マツダ ユーノス・コスモ（1990）　3ローター強心臓の贅沢クーぺ 「週刊モーターファン・アーカイブ／マツダ100周年特集」

• 2020/08/20

• 渡辺 陽一郎

  

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量産車世界初のシーケンシャル・ ツインターボ付きロータリーがもたらす驚くべきハイパフォーマンスと高度な先進技術。マツダの持てる技術をふんだんに投入したユーノス・ コスモは一級の走りを見せる上級クーペだった。
週刊モーターファン・アーカイブでは、これまでのモーターファンの懐かしい秘蔵データから毎週1台ずつ紹介していきます。今週も先週に引き続き、マツダ100周年特集！1990年に発売された、ユーノス・コスモを紹介します。
解説●渡辺陽一郎（90年代スポーツカーのすべて より　2016年刊）

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初代コスモスポーツは、1967年に発売された世界初の量産ロータリーエンジン搭載車だ。この後、コスモの名称で豪華指向のクーペに発展。ロータリーに加えてレシプロエンジンも搭載した。

そして4代目が、90年に発売されたユーノス・コスモ。当時のマッダは5系列の販売体制を整え、コスモは「ユ—ノス店」の最上級車種となるべく開発された。

そのためにレシプロエンジンを用意せず、シーケンシャル・ツインターボを備えたロータリーのみになる。13B型は654cc×2ローターで、最高出力は230ps/6500rpm。20B型は3ローターで最高出力を280ps/6500rpmを発揮。最大トルクも41kgm/3000rpmと強力で、動力性能は4.0ℓのレシプロエンジン並みであった。20B型は加速感が力強く、回転がきわめて滑らかだから、ロータリ—ならではの上質感を味わえた。

サスペンションは前輪がダブルウィッシュボーン式、後輪は2つのダンパーを備えたマルチリンクだ。車両重量は20B型搭載車、上級のタイプEは1610kgと重く、カーブを曲がるときには挙動の鈍さが気になったが、直進安定性と乗り心地は優れていた。

そして装備ではCCS（カー・コミュニケーション・システム）が注目された。GPSを使う日本初のカーナビで、正確な道案内を可能にした。このようにユーノス・コスモは、エンジンから装備、内外装のデザインまで、バブル経済期に相応しい超豪華なクーペであった。

【SPECIFICATION】　マツダ ユーノス・コスモ TYPE-S（4AT）

【寸法】
全長×全幅×全高(mm) ：4815×1795×1305
ホイールベース(mm)：2750
トレッド前／後(mm)：1520/1510
贔低地上高(mm)：150
車両重量(kg)：1590
【エンジン】
エンジン型式：20B-REW(3ロ ーター ＋ターボ）
総排気量(cc)：654×3
圧縮比：9.0
最高出力(ps/rpm) ：280/6500
最大トルク(kgm/rpm)：41.0/3000
燃料供給装置：電子制御燃料噴射
燃料タンク容量(ℓ) ：85・無鉛プレミアム
10モード燃費(km/ℓ)：6.1
【足まわり】
駆動レイアウト：FR
サスペンション（前）：ダブルウィッシュボーン式
サスペンション（後）：マルチリンク式
ブレーキ（前）：ベンチレーテッドディスク
ブレーキ（後）：ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ：225/50R16