Motor-Fan[モーターファン]|自動車最新ニュース・速報、試乗記など、クルマとカーライフを楽しむサイト

  • モーターファンテック
  • モーターファンバイクス[Bikes]
  1. TOP
  2. ニューモデル速報
  3. インプレッション

【INDIAN FTR 1200 S Race Replica試乗記】 生まれはクローズドだけど、志はストリート! インディアンFTR1200は最高に楽しめるツアラーだ[PR] PR

  • 2019/10/17
  • 宮崎 正行
このエントリーをはてなブックマークに追加

待ちに待ったインディアン初のスポーツモデル、その名もずばり「FTR1200」がついに発売された。FLAT TRACK RACER、つまりFTR。アメリカインディアンのルーツに思いを馳せつつ純血アイアンホースをストリートで確かめた。

REPORT●宮崎正行(MIYAZAKI Masayuki) 
PHOTO●渡辺昌彦(WATANABE Masahiko)

 フラットトラック最速のインディアン、FTRがついに公道デビューした。今年も全米選手権で王座に輝いた本家レーサーは750㏄だが、こちら“ナンバー付き”は1200㏄。生まれはクローズドだけど、志はストリートだぜ! というコンセプトになる。写真でイメージしていたよりもずっとのびやかで大柄なボディは、またがってもけっして小さくは感じない。イグニッションオンで展開する美しいLCD液晶ディスプレイを眺めつつ、早朝の首都高速に飛び出した。

 ちょっと意外だったのは水冷Vツインが、最新1200㏄としてはやや控えめな120㎰が信じられないほど強力なダッシュを見せることだ。それは走り始めてすぐにスロットルをラフに開けてしまったことを後悔するほど、激しく鋭い。新しいFTRは、なんとなく想像していた“おおらかキャラ”を大きく裏切ってワイルドホースだったのだ。走っているかぎり装備重量235㎏はにわかに信じがたく、おかげでバッチリ目が覚めた。これが第一印象。

 そんな一面を知ってしまったからにはニーグリップをすこし強め、あらためてハンドリングや巡航性能を確かめようと身構えた。ところがこの第一印象はすぐに覆される。

 FTRのスペックは、実はけっこう特異だ。フロントタイヤは19インチ、前後サスのトラベルは150㎜といずれもいまどきのスポーツモデルよりラージ&ロング、まるでアドベンチャーモデルだ。加えてライポジもアップライトときている。でもこれらの要素がFTRらしい走りの個性に直結していて、「サーキットならいざ知らず」と思えるほどクルクル回る最新スポーツモデルよりもはるかにナチュラル。長めにとられたスイングアームや、クルーザー並みにリーンしたキャスターアングルを利して、イニシアティブをライダー側にキープしたまま余裕をもってコーナーに進入できるのだ。

 乗せられているのではなく、乗れているカンジ。これがめっぽう愉快。なんでも出来てしまう17インチ車は緊張が先行するけれど、FTRの“寛容な”19インチはおおらかにコーナリングできる。あれれ? ついさっき「おおらかキャラじゃない」と言ったばかりなのに、まったく逆のことを感じている自分がいる。

 こんなにキモチに寄り添ってくれるフレンドリーなキャラなら、積載を工夫してのツーリングも楽しそうだぞ……と思っていたら、FTRにもしっかり旅向けの純正エクイップメントが用意されていた。

 ビビッドなエンジンをアダルトな車体が支える。ひとつの理想形がここにある。スロットルを大きく開ければ激しく地面を蹴るが、開けなければ大人っぽく流せる。総じて心穏やかでいられることが、あまたのスポーツモデルと一線を画している。「どこへでも行けそう」と思わせてくれるアドベンチャーマインドを内に秘めたFTRは、その類型のない新しさでライダーを自由にしてくれるだろう。チーフやスカウトが旧き佳き正統派ならば、FTRは新地を求めて旅立つ新興勢力。オリジナルで、そしてパワフル。そのスピリットはまさしく創業以来のインディアンそのものだ。

