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日産セレナe-POWERをホンダ・ステップワゴンスパーダ、トヨタ・ヴォクシーと徹底比較!【ライバル車比較インプレッション】

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三車それぞれのモーターに宿る明確なパワーの個性

 セレナe-POWERはチャージモードとマナーモードを備え、EV走行を最大化するのがウリでもある。そこでまずはどれだけEV走行(バッテリー走行)ができるのか実力を試してみた。駆動に使われるリチウムイオンバッテリーの容量は1.8kWhでノートe-POWERの1.5kWhよりも大容量化されている。e-POWERにとってのバッテリーは、本来はバッファとして一時的に電気を貯める意味合いが強い。エンジンで発電して電気モーターを回すのに、バッテリーはなくても成立はするが、エンジンの余剰トルクで発電した分や減速時回生エネルギーを一時的に貯めて、駆動に回して効率アップするということだ。

 また、エンジンの最高出力は62kW(84㎰)で電気モーターは100kW(136㎰)。フル加速をするとき、エンジンの出力だけでは電力が足りないのでバッテリーからの持ち出しで電気モーターに100kWを発揮させる。エンジンの出力が低いのは、そのほうが全体的な高効率化(燃費改善)に有利だからで、エンジン/電気モーター/バッテリーの出力や容量のバランスをクルマの車両重量や使われ方に合わせて最適化するのが難しいところ。その擦り合わせこそがつくり手の腕の見せ所でもある。

 チャージモードはバッテリー残量が約90%になるまでエンジンオン。マナーモードはバッテリー残量が少なくなるまで基本的にEV走行となり、その走行可能スピードも大幅に高められる。

 バッテリー残量90%からマナーモードでEV走行できる距離は、日産の社内評価で2.7㎞とされているが、実際に試してみることにする。今回はクローズドコースでの試乗でリアルワールドではないが、街中の走行をイメージした加速を心掛け、直線は60㎞ /h程度まで伸ばし、適宜停止・発進を入れてみた。その結果は2.4㎞のEV走行が可能だった。停止は7回で掛かった時間は5分17秒なので平均車速は約27㎞ /hと、一般的な街中走行よりやや速めではあるが、信号があるわけではないから停止から発進までの時間がごく短いことを考えればまあまあリアルワールドに近いと思われる。EVやプラグインハイブリッドではないモデルでこれだけ走ってくれれば十分以上だろう。コストの兼ね合いがある中でバッテリー容量をなるべく大きくし、チャージモードやマナーモードを設けたアイデアに拍手したい。ちなみに停止・発進を入れず走ってみたら走行距離は4.0㎞まで伸びた。

 マナーモードやチャージモードを使わずに走ると、燃費効率とドライバーの望む加速などを考慮してエンジンが掛かったり止まったりする。停止時はエンジンがアイドリングなどするわけはなく、発進してしばらくしてからエンジン始動。バッテリー残量と加速要求などによってタイミングは違ってくる。残量たっぷりでの街中発進ぐらいなら40㎞ /hを超えてもなおエンジン始動しないこともあるが、通常は10㎞/h前後でブルンとくることが多い。EV走行可能距離テストをしたあとだと、エンジンが掛かると“惜しい”などと思ってしまうが、一般的なエンジン車に比べれば夢のように静かではある。スマートシンプルハイブリッドのセレナに比べても1クラスといわず、ふたつも3つもクラスが上がったように高級感がある。エンジンが掛かっている状態でも、ガソリン車に対して25アイテムもの遮音仕様アップを施した効果が発揮されている。

 もちろん走りの頼もしさも電気モーター駆動ならでは。ノート用に対して最高出力は25%アップの100kW(136㎰)、最大トルクは320Nm(32.6㎏m)とミニバンのボディに対しても余裕があるからだ。

 ステップワゴンハイブリッドはエンジンが最高出力107kW(145㎰)、最大トルク175Nm(17.8㎏m)、電気モーターが135kW、(184㎰)315Nm(32.1㎏m)、バッテリー容量は1.3kWhとなる。静かに走りたいときに使用するEVスイッチは、セレナのマナーモードに相応するが、チャージモードがないためEV走行可能距離はそのときのバッテリー残量に依存する。そもそもの容量もセレナより0.5kWh小さいので、狙ったところで長めのEV走行を楽しむという点ではセレナに軍配があがる。

 電気モーターはセレナに対して最大トルクはわずかに劣るものの最高出力は上回っている。そのため動力性能には余裕があり、アクセル全開で発進してみると明らかに速い! エンジンは主に発電しているだけだが、サウンドがスポーティなのはホンダらしいところだろう。

 街中や郊外路をイメージした一般的な走りでもステップワゴンは秀逸だった。電気モーターによる走りの美点はセレナと同様だが、エンジンのフィーリングが違う。セレナが直列3気筒の1.2ℓなのに対してステップワゴンは直列4気筒の2.0ℓ。発進時など、EV走行からエンジン始動するときに、3気筒はブルンとした振動があり、なおかつエンジン回転数が少し高めになってから落ち着くのが伝わってくるのに対して、4気筒はシュルシュルっとスムーズに、回転もオーバーシュートしないで始動。そこに高級感がある。

 また、セレナはエンジン回転数があまり変動しないのだが、ステップワゴンはアクセルの踏み加減、トルク要求によって変動が多い。セレナは少し高めの発電効率の高いエンジン回転数を使うことで、エンジンが掛かっている時間を短くしてトータルでの静粛性を上げようとしているのに対して、ステップワゴンはドライバーの気持ちとエンジン回転数の変動がシンクロすることで走りのリニア感がある。これはどちらがいいとか悪いとかいう話ではなく、快適性重視か運転の楽しさに寄せるかという志向の違いだが、ステップワゴンのエンジンには贅沢さがあり、運転好きのお父さんの満足度が高いだろうという予測はつく。ただその分、車両価格が若干、高くつく。

 ハンドリングにも似た傾向が表れていた。クローズドコースなので、公道では非現実的なコーナリングも試してみたが、ステップワゴンはミニバンらしからぬスポーティな姿勢で駆け抜けていく。ステアリングから伝わってくる路面とタイヤのグリップ状況もクリアで楽しい。セレナは全体的にソフトタッチで快適志向。それでも、バッテリーが低い位置に搭載されていることもあってか、低重心感があるので操縦安定性は満足いくレベルで安心感がある。

 総じてステップワゴンはドライバーズカー的な要素が多くて楽しいのだが、それはクルマとして普遍的な面での話。セレナには例のe-POWERドライブがあり、電気モーター駆動ならではの新しい楽しさがある。アクセルペダルだけで最大0.15G程度までの減速を司れるe-POWERドライブはノートでも好評。運転にまったく興味がないお母さんもハマってしまうという。停止時のスムーズさはプロドライバー並みで快適性が向上するのも特徴だ。

HONDA STEP WGN SPADA G・EX Honda SENSING

アコードなどの大型車に使われているi-MMDパワートレーンを収めるために、従来モデルからフロントマスクを大きく変更して2017年にデビューした新生スパーダ。優しい印象のステップワゴン標準車との違いがさらに際立った、カスタム系らしいアグレッシブなルックスも好評を博している。

モーター+直列4気筒DOHC/1993㏄
モーター最高出力:184㎰/5000-6000rpm[エンジン:145㎰/6200rpm]
モーター最大トルク:32.1㎏m/0-2000rpm[エンジン:17.8㎏m/4000rpm]
JC08モード燃費:25.0㎞/ℓ
車両本体価格:355万9680円

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