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陸上自衛隊:カチュウキョウ? 最長60mの橋を架けられるトラック「81式自走架柱橋」自衛隊新戦力図鑑

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自衛隊観閲式で朝霞訓練場を走行する81式自走架柱橋。

日本を守る陸・海・空自衛隊には、テクノロジーの粋を集めた最新兵器が配備されている。普段はなかなかじっくり見る機会がない最新兵器たち。本連載では、ここでは、そのなかからいくつかを紹介しよう。今回は、陸上自衛隊の81式自走架柱橋である。橋を架けるすごい実力を持つクルマだ。
TEXT&PHOTO◎貝方士英樹(KAIHOSHI Hideki)

 橋は、人や車が通行するために川や湖、谷地、道路などの両側を結び、かけ渡した構造物だが、その重要さを普段の生活で意識する機会は少ないのではないか。その橋が工事などで通れなくなったとき、遠回りを迫られて初めて気づくものだろう。また、大雨による河川の氾濫などで、日常的に通行していた橋が落ちてしまうと当然困ったことになる。復旧にも時間はかかり、その間、我々の生活はかなり不便なものとなる。

 これが紛争や戦争状況下での橋は、平時の重要インフラという要素に加えて、勝敗を左右する戦略目標と捉えられる。戦争映画でも橋をめぐる攻防を描いた作品は多い。そこでは、守る側は相手の進撃を防ぐため橋を落とす、攻める側は仮設橋を設置したり、あるいは別の渡渉手段を用意してグイグイ前進しようとする。軍事組織にとって仮設橋などは必須装備だ。

車体後部方向へ導板を繰り出した状態。

 陸上自衛隊にも橋を架ける装備が多数存在する。以前、車重約50トンの90式戦車を通行させる「91式戦車橋」を紹介したが、今回は「81式自走架柱橋」だ。架柱橋は「かちゅうきょう」と読む。
 81式自走架柱橋はベースとなる大型トラックに橋(導板)を積んで自走し、戦車や歩兵など第一線部隊と行動を共にする装備だ。進む経路上に川や地隙などが現れたならば、背中に積んだ橋を降ろし、向こう側へ架け、部隊を前進させる役目を果たす。

2枚分割方式の導板を繋ぎ、かけ渡した状態。奥方の2本の柱が架柱だ。

 81式自走架柱橋の架橋プロセスは次のとおり。
 本装備は特大型トラックの背部に橋(導板)を搭載している。導板は長さ10mのアルミ製で2枚分割方式。これを車体後部に向かってほぼ水平方向に順次繰り出し、設置していく。
 各導板の先端には、伸縮可能な「架柱」が取り付けられており、油圧で迅速に調整でき、地面への支持基盤となる。別の導板との連結も可能だ。架柱は最大4mの高さにまで延ばすことができる。本装備は6両1セットで、連結することで最長60mの橋を架けられる。実用的には3〜4両分の橋、つまり30〜40mの長さが現実的・実効的な橋なのだという。
 あまりに長い橋にするとズレていく恐れがあるそうだ。架柱が川床や地面と接している接地面のズレが導板の歪み等を生み、橋梁部全体の中心線(軸線)が左右に曲がったりする。すると、対岸の架橋目標地点からもズレてしまう。結果、曲がった不安定な橋になってしまう。本装備を運用する施設科の担当者らは、架柱が接地する面の強度や耐久性を判別し、最適な場所を割り出したり、必要な補強なども施し、橋を架ける。橋の幅は3.75mで、74式戦車以下、師団に配備されたすべての車両を通すことができる。
 災害派遣でもその能力は光った。東日本大震災では宮城県南三陸町を中心に橋を架け、地元住民らの生活を支えた。

東日本大震災、宮城県南三陸町での作業のようす。1両の81式自走架柱橋が設置した橋に、別の架柱橋が後進で進入、橋上で2本目となる導板を繰り出し連結しているところだ。写真/陸上自衛隊

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