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【'87 YAMAHA CHAMP RS】令和時代に振り返る、走りのヤマハを牽引した絶対エース

  • 2019/08/04
  • モト・チャンプ編集部
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ヤマハ原付の中でも、とびきりスポーツ性を重視したチャンプRSにフィーチャー。峠からサーキットまで活躍したそのポテンシャルは今でも一級品だ!(月刊モトチャンプ 2019年6月号より)

PHOTO&REPORT◉モルツ
取材協力◉TDF

純粋に走りを追求したアグレッシブな一台!

「ヤマハのスクーターと言えば?」と聞かれて真っ先に思い浮かべるのはなんだろうか。35年以上の歴史を誇るジョグ? それともシグナスX?一世を風靡したマジェスティ? どれも名車だけど、80年代に限ってはチャンプを置いて語ることはできない。そのチャンプのスポーツグレードが今回取り上げる「チャンプRS」だ。

 先にベースとなったチャンプについて触れておこう。84年に発売され乾燥重量51㎏の軽量な車体に初代ジョグと同型(5.2㎰を発揮)の空冷2ストエンジンを搭載。フロアボードはバックステップのように足を後ろに置ける3ステップポジションが可能に。足周りはフロントが8インチ、リヤは10インチというケツ上がりの姿勢とし旋回性を高めるなど、スポーティさを全面に押し出した仕様が話題を呼んだ。

 以降は二度のマイナーチェンジを行ない、出力アップや電装系の見直しなどで着実にアップデート。そんなチャンプには80㏄版やメットイン機能を持たせたCXの派生種が存在するが、元来のスポーツマインドを色濃く受け継いだのがこのRSなのである。

 さて本題に移ろう。チャンプRSの特徴の一つにカラーリングがあげられる。レーサーレプリカ全盛の真っただ中に登場しただけあり、ストロボデザインやマルボロ、ゴロワーズといった世界グランプリマシンを彷彿とさせるデザインは当時の若者を大いに刺激! バーエンド付きグリップやエアインテーク付きのアンダーカウルなどの造形美はRSならではの装備だ。

 エンジンは、二代目ジョグと同じ2JA系を積み、チャンバースタイルの専用マフラーを組み合わせて6.3㎰を叩き出した。足周りは、テレスコピックフォークにディスクブレーキを採用し、ストローク量を増やしたガス式のリヤショックも相まって軽快なフットワーク&制動力を獲得。また前後ホイールが10インチになったのもトピックだ。この時期のヤマハ・スクーターは駆動ケースの幅がやや広く、深くバンクさせると擦りやすい欠点があったのだが、最低地上高が上がったことでバンク角が稼げるように! 惜しむらくはタイヤがチューブ仕様なことだが、後年のJOGやアクティブの純正ホイールを流用してチューブレス化するカスタムがユーザーの間で流行った。

 しかし、車体価格がライバル車に比べて高価だったこともあり、90年を迎える頃には、JOGに吸収される形でチャンプシリーズは姿を消してしまう。しかし、スポーツ性を謳い文句にしたドラスティックなキャラクターは、常に走りを追い求めるヤマハを象徴する一台としてこれからも語り継がれることだろう。

■全長×全幅×全高(㎜):1590×660×1015
■シート高:750㎜
■乾燥重量:59㎏
■エンジン種類:空冷2スト単気筒
■総排気量:49㎏
■最高出力:6.3㎰/7000rpm
■最大トルク:0.65㎏m /6500rpm
■燃料タンク容量:3.5ℓ
■タイヤ(前・後):3.00-10
■当時価格:14万4000円

伝統のワークスカラーを纏い気分はYZR500レーサー

太いエキパイ&大容量チャンバー室によって排気効率を高め、同一エンジンのJOG(6㎰)よりも高い最高出力を発生。
フロントディスクブレーキを備え、安定した走りに大きく寄与。ブレーキは、φ155ローターと1ポットキャリパーのコンビ。なお撮影車は社外製フロントフォークに変更済み。
速度と燃料だけのシンプルなメーターが時代を感じさせる。
当時のヤマハ車は全長235㎜が多い中、45㎜も長い280㎜に設定。オーリンズを思わせるイエローペイントもそそる。
「高回転ミート型かと思いきや、低速でミートしそこから変速。高回転域までビンビンに回る感じはこの時代の2スト車ならでは! ブレーキ性能も申し分なく、普段の足としてフツーに使えちゃうね」(モルツ)

レプリカ度満点

平忠彦選手が駆ったYZR500(TECH21カラー・写真)やネスカフェアメリカーナーレーシングカラーの限定モデルも登場。缶スプレーとカッティングシートで自家塗装する若者も多かった。

今でもチューニングパーツが手に入る!

【KN KIKAKU ボアアップキット 1万3500円】排気量が67.9㏄になるキットで補修用としてもおすすめ。ガスケット類も付属する。(問:KN企画  ☎078-224-5230)
【BURIAL SERVICE ステルス 3万4560円】静粛性とパワーを両立したスチール製艶消しブラック仕上げ。 ※写真は27V JOGに装着。(問:ベリアルサービス  ☎072-637-5075)

【B-MOON FACTORY ハイスピードプーリー セット 7344円】プーリーをφ100mmに大径化し、最高速アップと中間レスポンスを強化!(問:ビームーンファクトリー  ☎045-470-7333)

モトチャンプ 2019年6月号

巻頭特集
「125-400ccイッキ乗り!!2019」

・ミッションからスクーターまで話題の24モデルをジャッジメント!
・国産も外車も登場! 新型YZF-R25も参戦!
・スクーターの実用性も徹底比較

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