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【試乗記:三菱エクリプスクロス】ミツビシ初のクーペSUVは骨太な一台|SUVレビュー

  • 2019/07/30
  • ニューモデル速報
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身軽に、そしてリニアに反応するハンドリング

 ラインナップにはFFも用意されているが、試乗できたのは三菱自慢のS-AWC(スーパーオールホイールコントロールシステム)を備えた4WDモデルのみ。3種類のドライブモード(オート/スノー/グラベル)をセンターコンソールのスイッチで選択できるようになっている。電子制御カップリングによって前後の駆動力配分をコントロールするタイプで、さらにブレーキ制御によるAYC(アクティブヨーコントロール)機能が盛り込まれている。かつては“生活四駆”と呼ばれた4WD車のジャンルがあり、それは不整地からの脱出や雪の坂道での発進の際だけ主に4WDの効果を発揮するという簡便なシステムを装備したモデルだったが、現在では電子制御カップリングの性能も向上し、事実上駆動力配分のタイムラグなどは感じ取れない。

 ドライ路面のテストコースでは、4WDを感じさせない軽快さだが安定したハンドリングが好印象だった。スポーティさを強調するためにステアリングレスポンスをピーキーに設定するクルマもまだあるが、エクリプスクロスはドライバーにとって分かりやすくリニアな反応を維持する。S-AWCも姿勢を安定させるためにスロットルを絞り過ぎず、ちょうどいいレベルで介入してくれる。この辺りの制御のノウハウは、それこそランエボ時代から積み重ねてきた経験が活かされているはずだ。特別スパッ、スパッとシャープに向きを変えるわけではないが、不安感も遅れもないリニアな反応が清々しい。ジリジリと外に膨らみそうになったら少しだけスロットルを戻せば、これまた穏やかにフロントがインを向くので、自信を持って走ることができるだろう。

 路面状態のいいテストコースだけの試乗ゆえに、乗り心地については情報不足と感じていたが、別の機会に雪上特設コースをスタッドレス付きのエクリクプスクロス4WDで走るチャンスがあり、そこでボディが十分に頼もしいことが確認できた。身軽でカジュアルな雰囲気で身構えずに走ることができるが、骨格はしっかりしているようだ。フロントサスペンションのカウル上部などボディ各部に追加したブレースやストラットタワーバー、さらにはドア開口部やテールゲート、リヤホイールハウス周辺などへ構造用接着剤を多用して剛性を向上させた(そのために生産ラインに接着剤工程を新設したという)ことが効いているに違いない。元はと言えばRVR(現行型は10年発売)と同じプラットフォームでありながら、その違いは驚くほどだ。鳴り物入りの新世代プラットフォームでも大したことのないクルマもあれば、時間が経っていても改良・熟成で高いレベルを実現することもできるという好例である。

 お洒落なクーペSUVかと思いきや、意外に実用的で手堅い4WD車がエクリプスクロスの実像ではないだろうか。全長4.4m級のコンパクトSUVで、軽快だが華奢ではなく骨太な感覚が伝わってくるクルマはなかなか見つからない。この辺に三菱らしさが残っていると言えるだろう。この時代、もっと大胆に突き抜けてもいい、という意見もあるだろうが、質実剛健な技術の背骨が一本通っているのが三菱の伝統だろう。開発陣に聞いたところでは、このエクリプスクロスでも三菱の4WDとしては相応しくない(もっとタフであるべき)と不満を漏らすパジェロ系のベテランたちもいるのだという。さすがに今時のコンパクトSUVでそこまで無骨なのは勘弁してほしいが、カッコつけたあげく使い勝手が悪いのはもっと我慢ならん、という方や、大きく重く燃費も悪いSUVではなく、カジュアルに使えてかつ悪路雪道での走破性は必須、という降雪地域のユーザーにも自信を持ってお薦めできるように思う。エクリプスクロスはそんな真っ当なコンパクトSUVである。

三菱の最新デザインコンセプトであるダイナミックシールドにより、力強さと突き抜けるような勢いあるフォルムが与えられたフロントマスク。その裏には切り詰めたオーバーハングなど、SUVとしての機能の裏付けも込められている。
このクラスのSUVとしては珍しく、リヤシートには9段階のリクライニングと、最大200㎜ものスライド機構が備わる。乗車人数を減らすことなくラゲッジ容量をフレキシブルにアレンジできるのは、エクリプスクロスの強み。

全長(㎜):4405
全幅(㎜):1805
全高(㎜):1685
室内長(㎜):1870
室内幅(㎜):1490
室内高(㎜):1240
ホイールベース(㎜):2670
トレッド(㎜) 前:1545 後:1545
車両重量(㎏):1550
定員(名):5
型式:4B40
種類:直列4気筒DOHC直噴ターボ
ボア×ストローク(㎜):75.0×84.8
総排気量(㏄):1498
圧縮比:10.0
最高出力(kW[㎰]/rpm):110[150]/5500
最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):240[24.5]/2000-3500
燃料供給装置:ECI-MULTI(電子制御燃料噴射)
燃料タンク容量(ℓ):60(レギュラー)
形式:CVT
変速比 前進:2.631-0.378 後退:1.960
最終減速比:6.386
駆動方式:4WD
パワーステアリング:電動式
サスペンション 前:ストラット 後:マルチリンク
ブレーキ 前:ベントレーテッドディスク 後:ディスク
タイヤ・サイズ:225/55R18
最小回転半径(m):5.4
JC08モード燃費(㎞/ℓ):14.0
車両本体価格:309万5280円

モーターファン別冊・ニューモデル速報 ニューモデル速報 Vol.567 三菱エクリプスクロスのすべて

意のままに操れるS-AWC、1.5リットル直噴ダウンサイジングターボ搭載。

久々に登場した三菱のブランニューモデルはスタイリッシュなクーペSUVフォルムを持つコンパクトクロスオーバー。

新開発のダウンサイジング1.5L直噴ターボは2.4L自然吸気エンジン並みのパワーを発揮。また美しいエクステリアの内側には「SUVの三菱」の名に相応しい高次元の4WDシステム「S-AWC」や、後席の高い居住性、使いやすい荷室などを備えています。

加えて最新のインフォテインメントシステムも搭載。いま最も熱いカテゴリーであるSUVの注目モデルの魅力を全方位から紹介した1冊です。

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