“アウディ”ブランドが国際ラリーの舞台へ復帰する!! 世界で最も過酷なラリーに、アウディが電動パワートレインで挑戦!!
- 2020/12/04
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MotorFan編集部
このほどドイツのアウディは、2022年、モータースポーツの世界における最も過酷なレース、ダカールラリーに「革新的」なプロトタイプ・マシンで初参戦することを発表した。このマシンには、電動ドライブトレーン、高電圧バッテリー、高効率なエネルギーコンバーターを組み合わせたドライブコンセプトが初採用される。また、クロスカントリーラリーへの参戦は、将来のファクトリー体制によるモータースポーツへの取り組みの先駆けとなるものだとも表明している。
AUDI AG取締役会会長 兼 テクニカルデベロップメント&プロダクトライン担当取締役のマルクス・ドゥスマン氏は、このたびの挑戦について「モータースポーツへの多角的な取り組みは、アウディの事業戦略における不可欠な部分であり、今後も継続的に実施します。私たちは、国際的なトップレベルのモータースポーツにおいて、ブランドのスローガンである“Vorsprung durch Technik”(技術による先進)を示し続け、量産車向けの革新的なテクノロジーを開発したいと考えています。世界で最も過酷なラリーは、そのための完璧な舞台となるでしょう」と語った。
モータースポーツの幅広いカテゴリーで数多くの国際的な成功を収めてきたアウディだが、やはり、もはや伝統である「quattro(クワトロ)」システムと並んで語られる、ラリー競技とのつながりは忘れてはならない。
1981年に国際ラリーに初参戦したアウディは、独自のフルタイム4WDシステムである「quattro」システムを搭載したAudi quattroで革命をもたらした。
現在、フルタイム4WDシステムは、ラリーだけでなく、モータースポーツのあらゆるカテゴリーに浸透しており、市販車においても標準的なシステムとなっている。このテクノロジーは、スポーティなアウディ車の安全性を最大限に高めているが、現在、Audi e-tronには最新の電動4WDシステムが搭載されていることはご存じの通りだ。今回のマシンにも2あるいは3モーターの電気式「quattro」システムが搭載されるだろう。
さて、このたびアウディが、究極のコンディションの中を走るダカールラリーに挑戦するプロトタイプ・マシンは、パワフルな電動ドライブトレーンによって駆動される。必要なエネルギーは高電圧バッテリーから供給されるが、非常に効率的なTFSIエンジンを発電機として利用することで、走行中に必要な電力をバッテリーに充電するという。この表現からすると、TFSIエンジンを用いたレンジエクステンダーであろう。
今回のラリーへの挑戦の目標は、今後の2年間で、電動ドライブトレーンとバッテリーの性能をさらに改善することで、このプロセスで得られた知見は、アウディの量産電気自動車の開発にフィードバックするという。
無論、アウディの、この電動ドライブコンセプトは、ダカールラリー参戦車では初となる。つまり「quattro」システム=フルタイム4WDシステムの投入以来、再びラリーの世界においてパイオニアとしての役割を果たすことになる。
アウディは、早ければ2025年には、電気自動車とプラグインハイブリッドが販売台数の約40%を占めると予測していると言うが、「これが、最も過酷なモータースポーツに、アウディが電動モデルで挑戦する理由です。ダカールラリーのレギュレーションでは、搭載する技術に関して大きな自由度が認められているため、アウディにとって完璧な試験場となります」とドゥスマン氏は付け加えた。
今後、フォーミュラEに代わってダカールラリーが、アウディがファクトリー体制で参戦する舞台となる。アウディがフォーミュラEにファクトリーチームとして参戦するのは、2021年シーズンが最後となるが、アウディが開発した新しいパワートレインは、来年以降もカスタマーチームに供給され続ける。
また、Audi Sportによるカスタマーチームへのサポートは、今後も継続される。Audi R8 LMSによるニュルブルクリンク24時間レースなどの主要な耐久レースや、インターコンチネンタルGTチャレンジなどの国際レースシリーズへのカスタマー・チームによる参戦と、そのサポートは継続される。
Audi Sport GmbHマネージングディレクターのユリウス・シーバッハ氏は、「私たちは、国際的なモータースポーツシーンで、参戦可能な他の分野についても検討を行なっています。そうすることで、私たちは、未来の戦略として電動化とカーボンニュートラルなモビリティに明確な焦点を当てながら、同時にモータースポーツに対するお客様のニーズにも応えていきます。そのため、新しいスポーツプロトタイプカテゴリーであるLMDhに参入する準備を集中的に行なっています。そのハイライトは、デイトナ24時間レースとル・マン24時間レースです。ファンの方々への最も重要なメッセージは、アウディにとってモータースポーツは引き続き重要な役割を果たすということです」と語った。
なお、2020年12月1日から、シーバッハ氏は、Audi Sport GmbHのマネージングディレクターとしての職務に加えて、アウディの国際モータースポーツ活動の責任者に就任している。
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