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MGがスポーツカーコンセプト”サイバースター”を発表 ロンドンで開発された近未来のロードスター MG Cyberster【上海モーターショー2021】

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MG Cyberster Concept

MG=Morris Garages といえば、英国のスポーツカーブランドだが、現在は中国企業、上海汽車の傘下となり復活を遂げている。そして今回の上海モーターショーでは、ピュアEVのスポーツカーコンセプトを発表した。

EV時代のスポーツカー

伸びやかさとともに、マッシブさも魅力。

上海汽車の傘下であるMGは基本的には上海のデザイン本部を中心に開発されるが、MGブランドは英国バーミンガム州のロングブリッジにデザインセンターを有する。また、さらにロンドンにアドバンス・デザインセンターを設置。このアドバンス・デザインセンターとは、量産車ではなくコンセプトモデルを中心に開発する拠点で、この先のMGの方向性を左右する重要な拠点だ。

かつてロールス-ロイスがBMW傘下となった時には、ウエスト・サセックス州のグッドウッドに本社を構えながらも、ロンドンの古い銀行をデザインセンターとして"The Bank"の愛称で使用していたこともあった。
ロンドンはデザイン開発にとって、文化、芸術、経済ともに大きな刺激のある拠点であり、MGブランドの継承をより慎重な配慮を持ってあたっていることも理解できる。

MGBから生まれたフルEVスポーツ

プランビューのレンダリング。

そして今回登場のサイバースターだが、スタイリング・キューをかつてのMGBに求め、EV化、サイバー化する社会の中でのロードスターのあり方を模索した。ワンチャージで800kmの走行距離と、0-100km/h加速は3秒以下という、EVとして満足できるポテンシャルを公表している。さらに、5G通信のコネクティビティをベースにインタラクティブ・ゲーミング・コクピットを構築している。しかしこのあたりは、中国のファンに対するリップサービスとも言えるもので、もちろん実現される性能ではあるが狙いの本質はこのスタイリングにあると思う。

内燃機関のエンジンとは異なるパワーユニットを搭載することで、全く新しいパッケージも考えられたと思うが、あえてそうはせずにロングノーズ&ショートデッキのトラディショナルなスタイルを構築している点がこのモデルのポイントだ。

立体モデルに向けたレンダリング。

正直なところ、現在のMGブランドが欲しいのは「伝統の継承」だ。ジャガーやランドローバーが、インド企業の資本となりながらも英国の企業としての位置付けを明確にし伝統を継承している。しかしMGブランドは、ベーシックな量産モデルとしての可能性も高かったことから量販車種としての展開に用いられた。一定の成功は得たものの、伝統的なブランド展開の戦略としては必ずしもうまく行っていない部分がある。

ここのところ上海ショーなどを中心に行われるMGブランドのコンセプトカーは、ブランディングの模索でもあるようだ。その中でも今回のサイバースターは、EV化とともに大きく進化、変革するであろうマーケットのなかでは新たな突破口となりうるのではないだろうか。

しかしあらたなMGブランドの認識がないまま、革新的なプロポーションを披露するのは得策ではない。むしろ伝統とそこからの進化を表現することが重要なのだと思う。そのための、伝統的なプロポーションによる表現となった……というように見える。

低いノーズは、これまでのMGでは実現できなかったフォルム。

デザイン全体を見ると、伸びやかさはこれまでのMG以上で、フロントの低いノーズはスーパースポーツの域にもある。しかし、その下にワイドなグリルを採用することによって、MGらしさを表現している。ヘッドライトはボディ色のカバーに覆われるが、マジックアイと呼ばれヘッドライトをONにすると、カバーが開くという。
かつて低空気抵抗を狙ってリトラクタブルヘッドライトが流行したが、異形ヘッドライトの採用によってその必要はなくなってしまった。しかし、リトラクタブルの持つ儀式的神々しさを忘れられない人も多いと思うが、その儀式的な所作を具現化したものとして、その心意気を感じる。

レンダリングによるサイドビュー。特徴は高さのピークがウインドシールドの付け根あたりにあること。

またこのサイバースターが、長さを強調するだけでなく非常に塊感の強い、マッシブな印象に見えるのはサイドビューの作り方に特徴があるためだ。通常、これまでのスポーツカーはデザイン上の高さのピークをフロントタイヤあたりに持って来るのだが、このモデルはウインドシールドの付け根くらいがピークになっている。そのためにロングノーズであっても、先端に向かってノーズが徐々に下がっていく、中央に重さが凝縮した表現となっている。そのためにFRプロポーションながらも、長く見えるというよりマッシブに見えるのだと思う。これはノーズ周りにエンジンが干渉せずに、先端を思い切り下げられるEVならではのレイアウトが生んだフォルムとも言えそうだ。

センタークラスターとダッシュボードは構造部材でもあるようだ。
ゼログラビティシートにフローティングヘッドレストをセット。
左右独立したロールバーも特徴だ。

MGとしてハイエンドのスポーツ系コンセプトカーはよく登場するが、なかなかベストな量産モデルに結びついていないのが現状。
このモデルの登場と、新たなEV戦略の中で是非とも本来のMGらしいスポーツカーの登場も期待したいところだ。

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