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ベスパなのに!? メーターが超ハイテク、エンジンも最新!|GTSスーパーテック300インプレッション

  • 2021/06/04
  • MotorFan編集部 栗栖国安
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GTSスーパーテック300はベスパ史上最強で最高のパフォーマンスを発揮するスポーツモデルである。スチールモノコックボディや片持ちリンクアーム油圧式フロントサスペンションなどベスパ伝統のスタイルを堅持しながら、新型エンジン、最新の電子制御システムを導入し、さらなる高みを目指したミドルスクーターなのだ。
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

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Vespa GTS SuperTech 300……770,000円

軽快なハンドリングがエンジンポテンシャルを引き出す

主要諸元

Vespa GTS SuperTech 300……770,000円

軽快なハンドリングがエンジンポテンシャルを引き出す

 モダンでレトロなスタイリングはもちろんボディサイズもほとんどGTSスーパー150と変わりません。150㏄クラスのスクーターとしては少しばかり大柄で重量もあるほうですが、これが300㏄クラスとなると話はちがってきます。国内販売されている国産スクーターに現在、300㏄クラスがないので比較しにくいのですが、250㏄スクーターと比べてみると、ボディサイズはコンパクトで160㎏の車重も、日本製250スクーターのホンダ・フォルツァより26㎏、ヤマハXMAXより19㎏も軽量なのです。軽量・コンパクトなボディに300㏄(正確には278㏄)エンジンを搭載しているのですから、走りの良さは想像に難くありません。

 スチールモノコック構造のがっちりしたボディに乗車すると、レッグシールドがあることも加味されて、安心感に包まれます。ポジションもシートに跨るというより、腰かけるといったスタイルなので、気合いを入れて走るのではなく優雅にクルージングするほうが似合います。シートは座面がワイドで適度に硬質なクッションが快適な座り心地を提供してくれますし、足元が広いフロアボードはリラックスできる足置きを実現してくれます。直立する上体と相まって、ゆったりと快適なツーリングを楽しむことができそうです。

 ベスパの最高峰スポーツモデルであるそんなGTSスーパーテック300ですが、搭載するエンジンは新設計の水冷SOHC4バルブ単気筒で、これは300HPE(ハイ・パフォーマンス・エンジン)として呼ばれる最新型です。

 スペックを見てみると、日本製250㏄スクーターに比べて最高出力、最大トルクともにわずかに上回る性能を実現しているのですが、それだけじゃなく、最大トルクの発生回転が5250rpmとなっています。つまり実用速度域で力強いエンジン特性となっているわけです。一方の最高出力に関しては、8250rpmで発生する高回転型。低中速の太いトルクで加速し、そこから伸びのあるエンジン特性でさらにスピードアップするという、スポーツモデルにふさわしいパフォーマンスを発揮するエンジンとなっているのです。

 今回は住宅地と郊外の一般道を走行してみたのですが、スタートした瞬間から強大なパワーを発生するというタイプではなく、たしかなトルクでリニアに加速していく特性でした。アクセルコントロールに対する反応がダイレクトで、加速、減速が自在にできるという感覚です。これならおそらく、高速道路本線への進入もスピーディに安心してできると思いました。一方、住宅街を低速で走る際にも、太いトルクで安定して走行できました。これにはスチールモノコックボディによる安定性の高さも貢献しているはずです。

 日本製250㏄スクーターに比べても軽量・コンパクトだと先述していますが、ハンドリングにもそれが良く表現されていて、実に素直で軽快な特性となっています。150のほうは直進性が勝っていた感じで、バンク初期に旋回がしにくい傾向がありましたが、300にはそれがまったくありません。本当に扱いやすいハンドリングを実現しています。そしてハンドリングが軽快だから、トルクフルなエンジン特性も生きて、コーナーの立ち上がり加速が実に気持ちがいいのです。スクーターなのについついペースが上がってしまいそうになるほどです。

 前後ディスクブレーキに装備されたABSもそうですが、さらにホイールスピンを防止するASR電子トラクションコントロールも装備しています。これらの電子制御システムがエンジンパフォーマンスを効率よく発揮させ、また高い安全性にも貢献しているのです。
 300は日本国内では小型二輪に分類され、車検が必要になってくるというところがマイナス材料ですが、日常使用はもちろん、ツーリングをメインに乗りたいというライダーには最適な1台となると思います。

300クラスとしては軽量・コンパクトなボディなので、取り回しも含めて気を遣わずに乗車できる
790㎜のシート高は、平均的な体格の人が両足のつま先を着けられる足つき性だ
ステップスルータイプは乗り降りがしやすく、足元が広いのが特色
足を下ろしたときにステップボードの縁に足が当たることもあるが、想像するほどじゃまにはならない
278㏄の排気量が与えられた水冷SOHC4バルブ単気筒の新型エンジン300HPE。太い低中速トルクと優れた高回転特性を両立させている
丸型ヘッドライトがベスパ伝統のクラシカルなイメージを表現。光源はLEDだ
フラッシュサーフェスデザインのテールランプもLEDを採用
片持ちリンクアーム油圧式フロントサスペンション。イエローのスプリングがスポーティだ。ブレーキディスクはΦ220㎜ローターを装備。タイヤは120/70-12を装着
4段階スプリングプリロード調整機構付きツインショックアブソーバーを採用したリアサスペンション。ブレーキはフロント同様Φ220㎜ディスク。タイヤは130/70-12
フラットで十分なスペースが確保されたステップボード
リアステップは収納式で、パッセンジャーに快適な居住性を提供する
シートステッチにもイエローを使用。タンデムも考慮したシート形状としている
シート下は荷物の収納に重宝するトランク。容量はそれほど大きくないが、ツーリングでは利便性を発揮する
レッグシールド内側にはフロントトランクが装備。内部にはUSBソケットが装備してあるので、スマホの充電も安心だ
レッグシールド中央部にはフックを装備している
フルカバードタイプのハンドルがクラシックスタイルを表現
4.3インチサイズのフルカラーTFT液晶を使用したフルデジタルメーターを採用。いかにも現代的で、表示機能も多彩だ

主要諸元

全長 / 全幅:1,950mm / 755mm
ホイールベース:1,375mm
シート高:790mm
燃料タンク容量:8.5L
車両重量:160Kg

エンジン:HPE 4 ストローク水冷単気筒 SOHC 4 バルブ
総排気量:278cc
ボア×ストローク:75 mm × 63 mm
最高出力:23.8HP(17.5 kW) /8,250 rpm
最大トルク:26 Nm/ 5,250 rpm
燃料供給方式:電子制御式燃料噴射システム
トランスミッション:無段階オートマチック (CVT)
クラッチ:自動無段階変速

フレーム:スチールモノコック
サスペンション(前):片持ちリンクアーム油圧式サスペンション
サスペンション(後):4 段階スプリングプリロード調整機構付きツインショックアブソーバー
ブレーキ(前):油圧式 220mm ステンレススチール製ディスク ABS
ブレーキ(後):油圧式 220mm ステンレススチール製ディスク ABS
タイヤ(前):120/70-12"
タイヤ(後):130/70-12"
生産国:ベトナム

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