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〈日産セレナ e-POWER:試乗記〉 e-POWERの搭載は同乗者にこそ朗報!

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エンジンが掛かっていても静粛性はS-HVを上回る

 さて、今回は限られた試乗コースながら、セレナe-POWERの実力の一端を確認することができた。まずはドライブモードをエコにセットして発進。バッテリー残量が十分にあったため、出足からモーター走行に徹するのは当然だ。エコモードの場合、電費優先で加速力はさすがに穏やか。それでも登坂路では2.0ℓエンジン搭載のセレナS-HVと同等の登坂力を発揮してくれる。

 試乗車はハイウェイスターだが、タイヤは標準車と同じ15インチ。e-POWERでは標準車、ハイウェイスターを問わず、15インチだけの設定なのだ。操縦性はバッテリー積載などによる低重心、モータートルクによるレスポンスの良さを考慮してか、ステアリング操作に対する反応はセレナらしく!?

 穏やか(ミニバンとして適切)。しかし四輪のタイヤがあらゆるシーンでしっかりと路面を捉える安定感の高さは、16インチを履くS-HVと大きく変わらない。

 しかも乗り心地は、S-HV比でグレードにより約80㎏前後重い車重が功を奏してかしっとり感あるタッチを示し、後席を含む快適感はS-HVを凌ぐ文句なしのレベルにあった。

 そして静かだ。モーター走行だから当然と思えるかも知れないが、エンジンが始動してもノイズが不当に高まることなく、S-HVの2.0ℓエンジンで気になるざわつき感(音)もなし。特に登坂路でのエンジンノイズレベルはS-HVとは比べものにならないほど抑えられている(ノートe-POWER比ではノイズレベル約20%減とか)。これなら終始、1-3列目席間の会話も弾みそうだ。

 とはいえS-HVとの最大の違いは、駆動力はすべてモーターという電気自動車ならではの伸びやかで段付きのない、トルキーかつウルトラスムーズな加速力と、回生ブレーキがもたらすこれまたスムーズさ極まる減速力、そしてアクセルペダルOFFで停止まで行なえるワンペダルによる〝3回驚ける”新鮮味だろう。

 続いてSモードにセット。するとワンペダルによる減速感こそエコモードと変わらないものの、加速力、アクセルレスポンスは激変。アクセルを深く踏み込めば、モーターならではの直線的でウルトラスムーズかつ、S-HVを圧倒する強力で感動的ですらある伸びやかな加速力を見せつける。モータートルクが瞬時に立ち上がるレスポンスの良さから、まさに意のままに大柄な3列シートの電気自動車を動かしている感覚になれる。同時に運転がよりしやすいと感じられるのだ。

 フル加速中はさすがに発電のためにエンジンは始動する。だが、それでも車内に侵入するノイズレベルは低く(遮音性の差もあり)、2.0ℓエンジンを積むS-HVよりも明らかにより静かな車内空間が保たれる。

 ちなみにノーマルモードはエコモードより加速性能、アクセルレスポンスが向上。ただしワンペダルによる減速機能は働かず、e-POWERらしさは激減。ノートe-POWERのユーザーのほとんどがエコまたはSモードで走っているという事実からも、ブレーキングの機会があまりない空いた高速走行以外では使うべきではないモードと思える。

エンジンで発電された電気はバッテリーに蓄えられ、そこからフロントホイールに動力が伝達される。エンジンからフロントホイールに動力が伝わることはない。
e-POWERのシフトノブは、HVでお馴染みとも言える、手を放すと中立位置に戻るタイプ。スターターボタンがブルーになっているのも目を引く。そして運転席と助手席の間に設けられたのがコンソールトレイ。ご覧のように背は低く、ウォークスルーの邪魔にはならない。
セレナe-POWERのインテリア面での最大の特徴が、7名乗車化に合わせて設定された左右アームレスト付き2列目キャプテンシートの採用だ。通常のセレナにあるマルチセンターシートこそないが、2列目シートの左右スライドはe-POWERの上級グレードにも健在だ。

e-POWERミニバンの恩恵は同乗者にこそ大きい

e-POWERがもたらす走行感覚はミニバン新時代の扉を開けてくれる

 そんなセレナe-POWERは、くり返すけれども、ミニバンに素晴らしくマッチしたパワートレーンだ。スムーズかつ静かに走り、回生ブレーキのワンペダルによるスムーズな減速によって、ミニバンの後席乗員の快適度がガソリン車、HVに対して圧倒的に高くなるからだ。実際に2/3列目席に乗り、ワンペダルによる最大0.15Gの減速を体験したが、ノーマルモードでの下手な!?

 ブレーキングで起こる上半身の前後の揺すられ感=不快感が大幅に緩和される事実を確認している。

 ちょっと残念なのは基本的な先進安全運転支援機能=同一車線半自動運転のプロパイロットを用意しているものの、それが上級グレードのみのオプションであり、作動上限速度が114㎞/hである点だ。他社のACC設定速度は今や130〜180㎞/hになっている時代なのである。

 最後に価格。S-HV比で約50万円高となるものの、横比較ではライバル車のHVと変わらないのだから〝4回驚く!”。これはもうノート同様に大ヒット間違いなしだろう。ミニバンにe-POWERというこれまでにないインテリジェントモビリティの世界を与え、新鮮な運転感覚、乗車感覚を実現してくれた日産の英断にはもう拍手するしかない。

モーターファン別冊・ニューモデル速報 Vol.568 日産セレナe-POWERのすべて

クラス最高26.2km/ℓの低燃費+プロパイロット。待望のe-POWER第二弾!

日産のMクラスミニバン、セレナについにストロングハイブリッドが追加されました。注目のパワートレーンは、エンジンは発電に徹し、駆動は100%モーターが受け持つシステム。16年に登場しベストセラーとなったノートe-POWERと同じくモーター駆動ならではの滑らかな走りが楽しめます。

アクセルペダルを戻せば減速→停止保持を行なうワンペダルドライブももちろん搭載。
日産が誇る高速道路の同一車線自動運転技術「プロパイロット」もe-POWER専用に再セッティング。さらに徹底的に高められた遮音/防音性能により従来よりも1ランク車格が上がったかのような快適なドライブが楽しめます。

ジョイスティックタイプのシフトレバーや専用デザインの2列目キャプテンシートなど所有する歓びを高める装備も充実。ハイブリッドMクラスミニバン最新モデルの魅力を多方面から解説しました。

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