“BMC湿式エアフィルター”の速さの秘密! 乾式よりも優れた透過性、ろ過性、保持性を維持。四輪用&二輪用あり【東京オートサロン2025】

BMCのエアフィルターは「湿式(あるいは油式)」と呼ばれ、不純物の捕捉力にとても優れているのが特徴。浸透させたオイルが数ミクロン単位の不純物を捉える一方で、特殊な多層コットンでできたフィルターが大量の空気をエンジンに向けて送り込む。
排気系のマフラー交換と同じく人気の高いチューニング術が、エアフィルターを交換してスムーズな空気の流入を実現し、パワーアップを狙う吸気系カスタム。イタリアの名門・BMCがリリースする超高性能なエアフィルターを例に、乾式の純正エアフィルターと、湿式のスポーツ型エアフィルターの違いや特性をレポートしよう。
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)/北 秀昭(KITA Hideaki)
ILLUSTRATION/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
BMCエアフィルター https://www.bmcairfilters.com/

エアフィルター交換は吸気系チューンの基本!

バイクやクルマのチューニングの定番ともいえる吸気系のフィルター交換。スムーズな吸気を実現する高性能フィルターに変更することで、エンジン内に混合気を供給するフューエルインジェクション(もしくはキャブレター)の空気の吸入量を効率良く増加。結果的にパワーアップへとつなげる、吸気系チューンの基本ともいうべき手法だ。

フィルター交換による吸気系の基本的なチューニング方法としては、

1:純正のエアクリーナーボックスをそのまま使い、社外のフィルターに交換する

スポーツ度☆ 実用度☆☆☆

2:純正のエアクリーナーボックスを取り外し、社外のエアフィルターに交換する

スポーツ度☆☆ 実用度☆☆

番外編:純正のエアクリーナーボックスを取り外し、ダイレクトに空気を吸入させる社外のエアファンネルに交換する

スポーツ度☆☆☆ 実用度☆

ここではBMCがリリースする、実用性とスポーツ性を兼ね備えた超高性能エアフィルターを例に、純正エアフィルターとスポーツ型エアフィルターの違いや特徴をリサーチしてみた。

イタリアが生んだ吸気系パーツの名門・BMCとは?

東京オートサロン2025のBMCブース。

エアフィルターは様々なメーカーから各種タイプがリリース。ビギナーの中には、「どれを選べばいいか分からない」という人もいるはず。

写真はフェラーリやランボルギーニ、ポルシェも純正品として採用。またバイクレースの最高峰「MotoGP」や自動車レースの最高峰「F1」や「WRC」などレース専用車両にも導入されている、「BMC(Bologna Motor Company)」のエアフィルター。情熱的でアグレッシブなレッドカラーの外観が特徴だ。

イタリアに本社を置くBMCは、自動車製品の輸入会社として1973年に誕生。1976年にはTT1チャンピオンシップ1000クラス(現在のスーパーバイク)のレース用バイクを製作。またバイク用エアフィルターの製造販売も手掛けていたが、その革新的な技術と高いクオリティが二輪業界で評価され、やがて四輪車市場にも進出。

同社は1995年、イタリアの名門・フェラーリからF1マシン用エアフィルターの製作依頼を受け、数々の高いハードルをクリアした末に成功。これによりエアフィルターの分野では無名だったBMCの名は、一躍有名になった。

その後はカーボンを使用したインテークシステムの開発を手掛けるなど、現在では世界的な吸気系パーツの座を不動のものしている。

●BMCエアフィルター https://www.bmcairfilters.com/

BMCのブースには2024年スーパーGT・GT300クラスの参戦車両「No.87 METALIVE S Lamborghini GT3(ウラカンGT3 EVO2)」が展示。同車にはBMCのエアフィルターが装着済み。高い吸気効率と、高い集塵能力の両立こそBMCエアフィルターの最大の魅力。

「湿式タイプ」を採用したBMCのエアフィルターは吸入抵抗を最小限に留め、最大限の空気の通過量を維持

イタリアンレッドに統一されたBMCのエアフィルターは、愛車のポテンシャルを引き出すだけでなく、吸気系周りにも特別なアクセントを寄与。

一般的に純正エアフィルターの多くが、低コストな「乾式タイプ」を採用。一方、BMCのエアフィルターは「湿式タイプ」を採用。この湿式タイプは、コットン製のガーゼをメインに使用した多層式構造に専用オイルを塗布することで、乾式タイプよりも優れた透過性、ろ過性、保持性を維持。

ところでオイルを塗布した湿式タイプは、なぜ乾式タイプよりも高性能になるのか? 一般的にエアフィルターは、異物(ゴミ)の進入を防ぐことを重視し過ぎると、吸入効率が悪化する。しかしBMC製は……

ホコリやゴム、金属粉等の小さな異物は、基本的にマイナスの電荷を帯びている。なおBMC製ではメイン素材であるコットンが、プラスの電荷を保持。異物はオイルを塗布したフィルターを通過しようとする際、プラスの電荷を持ったコットンによって確実に捉えることができる。

この時捉えた異物は、オイルが塗布されたコットン繊維の強力な保持性によりしっかりと留まり続けるため、空気の流れと通過を妨げることはない。こうしてBMCフィルターは様々な異物を防ぎつつも、吸入抵抗を最小限に留め、最大限の空気の通過量が維持できるのだ。

BMCのエアフィルターはココがポイント!

BMCエアフィルターのポイントは、下記の①②③。乾式タイプを超えた高いフィルター性能、また低いエアフローレジスタンスを発揮する。

透過性......フィルターを通しどれだけ多くの空気を通過させられるか
②ろ過性......空気とともに吸われる異物を通さず、キレイな空気のみを通す
③保持性......フィルターで捉えた異物を捉えたまま離さず、空気の流れを妨げない

上記の①②③を実現させることで、

A:優れたエアフローを確保し、エンジンの吸気効率を大幅にアップ。これによりエンジン特性も向上する
B:ホコリやゴミを確実に除去し、エンジンの寿命を延ばす

もしもエアフィルターが汚れてきた場合、純正品ならば新品への交換が基本。しかしBMC製は、洗浄とメンテナンスが可能なため、長期間使用可能でランニングコストも抑制。使い捨てフィルターとは異なり、廃棄物の削減にも貢献している。

BMCのエアフィルターは、純正のエアフィルターと組み替えるだけの純正形状タイプ、フューエルインジェクターの吸気孔に直接接続・固定するコニカルフィルター、カーボンのボックスを用いた本格的なエアボックス等々、各種あり。

スズキ・ジムニー用OTAキット(中央)
トヨタ・ヤリス用
写真左)ニッサン・GT-R用 写真右)ニッサン・フェアレディZ用
ポルシェ・911用
フェラーリ・SF90用
アウディ・A4用

四輪用・二輪用ともに幅広くラインナップ

上記のエアフィルターは四輪用のみだが、バイクレースの最高峰・MotoGPマシンにも採用されるBMCのエアフィルターは、国内のホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキ、海外のドゥカティ・BMW・KTM等々、二輪用も幅広くラインナップ。
※クルマ用&バイク用のラインナップは下記サイトで要確認

エアフィルターは汚れや経年劣化が進みやすい消耗部品。交換時は性能アップが期待できるBMCのエアフィルターをチェックしてみるべし!

●BMCエアフィルター https://www.bmcairfilters.com/

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