540万円

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