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95%の人たちのニーズを満たす、メルセデス・ベンツEQCの実力 メルセデス・ベンツのEV戦略! 初の市販EV「EQC」がSUVである理由とは? 【EQC開発秘話・ミヒャエル・ケルツ氏インタビュー】

  • 2019/07/06
  • MotorFan編集部 西内 辰夫
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8年間/16万km保証は、常時100%充電の設定

−−−−−− EQCは一回のフル充電で400kmとなっているが、他社のEVも400kmが中心である。欧州では、EVをどのように使うのか?

「ご存知のように、実際には気温や運転の仕方で数値は変わってきますし、冬場でヒーターを使用やストップ&ゴーが続くような走行が続く時など、状況によって大きく変化します。日常的な使い方では、自宅の保管時にフル充電ができますが、長距離ドライブ時には急速充電で80%までの充電となります。つまり、95%の人たちのニーズを満たすレベルにあると考えています。残る5%がどういった要素かと言えば、超長距離を走行するケース、そしてトレーラーなどを牽引することができない点です。また、年間15万km走るようなユーザーには勧めませんが、そうでなければ良いチョイスだと思います。私もEQCを愛用していますが、2時間半毎に休憩できるので、家族からも喜ばれています」

−−−−−− 前後モーターの仕様を変えた理由は? 

「前後のモーターは、ほぼ同じものです。唯一の違いはワーキングポイントの差となっています。通常はフロントモーターを中心に駆動しますが、高速道路など大きなパワーが必要なときにリヤのモーターが動き始めます。このように制御している理由は、航続距離を伸ばしたい、ということです。つまりフロントモーターを補うリヤのモーターはフロントに対してパワーを追求しているのです」

−−−−−− ズバリEQCの最大の魅力は?

「EQCはエミッションフリーのモデルであることです。静かで快適、そしてスポーティという3つの要素が高次元でバランスしています。もうひとつはEVならではの快適装備として、乗車する前に冷暖房のスイッチをオンにできることです」

−−−−−− バッテリーはシリンダー型ではなくパウチ型を採用した理由は? また、想定している充放電サイクルと、その寿命は?

「バッテリーの密度を考えてパウチ型を選択しました。寿命については、使い方で大きく変わってきますが、8年間、16万kmに設定しています。また、充電に関しては、ヘッドユニットでオプション設定ができます。常に100%フル充電すると寿命が短くなってしまうので、充電時にどれだけチャージするかを選べるのです。80%や90%に制限すれば、バッテリーの寿命を延ばすことができます。ちなみに、8年間/16万km保証というのは、100%充電を繰り返した場合の設定となっています」

−−−−−− ドライブモードに回生モードが4段階あるが、それぞれの減速Gは?

「D--、D-、D+、Dの4つを設定しています(編集部注/欧州仕様には「DO」(ディー・オー)があるが、日本仕様には設定されていない)。減速レベルについては、路面状況に影響されるので公表をしていません。強い回生ブレーキが利くので、ワンペダルフィーリングの走行が楽しめます。一般的なオートマチック車のドライブは、Dモードということになります。参考までに、ブレーキランプが点灯するのは、D--に入ったあとの0.35Gの段階です」

−−−−−− 前後のトルク配分は? また、左右のトルクベクタリングができるか?

「前後のトルク配分については、ダイナミックセレクトレバーで変化します。“スポーツ”を選ぶと、リヤモーターが駆動するので、4輪駆動で走行できます。EQCに搭載しているモーターはふたつなので、左右のトルクベクタリングはできません。前後モーターのトルク配分とともに、左右はブレーキで走行モードを調整しています」

−−−−−− ありがとうございました。

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