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軽量化のためにリヤシートも取っ払った狂気のスポーツカー ルノー・メガーヌR.S.トロフィーR……F1ジャーナリストを震撼させたテクノロジー【第2回:シャシー編】〈試乗インプレッション〉 PR

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トロフィーとトロフィーRは別モノ!

フロントには車高調整機構と減衰力調整機構のついたオーリンズ製ダンパーを採用。リヤもオーリンズ製で、ダブルチャンネルアジャストメント機構つき。組み合わされるスプリングはレートが高められ、逆にアンチロールバーは剛性が落とされて最適化が図られている。
 メガーヌR.S.トロフィーR は軽量化の一環として、電子制御アクチュエーターによって後輪の舵角を逆位相/同位相に制御する4コントロールを取り外した。ニュル最速を目指すには、4コントロールによって得られるメリットよりも、軽量化のほうが効果は高いという判断である。タイトなコーナーで旋回性が向上するメリットを体感していただけに、「なぜ、そんなことするの?」と疑問に感じなくもなかったが、実際にドライブしてみて、そしてリヤサスペンションを覗き込んでみて、疑問は氷解した。

 トロフィーR に乗り込んでステアリングを切り込んだ瞬間、「これは何?」と衝撃を受けるほどに、フロントの入りがいいのだ。フロントの動きに追従してリヤがクイッと回り込む4コントロール付き車とは異なる挙動だ。下手すると、その場でクルッと1回転してしまうのではないかと思わせるくらい、軽く、俊敏に、向きを変える。メガーヌR.S.トロフィーとトロフィーRでは、転舵時の動きはまったくの別物である。

トロフィーRは6速MTのみの設定で、6速EDC(DCT)はラインナップされない。ルノー車の右ハンドル仕様の例に漏れず、ペダル配置は見事のひとこと。しっかりフットレストで身体を支えられ、ヒール・アンド・トーも容易に決まる。

 フロントの動きが軽いから、リヤは逆に安定していてほしい。それにはスタビリティの確保が重要で、これもレーシングカーを仕立てる際のセオリーである。リヤがしっかり安定しているからこそ、安心して攻められるのだ。

 リヤがトーションビームアクスル(TBA)であることはR.S.トロフィーと変わらないが、R.S.トロフィーRは作りがまったく異なる。R.S.トロフィーのトレーリングリンクはスチールの鋳造品だが、R.S.トロフィーRは角形断面のスチールプレスとなっている。軽量化を狙うと同時に、横方向の入力があった際(とくにコーナリングで踏ん張っている際)に変位しないよう、留意した設計になっているはずだ。

 リヤがスリップアングルをつけて力を出そうとしているのに、サスペンションが変位してしまうとコーナリングフォースが立ち上がってくれず、リヤタイヤが仕事をしてくれないし、挙動が不安定になる。R.S.トロフィーRのTBAは軽量化させつつ、車輪をガチッと固定することで余計な動きを封じ込め、リヤタイヤにしっかり仕事をさせる設計になっている。

 これが、転舵すると軽く俊敏に向きを変えつつ、ドライバーに安心感をもたらすカラクリのひとつだ。

 まさにこれこそ長年に渡るモータースポーツでの経験を生かした設計&セッティングノウハウを存分に生かした格好であり、ルノー・スポールの各モデルに貫かれている理念でもある。とりわけR.S.トロフィーRはその象徴的な存在と言えるだろう。

■ルノー・メガーヌR.S.トロフィーR
全長×全幅×全高:4410×1875×1465mm
ホイールベース:2670mm
車両重量:1330kg
エンジン形式:直列4気筒DOHCターボチャージャー
総排気量:1798cc
ボア×ストローク:79.7×90.1mm
圧縮比:8.9
最高出力:221kW(300ps)/6000rpm
最大トルク:400Nm/3200rpm
トランスミッション:6速MT
サスペンション形式:ⒻマクファーソンストラットⓇトーションビーム
ブレーキ:ⒻベンチレーテッドディスクⓇディスク
タイヤサイズ:ⒻⓇ245/35R19
ホイールサイズ:ⒻⓇ8.5J×19
ハンドル位置:右
乗車定員:2名
JC08モード燃費:13.0km/L
車両価格:689万円

メガーヌR.S.トロフィーRの詳細はこちらをクリック!(ルノー・ジャポン公式ホームページ)

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