バイク好きが今注目しているのは中国製エンジン !? CF MOTO/KOVE/ロンシン【EICMA2024】

2024年11月5日(火)〜10日(金)まで、イタリア・ミラノで開催されたEICMA(エイクマ)/ミラノ国際モーターサイクルショー。欧州や北米に積極的に進出し存在感を高める中国ブランドだが、そのベースには高い開発能力にあり、いまや欧州ブランドのモノ造りをも支えている。ここではその象徴とも言える、中国ブランドが開発した多彩なエンジンを紹介する
PHOTO/REPORT●河野正士 (TADASHI KONO)

CF MOTOが発表したV型4気筒のコンセプトエンジンは、大いに話題となった。CF MOTOはKTMとジョイントベンチャーを起ち上げ、中国におけるKTMブランドの販売を請け負うと同時に、両社の車両を製造する工場を中国で稼働。エンジンを含むバイク開発の知識や技術を共有し、新規車両開発を行っている。事実、KTMやハスクバーナの並列2気筒エンジンはCF MOTO製で、モデルによっては車体組立もCF MOTOが担当している。そんなブランドが造り上げた排気量1000ccのV型4気筒エンジンは、話題となって当然だ。

↑排気量1000cc挟角90度V型4気筒でカウンターローテーティングクランクシャフト(逆回転クランクシャフト)を採用。エンジン単体で61.5kg、154kW@14,500rpm、114Nm@12,500rpmを発揮
↑「V.04」と名付けられたCF MOTOのコンセプトエンジン。

スーパースポーツ300世界選手権や、ダカールをはじめとするラリーにおいて存在感を高めているKOVE(コーヴェ)も、市販車に搭載している多彩なエンジンを単体で展示していた。小排気量スポーツモデルや競争力の高いラリーのホモロゲーションモデルには高性能な単気筒エンジンを搭載しているが、大型アドベンチャーモデル用の並列2気筒エンジンのほか、中間排気量のスーパースポーツや、それとプラットフォームを共有するストリートファイターのために並列4気筒エンジンも開発している。

↑KOVEのエンジンラインナップ。最高出力44.7kw/9500rpm、最大トルク50Nm/7500rpmを発揮する排気量449.9cc単気筒DOCHエンジン。最高出力52kw/13000rpm、最大トルク39Nm/9000rpmを発揮する排気量442.9cc並列4気筒DOCHエンジン。最高出力32kw/11000rpm、最大トルク32Nm/9000rpmを発揮する排気量344cc並列2気筒DOCHエンジンを展示した

Loncine(ロンシン)はVOGE(ヴォージ)というモデル群を欧州向けブランドとして独立させ、アドベンチャーからスーパースポーツまで、さまざまなモデルを展開している。LoncineはBMW Motorradの並列2気筒エンジンシリーズ/Fシリーズのエンジンを長く開発および製造してきた実績も持っている。

↑KEN460と名付けられた並列4気筒エンジン。Loncineはすでに、KEN660と名付けた排気量662.8ccの並列4気筒エンジンを搭載したスーパースポーツモデル「RS660S」をリリースしている。排気量を下げたKEN460エンジンは、インドや東南アジアの市場を見据えた新型車に搭載するのではないかと考える
↑KEL800と名付けられた並列2気筒エンジン。Loncine はBMWのFシリーズエンジンを長く開発製造してきたことから、そこで得たノウハウがつぎ込まれていることは容易に想像できる

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河野 正士

河野 正士/コウノ タダシ
二輪専門誌の編集スタッフとして従事した後フリーランスに。その後は様々な二…