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EV元年とも言える年! 量産世界初アイミーブやリーフが登場 第41回東京モーターショー 【東京モーターショーに見るカーデザインの軌跡】

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第41回東京モーターショーはEV元年として自動車の歴史に残るショーとなった。
日本のメーカーが世界に先駆けEV用リチウムイオンバッテリーを実用化し、商品化の目安とされる100㎞連続走行を達成した量産車を発売、展示したのだ。
皆さんご存知の三菱アイミーブである。

EV量産化に向けた第一歩はここから

EVの歴史は古く20世紀初頭から存在し、走る基本原理はオモチャのミニ4駆と同じである。しかし従来の鉛電池では重量がかさむ割には充電時間が長く出力電圧が小さいためフォークリフトやゴルフカートが精いっぱいの性能であった。
しかし1990年代に入り、ノーベル賞科学者である吉野彰教授がリチウムイオン電池を発明し1994年に市販されたモバイル用バッテリーを大型化してクルマに搭載すれば、ゼロエミッションの高性能EV生産が可能になり、我こそはという意欲的な自動車メーカーが一斉に開発をスタートさせたのであった。

リヤ・ミッドシップという独特なレイアウトを採用した三菱i(アイ)をベースに誕生したi-MiEV(アイミーブ)。

三菱は2003年に早くも将来のEV化を念頭に開発したリヤエンジン・レイアウトの“アイ”のコンセプトカーをフランクフルトショーで発表。2007年の東京モーターショーでは充電システムの規格化やインフラを含めた構想も公開し開発は順調に見えたが、量産化までには苦労の連続であった。

三菱iのコンセプトモデルは、フランクフルトショーで発表された。

まず最も困難だったのは大容量リチウムイオン電池の安全性だ。数年前にメディアを賑わした中国製互換モバイルバッテリーで多発した爆発火災をご記憶の方も多いと思うが、クルマは事故や異常気象で水没する可能性があり、そうなった場合は数百倍の容量に比例した大爆発を引き起こしかねない。
したがって水没時の大量放電による発熱発火を起こさない完全防水対策をはじめ2重3重の保護回路の発明、またバッテリーに関しては寿命にかかわる充電時の電流マネジメントおよび冷却と保温(低温時の放電能力低下対策)、そのほか回生ブレーキ、インバーターの高効率化など全てに特許並みの改良が求められそれらをすべてクリアしたのだ。

フロアの二重構造によってバッテリーの搭載を実現。(モーターファン 別冊 ニューモデル速報第438弾 三菱i-MiEVのすべて より)

しかし、こうした世界初の偉業達成に対して世の中は意外に冷静な受け止め方であったようだ。特に海外勢のルノーをはじめフォルクスワーゲンなどが20年後の未来的なスタイリングや、よりスマートと思える新規格のインフラを発表したりし、あたかも一歩リードする三菱をけん制するような情報を積極的に発信した。

同年の東京モーターショーにはi-MiEVカーゴというコンセプトモデルも登場。

日産よりEV専用設計のリーフが誕生

そして翌年の10月に発売された日産リーフは真打登場みたいな盛り上がりを見せ、200㎞走行可能という性能やEV専用のオリジナルデザインの新鮮さも味方し、メディアの注目度は断然リーフに集中した。
中にはリーフが世界初の量産EVなどと事実と異なることを平然と書いているメディアもあったほどで(今でも検索可)、その結果日産リーフは2010年から2014年で世界累計販売10万台を達成し翌年末には倍の20万台を超え、インフラが発展途上という状況にもかかわらず異例の大ヒットとなった。

何と言ってよいのやら、三菱は損な立ち回りで本来主役のはずがいつの間にか脇役に回されたようで、当時私は三菱が気の毒でならなかった。
積極的に先行していた新技術を秘密にしないで宣伝すればよかったのにと、この文章を書きながら今更ながら思うのである。

フロア下にバッテリーを搭載するレイアウト。フロントにエンジンを搭載しないことが前提のパッケージながら、同格の内燃機関車よりも重量が増えることから、クラッシャブルゾーン確保のためある程度のノーズの長さが必要だった。

電気の成り立ちである電子の性質上、生み出す仕事量はいまのEVシステムだと動かす質量が大きくなるほど消費される電力は比例して増えてしまう。
つまりクルマが大きく重くなればその分バッテリーの容量も比例して大きく重くなり、それを避けるにはより高性能なリチウムイオン電池の開発が必要で、レアメタルの高騰や補器類の性能向上も合わせた生産コストはうなぎ上りになるのだ。当然販売価格も高くなり、テスラを参考に詳しく見てみると、あの性能を実現するためのコストは膨大で価格は決してして高くはなく、むしろどこで儲けているのかと不思議に思えるくらいだ。

またバッテリーの再利用にはまだまだ問題が多く、充電に必要な消費電力も含めて高性能EV生産やバッテリーのリサイクルで排出されるCO2 をトータルすると、ガソリン車の生産使用を続けた場合より大きく上回るという試算を示す研究者も多い。
こうした事を考えるとEVに適した大きさは、私は今の軽自動車ぐらいが丁度よく、残された地球資源と何とか折り合いがつくサイズではないかと以前から考えていた。

コンパクトEVこそが必至

これに関して私は早稲田大学理工学術院の非常勤講師をしていた2014年に自動運転の基本技術と関連させた「絶対にぶつからないEVの開発」というタイトルで、コンパクトEVのアイデアを創造理工学部のシンポジウムで発表したことがある。モーターファン・イラストレイテッド誌の第45号の特集記事で書かせていただいた内容が基になっていて、ご興味のおありになる方は是非読んでいただきたい。

技術的な話が長くなったが、最近のアップル・カーをめぐる話題の中で、「部品点数の多い複雑な従来の自動車造りと比べEVは部品点数も少なく作りやすいため、どのメーカーがパートナーになってもおかしくない」という論評を目にしたことがある。
しかしそんなことはないのだ。それは10年前の中国製EVレベルのクルマを作る場合の話であって、5段階の自動運転レベルが上がるにつれてEV本体のクルマとしての性能や安定性、安全性が高いレベルで求められ、そうした性能を保証できるのは最高レベルの開発力のある企業でなければならず、アップル社のパートナーあるいはサプライヤーになれるのは、おのずと限られるのである。つまりアップル社製品のiPhone12と同レベルの設計技術のある企業でなければならないという事だ。

そんなわけで、私のあくまで個人としての希望的意見だが、セダンから撤退しパジェロも止めてしまった苦境に立つ三菱自動車はEVの高い技術力があり、アップル社が目をつけてもおかしくないと思うのだが・・・まあそんな面白い話は今度の4月1日用に取っておくことにしよう。

今回はデザインの話まで行きつかなかったが、次回から数回にわたりEVや自動運転の話をするうえで、これだけは知っておいてほしい“EVの現実”をお伝えしたい。次回はメーカーによってEVデザインの考え方が異なる点に焦点をあててお話しよう。

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