免許は普通自動車、3人乗りのトライアンフ。サイドカー側の車輪も駆動する“デュアルドライブサイドカー”|大阪・東京モーターサイクルショー2023

市販車をベースにサイドカー&トライクを専門に製造・販売する「サクマエンジニアリング(本社:茨城県常総市)」が手掛けた、トライアンフ・ボンネビルT120のサイドカー仕様。同車は一見普通のサイドカーだが、実は側車輪を駆動する「ドライブシャフト」と、コーナリング時に左右の車輪に等しい駆動力を伝えながら回転差を補正し、スムーズな走行を可能にする四輪車やトライクの常識である「差動装置(デファレンシャルギア)」を導入。この仕様はデュアルドライブサイドカーと呼ばれ、フロント1輪・リア2輪のトライクと同様、普通自動車免許で運転可能だ。
PHOTO/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
サクマエンジニアリング http://www.sakuma-engineering.co.jp/

サクマエンジニアリング トライアンフ+オリジナル デュアルドライブサイドカー……347万9500円(消費税込み) ※改造費込み/予備検渡しの金額

一見普通のサイドカーに思えるが、サイドカー側の車輪も駆動するという構造を採用。
水冷4ストローク2気筒SOHC 4バルブ1190ccエンジンを搭載したトライアンフ・ボンネビルT120(2017年式)をベースに、オリジナルのデュアルドライブサイドカー仕様にカスタマイズ。
ボディサイズは全長2270mm×全幅1780mm×全高1300mm。重量は390kg(ノーマルは237kg)。乗車定員はバイク側2名+サイドカー側1名の合計3名。
サイドカー側の車輪の駆動に加え、コーナリング時、左右の車輪に等しい駆動力を伝えながら回転差を補い、スムーズな走行を可能にする「差動装置(デファレンシャルギア)」を導入。
「デュアルドライブサイドカー」はサイドカー側の車輪の駆動がない、通常のサイドカーよりも扱いやすく、乗りやすさを向上しているのがポイント。

“デュアルドライブサイドカー”はココが良い!側車輪を駆動する「ドライブシャフト」と「差動装置」を導入

往年の名車「ボンネビル」を彷彿させるシルエットとスタイルに、高級感溢れるモダンなテイストを盛り込んだ英国の人気ロングセラーモデル「トライアンフ・ボンネビルT120」。同車をベースに、画期的な“デュアルドライブサイドカー”を装備したのが、写真の「トライアンフ+オリジナル デュアルドライブサイドカー」。

同車は一見、普通のサイドカーに思えるが……サイドカー側の車輪も駆動する、デュアルドライブシステムを採用しているのが大きなポイントだ。

これに加え、コーナリング時、左右の車輪に等しい駆動力を伝えながら回転差を補正し、スムーズな走行を可能にする、四輪車やトライクの常識である「差動装置(デファレンシャルギア)」を導入。通常のサイドカーよりも扱いやすく、乗りやすさを向上している。

「差動装置(デファレンシャルギア)」はフロント1輪・リア2輪のトライクと同様、内輪差が生まれるコーナリング時に、“2つの後輪”が違和感なく回転する定番のシステム。

写真のカスタムモデル「トライアンフ+オリジナル デュアルドライブサイドカー」は構造上、バイク本体側との取り外しができないのが特徴。そのため、法律上はバイクではなくトライクや自動車と見なされるため、バイクの運転免許ではなく、普通自動車免許が必要となる。

側車輪を駆動する「ドライブシャフト」と「差動装置」をチェック

バイクの後輪側に接続された軸と、サイドカー側の車輪の軸の中間に設置された「差動装置(デファレンシャルギア)」。左右の車輪に等しい駆動力を伝えながら回転差を補い、スムーズな走行を可能にするこの機構は四輪車やトライクにも採用。
バイク側の後輪の回転によって駆動するサイドカーの車輪には、ディスクブレーキも装着・連動。
サイドカー側の車輪にはショックアブソーバー付きのサスペンションシステムを導入し、サイドカー側の乗り心地を向上。
ホイールはバイク側と同じスポークタイプ。サイドカー側のホイール&タイヤのサイズは、バイク側のリアホイール&リアタイヤと同寸。

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