KLX230Sは2022年2月に登場。ベースとなったKLX230のローダウンバージョンとして足付き性の良さが追及され、ビギナーや小柄なライダーにもオフロードライディングへ気軽に誘う魅力を披露。今回はその内容が大きく一新された2025年最新モデルに試乗した。
REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●川島秀俊(KAWASHIMA Hidetoshi)/ 山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力⚫️株式会社 カワサキモータースジャパン
ディタール解説
LEDを採用しコンパクト化されたヘッドランプまわり。全体的にバランスのとれたスマートなフォルムが印象的。なかなかスタイリッシュな仕上がりだ。
黒いリムを採用したスポークホイールには21インチサイズのIRC製タイヤを装着。φ265mmのシングルディスクローターにはデュアルピストンのピンスライド式油圧キャリパーを採用。正立式フロントフォークはφ37mmだ。
シンプルなメカニズムが魅力的。空冷OHC 2バルブの単気筒エンジンは、スクエアに近いショートストロークタイプ。排気量は232ccだ。
エンジン右脇からフレームの内側を通るエキゾーストパイプは、高く跳ね上げられた右側のマフラーに導かれる。
アルミ製スイングアームの採用で1.2kgの軽量化を達成。ボトムリンク式のニューユニトラックサスペンションが採用されている。
φ200mmのシングルディスクローターに1ピストンのピンスライド式油圧キャリパーを採用。リザーバータンク一体型の細身なブレーキマスターシリンダーを採用し100gの軽量化を実現している。
ブリッヂ付きパイプバーのアップハンドルを採用。先代モデルより左右グリップ位置は高く前方寄りにセットされた。ハンドルスイッチはシンプル。オーソドックスなレイアウトで扱いやすい。右のスイッチは赤いエンジンキルスイッチと黒いセルスタータースイッチ。
下から順にホーン、ウインカー、ディマースイッチ。右の赤いボタンは停車時に操作できるABSオフスイッチ。
デジタル表示のスピードメーターの他、様々の情報を表示。オド表示はトリップA/Bに切替え可能。6ブロックが積み重なる燃料計は表示が一つになると警告灯が点滅。その時の残量めやすは2.3Lだ。
足つき性と快適性、そして操縦のしやすさを熟慮して新設計されたシート。なおKLX230のシートは、ウレタン厚を従来比で6mmプラスされている。
左右ウインカーも一新され、左右への張り出しが少なくなったのが嬉しいポイント。
全体的にシュッと、より細身に仕上げられているのが印象深い。
主要諸元
・形式:8BK-LX232C
・全長×全幅×全高(mm):2,080×845×1,140
・軸間距離(mm):1,365
・最低地上高(mm):240
・シート高(mm):845
・車両重量(kg):133
・エンジン:空冷4ストローク単気筒
・バルブ形式:SOHC2バルブ
・総排気量:232cc
・内径×行程(mm):67.0×66.0
・圧縮比:9.4:1
・最高出力(kW/rpm):13(18PS)/8,000
・最大トルク(Nm/rpm):19(1.9kgf・m)/6,400
・燃料供給方式:燃料噴射式(スロットルボディφ32mm)
・点火方式:フルトランジスタ
・始動方式:エレクトリックスターター
・バッテリー:12V 6Ah(10HR)
・潤滑方式:圧送式ウェットサンプ
・エンジンオイル容量(L):1.3
・クラッチ形式:湿式多板
・トランスミッション形式:常時噛合式6段リターン
・一次減速比:2.870(89/31)
・ギア比
1速:3,000(39/13)
2速:2,066(31/15)
3速:1,555(28/18)
4速:1,260(29/23)
5速:1,040(26/25)
6速:0,851(23/27)
・二次減速比:3,214(45/14)
・駆動方式:チェーン
・フレーム形式:セミダブルクレール
・懸架方式(前/後):テレスコピック(インナーチューブφ37mm)/スイングアーム(ニューユニトラック・プリロード調節可)
・ホイールトラベル(mm、前/後):200 / 223
・タイヤサイズ(前/後):2.75-21 45P/4.10-18 59P
・リムサイズ(前/後):21×1.60 / 18×1.85
・ブレーキ形式(前/後):シングルペタルディスクφ265mm/シングルペタルディスクφ220mm
・キャスター(度)/トレール(mm):24.6/96
・ステアリングアングル(度・左/右):45/45
・使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
・燃料タンク容量(L):7.6
・乗車定員:2名
・ 燃料消費率(km/L):45.5(60km/h・定地値、2名乗車時)/34.7(WMTCモード値、1名乗車時)
・最小回転半径:2.1m
・生産国:インドネシア共和国
悪路の連続でもかなり良いペースを維持して楽に走り続けることができる。
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