【BMW R nineT・アーバンG/S】決して至れり尽くせりではなく、ライダーの資質を問う乗り味だ。
- 2021/04/18
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中村友彦
ディテール解説
コンパクトなビキニカウルは、1980年代初頭のR80G/Sを彷彿とさせるデザイン。撮影車のヘッドライトはオーソドックスなハロゲンバルブだが、2021年型からはLEDを採用。
標準装備の計器はスピードメーターのみで、タコメーターはオプション設定。液晶画面には、オド、トリップ×2、時計、油温に加えて、グリップヒーターのレベルを表示。
数多くのボタンとレバーがズラリと並ぶ近年のR1250シリーズとは異なり、Rナインティのスイッチボックスはシンプル。なおABSのオンオフボタンを装備するのは、RナインティシリーズではアーバンG/Sとスクランブラーのみ。
カーボン製インテークダクトやアルミ製シリンダーヘッドカバーなど、試乗車は数多くの純正アクセサリーパーツを装着。ちなみに他機種と比較すると、Rナインティシリーズ用の純正アクセサリーパーツはドレスアップ系が多い。
シートレザーは車体色によりけり。ボディカラーがライトホワイトの場合は、1980年に登場した初代R80G/Sに準じる形で、オレンジ寄りのレッドとなる。シート下にはETCを装備。近年のBMWでは、ETC2.0ユニットを搭載する車両が増えている。Rナインティシリーズは2017年型から標準化。
楕円型のゼッケンプレートも純正アクセサリーパーツ。装着状態に違和感はなかったものの、かつてのR80G/SやR100GSがこの種のパーツを採用していたわけではない。
GSシリーズの慣例に従い、ステップはオフロード走行を視野に入れた構成。ラバーは簡単に脱着することが可能だ。
Rナインティシリーズ全車に共通のパワーユニットは、BMWにとっては二世代前となる空油冷フラットツイン。ちなみに、王道モデルは2013年から全面新設計の空水冷ユニットに移行し、2019年型からは排気量を1169→1254ccに拡大。混合気と排気ガスの流れは、昔ながらの後方→前方。スロットルボディ下部には、大昔からBMWの気化器を手がけて来たドイツの老舗ブランド、BINGの社名ロゴが刻まれている。
スクランブラーは2本出しのアップマフラーを採用していたのだが、なぜかアーバンG/Sは1本出しのダウンタイプ。ただし40周年記念車は、広報写真では2本出しのアップマフラーを装着している。
ホイールサイズは3.00×19/4.50×17で、日本仕様はチューブレスタイヤに対応するクロススポークが標準。試乗車のタイヤは、世界中のツーリングライダーから定評を得ているメッツラー・ツアランス。ブレーキは、F:φ320mmディスク+対向式4ピストン、R:φ265mmディスク+片押し式2ピストン。リアまわりにはシャフトドライブのクセを打ち消す、EVOパラレバーを採用している。
原点モデルのRナインティやピュアよりは多いけれど、現代のアドベンチャーツアラーの基準で考えると、F:125/R:140mmのサスストロークはやっぱり少な目。ちなみにR1250GSはF:190/R:200mm。
主要諸元
R NINE T Urban G/S(2021モデル)
エンジン:空油冷4ストロークDOHCボクサーエンジン2気筒、8バルブ
ボア x ストローク:101 mm x 73 mm
排気量:1,169 cc
最高出力:80 kW(109PS)/ 7,250 rpm
最大トルク:116 Nm / 6,000 rpm
圧縮比:12.0 : 1
点火 / 噴射制御:電子制御エンジンマネージメントシステム(DME)、燃料カットオフ機能付
エミッション制御:三元触媒コンバータ、排ガス基準EU5をクリア
燃料種類 :鉛プレミアムガソリン
WMTCに基づく100km当たり燃料消費:5.1 L
オルタネーター:720 W
バッテリー:12V / 12Ah、メンテナンスフリー
クラッチ :油圧式クラッチ
ミッション:常時嚙合式 6段リターン
駆動方式 :ドライブシャフト式
フレーム :スチールパイプ製4ピースフレーム
フロントサスペンション:テレスコピック式43㎜フロントフォーク
リアサスペンション:BMW Motorrad パラレバー、センタースプリングストラット、片持ち式スイングアーム、可変リバウンドダンピング調整、プリロード油圧調整式
サスペンションストローク:フロント125 mm / リア140 mm
軸距(空車時):1,530
ステアリングヘッド角度:61.5°
ホイール :スポークホイール
リム、フロント:3.00 x 19"
リム、リア: 4.50 x 17"
タイヤサイズ:フロント120/70 R 19・リヤ170/60 R 17
フロントブレーキ:デュアルディスクブレーキ、直径320 mm、4ピストンキャリパー
リアブレーキ:シングルディスクブレーキ、直径265 mm、2ピストンフローティングキャリパー
ABS:BMW Motorrad ABS Pro
シート高、空荷時:850mm/ローシートは820mm
インナーレッグ曲線、空車時:1,890mm/ローシートは1,830mm
燃料タンク容量:17 L
リザーブ容量:約3.5 L
全長:2,175 mm
全高(ミラーを除く):1,175mm
全幅(ミラーを除く):870 mm
車両重量 :230kg
許容車両総重量:430 kg
最大積載荷重(標準装備時):207 kg
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