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400馬力のターボエンジンのオイルが0W-20だと!? 日産新型スカイライン400Rの驚くべきエンジンオイルの低粘度化

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スカイライン 400RのVR30DETTエンジン 405ps/6400rpm 48.4kgm/1600-5200rpmの強心臓

このサイトをご覧いただく読者の方なら、愛車のエンジンオイルの指定粘度はご存知だろう。
さらには、最近の新車の純正オイルって柔らかいなと、お思いの貴兄も多いかも。
現行スカイライン400RのV型6気筒3.0ℓツインターボエンジンは、405psもの出力を出しながら、純正指定のオイルはなんと0W-20! 
純正オイルの指定粘度の低下がスゴいことになっている!

REPORT:森田 準(ニューモデル速報)

補機類のフリクション低減や各種コーティングの採用によって、トータルでVQ37VHRに対して約30%のフリクションを低減している。

 近年の自動車開発における大きな命題のひとつが低フリクション(抵抗)化で、その対策はクルマ全体に、くまなく及ぶ。
 特にエンジンは本体のみならず、各種ポンプ類やタービン、エアコンなど、装着される補機類も数多く、それらひとつ一つが機械的なフリクションの要因となるために、あらゆる策が講じられている。

 今回のお題の結論から言えば、純正エンジンオイルの指定粘度が下がっているのは、兎にも角にも、燃費向上の妨げになるエンジンの内部抵抗を減らしたいからに違いない。

 基本的なことでご存知の方ばかりだとは思うが、大雑把に言って、エンジンオイルの粘度指数は数字が大きい方が硬い=ドロドロしていて、小さければ柔らかくサラダオイルのようなサラサラな方向になる。
 ドロドロの液体とサラサラな液体をかき混ぜる際に、どちらの抵抗が多いかは、流石に説明する必要もないだろう。

今や純正オイルは0w-8なんてのも!

新型ヤリスに採用された0W-8のトヨタ純正オイル
 今やエンジン出力と同レベルに低燃費性能が求められるので、必然的にエンジンオイルも低粘度になってくる。

 そして、軽自動車やコンパクトカーではもはや0W-8なんて領域になっている。一例をあげると日産の軽自動車デイズやトヨタの新型ヤリスなどが0W-8を指定している。

 ひと昔前のハイパワーターボ車であるランエボやWRX STI、スカイラインGT-Rあたりでの純正指定は5W-30くらいが相場。
エンジンをブン回して走る人や、サーキット走行などを趣味にしているオーナーは、保険的な意味合いもあって15W-50なんて粘度のオイルを入れていた。

 筆者もかつて乗っていた80スープラには、が280psに対してブーストアップで400ps近く出ていたので15W-50を選んでいた。
 なので、昨今の低粘度指定については、自身も単純に凄いなあとは思っていた。

400Rのタービンは最高許容回転数は24万回転/分!

400Rのタービンは過回転を抑制するために、ダイレクトに回転数をセンシングしている。

 そんな折、「新型スカイラインのすべて」の取材時に、特に驚きを覚えたのが前述のスカイライン400R。V6ツインターボの405psエンジンの純正指定が0W-20というのは、にわかには信じがたかった。

 しかも400Rに装着されているツインターボのタービンの最高許容回転数は24万rpm(回転/分)で、それを定常22万rpmで使っている。
 タービンの大きさはだいぶ大きいが、スカイラインGT-Rのあたりのタービンの回転数が恐らく10万rpm前後だと思うので、400Rのタービンがいかに高回転で使用されているかご理解いただけるだろう。
 そして、この過酷に使われているタービンの軸受部分もエンジンオイルで冷却する必要がある。

 なので、エンジン開発のエンジニアになぜそんな低粘度オイルで大丈夫のかを訊いてみれば、クランクメタルの材質や各部のクリアランス設定などで対応しているそうで、特に樹脂コートなども行っていないという。

 ただ、前提として例に挙げたスカイラインGT-Rなどの20数年前と比べれば、基本的な加工精度や、コーティング技術の向上が貢献しているのは間違いないだろうし、オイル自体や添加物の品質が向上していることもまた事実ではあろう。

 自動車開発や、周辺技術の進歩まだまだ止まることはなさそうだ。

モーターファン別冊 第587弾「新型スカイラインのすべて」

今回取り上げた新型スカイラインに興味をお持ちいただいた方は、ぜひ、「ニューモデル速報第587弾 新型スカイラインのすべて」もご覧ください。

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