レースレプリカは赤フレーム+ファクトリーカラーのタンクカバー、アクラポビッチ製スリップオンエキゾーストでレーシー。
ハンドルは幅が広くやや前傾となるポジション(調整可能)で、バイクとの一体感が高い。クルーズコントロールやメーター設定などの左右スイッチも使い勝手が良好。ヘッドランプはロービームでも明るくて安心。
LCDタッチスクリーンディスプレイには様ざまな情報が表示される。ライドモードやABS、ウィリーコントロールの設定も行える。
重量マスを車体中心に集中させるため、燃料タンクはシート下に装備。通常のタンク位置はエアクリーナーが収まる。

【SPECIFICATIONS】
■ボディサイズ:全長2286×全幅850×全高1297㎜ 
ホイールベース:1524㎜ 
シート高:840㎜ 
車両重量:235㎏ 
■エンジ
ン:4ストローク水冷V型2気筒DOHC4バルブ 
総排気量:1203㏄ 
ボア×ストローク:102×73.6㎜ 
圧縮比:12.5 
最高出力:89.5kW(121.7㎰)/8250rpm 
最大トルク:115.2Nm(11.7㎏m)/6000rpm 
■燃料タンク容量:12.9ℓ 
■トランスミッション:6速リターン 
■サスペンション形式:Ⓕテレスコピック Ⓡスイングアーム 
■ブレーキ:Ⓕ油圧式ダブルディスクφ320㎜ Ⓡ油圧式シングルディスクφ265㎜ 
■タイヤサイズ:Ⓕ120/70R19 Ⓡ150/70R18 
■車両本体価格:236万4000円(消費税8%)

INDIAN 2020MODEL PICK UP

軽快な「スカウト」系と重厚な「チーフ」系ともに2020年モデルが発表。スカウト系には新たに2つのニューモデルが追加され、チーフ系は排気量アップなどエンジンが刷新された。2019年から加わったFTR系と合わせ、アメリカンスポーツからラグジュアリーなグランドツアラーまでラインナップの厚みが増している。

Chieftain Elite

先進的フェアリングとハードタイプのサドルバッグ、オーディオシステムなど豪華装備を満載。ほかのチーフ系同様、1811㏄から1901㏄に排気量を拡大、ハイフローヘッドを採用した新開発空冷OHVを搭載する。エンジン、乗り味ともに質感が高められた。

Scout Bobber Twenty

オールドスクールなボバースタイルを現代風にアレンジ。ボバーらしく短くカットされたフェンダー、せり上がったアップハンドルに後端がフレームから浮き上がったソロシート、スポークホイールなどで個性を高めた。

Scout 100th Anniversary

1920年、スカウトの名を初めて冠したモデルの誕生から100周年を記念したモデル。インディアンレッドに金色のピンストライプ、サドルシートにスポークホイールなど、初代モデルをモチーフとした特別装備が奢られる。

【Porsche is it!】
タイプ992 国内インプレッション
メカニズム詳報
新旧対決 タイプ992 vs タイプ991
インタビュー 911の方向性
歴代911の比較インプレッション
新型マカン&マカンSの実力

【DEBUT】
アストンマーティン・ヴァルハラ

【THE BATTLE】
メルセデス・ベンツGLE450 4マティック・スポーツ×BMW X5 xドライブ35d Mスポーツ
ベントレー・コンチネンタルGT×コンチネンタルGTコンバーチブル

【SUPER TEST】
BMW M5コンペティション

【CRITICAL JUDGEMENT】
田中哲也×荒 聖治の辛口インプレッション
シボレー・コルベット・グランスポーツ

【サーキットのススメ番外編】
大人のドリフト講座 前編

【JUST ARRIVED】
メルセデスAMG GT 63 S 4マティック+
ジャガーFペイスSVR
BMW320d xドライブMスポーツ

【COMING SOON】
日産GT-R NISMO
MINI JCWクラブマンALL4
メルセデスAMG A45 S 4マティック&CLA 45 S 4マティック
レンジローバー・イヴォーク

【CLOSE-UP】
アルファロメオ・ステルヴィオ inステルヴィオ峠

【KAZ BAR】
自動車不況の裏側
清水和夫×渡辺敏史

【LONG TERM REPORT】
ホンダNSX
ポルシェ911S 2.4
ポルシェ911【993】

福野礼一郎のスーパーカー自動車ロン
オイルの秘密
昭和元禄ユニヴァース

【SPECIAL SHOP】
ポルシェ編

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。 一覧へ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ 一覧へ