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スバル・レガシィ・ツーリングワゴン(1993-1998) ワゴンNo. 1の地位を確立「週刊モーターファン・アーカイブ」

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累計約80万台を生産する人気モデルとなった初代から、わずか4年8ヶ月で誕生した2代目。5ナンバーボディの洗練されたスタイルに隙のない使い勝手、そして高性能でライバルを一切寄せ付けず、現在に至るワゴンNo. 1の地位を確立した名車だ。
週刊モーターファン・アーカイブでは、これまでのモーターファンの懐かしい秘蔵データから毎週1台ずつ紹介していく。
解説●遠藤 正賢(90年代国産車のすべて より 2012年刊)

バブル期にあってなお苦境にあえいでいたスバルを救ったのは、レオーネの後継車として89年2月に登場した初代レガシィだ。しかし、その初代レガシィを上回るヒットを記録してスバルのブランドイメージを高め、後になみいるライバルを駆逐するきっかけを作ったのは、この2代目レガシィだろう。

2代目レガシィはバブル崩壊直後の93年10月にデビュー。初代の登場からわずか4年8ヶ月でのフルモデルチェンジとなり、当時まだ初代の人気もさほど衰えていなかったため、そのあまりにも早い世代交代に疑問をもつ人も少なくなかった。

しかし初代と2代目を比較すると、初代は80年代の車らしい直線的でボクシーなスタイルだ。それに対し2代目は、基本的なボディサイズやシルエットを維持しつつ、巧みに鋭いエッジと緩やかな曲線を組み合わせることで、現在の視点で見てもなお古くささを感じさせない、洗練された佇まいを備えている。

鋭いエッジと緩やかな曲線を組み合わせたデザインは今見ても古くささを感じない。

なお、チーフデザイナーとして2代目レガシィの開発を担当したのは、後にマイバッハやダイムラークライスラー時代の三菱各社を手掛けたフランス人デザイナー、オリビエ・ブーレイ氏だ。

インテリアも奇をてらった所がないという点では初代も2代目も同じだが、より現代的なのはやはり2代目。インパネ上部を低く設計しセダンスタイルを維持しながらも開放感を高めるなどの、真摯な工夫が好印象につながっている。

シンプルかつ機能的ながら、洗練された運転席周り。ボンネットが長くダッシュボードが低いことなどが奏功し、車両感覚もつかみやすい。
後席は6対4分割で、座面が前方に持ち上がるダブルフォールディング機構を採用。そのため、倒せば奥行き約170cmの完全フラットな荷室が出来上がる。

さらに2代目では全長とホイールベースを50㎜拡大しながら5ナンバーサイズを堅持しているが、前席の下に足を入れやすくするなど細かな改良を加えることで、後席の居住性は数値以上にアップしていた。

そして、スバルのお家芸である水平向エンジン+4WDがもたらす動力性能は、2代目にフルモデルチェンジした時点でもはや敵なしのレベル。96年6月のマイナーチェンジでは2ℓターボの5速MT車が280psに達し、さらにビルシュタイン製倒立式ダンパーを装着する追加グレード「GT-B」ではコーナリング性能も大幅に引き上げられたことで、どうクラスのワゴンはもちろんスポーツカーさえ顔負けのパフォーマンスを持つに至っている。

200㎜の最低地上高を確保し、ラフロードの走破性を高めた「グランドワゴン」は1995年8月に登場。その後アウディ・オールロードクワトロやボルボXC70など、数多くのフォロワーを生んだ。なお、のちに「ランカスター」→「アウトバック」と名称を変更している。
レガシィ発表時は同時にセダンも登場。レガシィの特徴でもあるが、ワゴンを中心に開発するためリヤセクションの絞り込みが少ない。そのため、セダンでもサイズのわりに後席が広いことも人気の要因。

SPECIFICATIONS(レガシィ・ツーリングワゴン GT)

発表:1993年10月7日
価格:286.6万円(当時、税別)
【寸法・重量・性能】
全高×全幅×全高:4670×1695×1490
総排気量:1994cc
最高出力:250ps/6500rpm
最大トルク:31.5kgm/5000rpm
10/15モード燃費:9.4km/ℓ
【走行伝達装置】
トランスミッション:4速AT
駆動方式:4WD
サスペンション 前:ストラット
サスペンション 後:ストラット
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
ブレーキ 後:ベンチレーテッドディスク
タイヤ・サイズ:205/60R15 91H
最小回転半径:5.4m

3代目は押し出し感を強めながらも正常進化

3代目レガシィのSUV系モデルである、ランカスター
3代目4ドアセダンのレガシィB4

1998年6月にデビューした3代目では、リヤサスペンションをマルチリンク式とするなど、プラットフォームを全面刷新。駆動方式はFFの設定がなく4WDのみとされ、エンジンも2ℓと2.5ℓに絞られたが、ラーカスターを除き5ナンバーサイズは堅持され、 スポーツワゴン/セダンとしての使い勝手と動力性能が一段と熟成された。

ただしデザインは、 やや押し出し感の強い武骨なものへと変化。 ポルシエデザイン社と外装パーツを共同開発した特別仕様車「ブリッツェン」を毎年リリースするなど、 シリーズ全体でよりスポーティな方向へとイメージチェンジが図られている。

モーターファン別冊 その他のシリーズ 90年代国産車のすべて

90年代国産車のすべて

10~20年前のクルマに感動しよう!
 80年代という時代は、非常に興味深いクルマがふんだんに登場し日本の自動車史に名を残すモデルが目白押しでした。そこには80年代後半にむけて興ったバブル経済の影響も少なからずありました。逆に90年代はバブル経済の崩壊が代表的なキーワードとなることもあり、あまり良い印象がありません。同様にその当時のクルマもそれほどインパクトがあった記憶がないのです。しかし、情熱だけで押してきた80年代に対して、90年代は80年代に並行して行われていた技術開発が開花した時代でもあったのです。実は「クルマはこうあったらいいな」という思いが結実したのが90年代だったのです。そして興味深いのが、これらのクルマの多くは現在でも中古車市場で販売されている点です。程度は保証の限りであはりませんが、興味を持てたら自分のクルマにしてみるのも面白いかもしれません。

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