ZX-25Rもいいけれど! マイナーチェンジで進化した、ホンダCBR250RR がなかなか侮れない。

9月18日に新発売されたCBR250RR。カラーリング変更を受けたマイナーチェンジモデルだが、デビューから約3年半を経て、エンジン出力の向上を始め大きな熟成進化で商品力を高めている。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●株式会社 ホンダモーターサイクルジャパン

※2020年10月17日に掲載した記事を再編集したものです。
価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

ホンダ・CBR250RR
眉毛のつり上がったライン発光ランプと左右にセパレートされたツインヘッドライト。写真はロービーム状態。ハイビーム時はさらに外側が追加点灯する。ウインカーも含め灯火類はLED式だ。
ホンダ・CBR250RR
φ37mmのSHOWA製倒立式フロントフォークを採用。ダンパーはあえて左側のみに組み込まれている。ブレーキは右側にフローティングマウントされたφ310mmシングルディスクにNISSIN製2ピストンのピンスライド式油圧キャリパーを装備。
ホンダ・CBR250RR
外観からはわからないが、エンジンは大きく刷新されている。新形状ピストンを採用。圧縮比は11.5から12.0に高められた。フリクションロスも低減。アシストスリッパークラッチが標準装備された。
ホンダ・CBR250RR
エンジンの熟成に合わせて吸排気系を刷新。デュアルテールパイプの右出しマフラーも内部構造が一新されている。ホンダ・CBR250RRエンジンの熟成に合わせて吸排気系を刷新。デュアルテールパイプの右出しマフラーも内部構造が一新されている。
ホンダ・CBR250RR
リヤサスペンションはGDC(重力鋳造)製法による左右非対称デザインのアルミスイングアームにプロリンクの組み合わせ。白いスプリングが採用されたモノショックは、5段階プリロード調節ができる。
ホンダ・CBR250RR
リヤブレーキはφ240mmのシングルディスク。ゴールドに塗られた油圧キャリパーはNISSIN製1ピストンのピンスライド式。同じくゴールドのキャストホイールは肉抜きされた7本スポークタイプだ。
ホンダ・CBR250RR
トップブリッジの下方にクリップオンされたセパレートハンドルの左側スイッチは、下からウインカー、ホーン、ディマー&パッシング。右の四角いボタンはラップタイム計測に使用。向こう側には人差し指で扱うライディングモード切り替えスイッチがある。
ホンダ・CBR250RR
ハンドル右側には赤いシーソー式スイッチがひとつ。上を押すとエンジンキルスイッチとして機能。下を押すと始動用セルモーターが働く。
ホンダ・CBR250RR
フルデジタルの液晶メーターを装備。回転計は250rpm毎にバーが積み重なるタイプ。レッドゾーンは14,000rpmから。多彩な情報表示の他ラップタイマー機能もある。メーター上部には5蓮LEDでシフトタイミングを知らせる回転インジケーターを搭載。タイミングは任意設定できる。
ホンダ・CBR250RR
レーサーレプリカ的な段付きセパレートシート。前席クッションは前方が絞られたデザインで座り心地と足つき性の良さが両立されている。
ホンダ・CBR250RR
ハンドグリップベルトの干渉で扱いやすさがスポイルされるのが残念だが、後席クッションは前方中央のキーロックを解除すると脱着できる。シート下は深みのあるスペースが確保されており、ETC機器等も楽に収納できる。
ホンダ・CBR250RR
試乗車にはオプションのクイックシフターが装備されていた。価格は25,300円に設定されている。
ホンダ・CBR250RR
2階建デザインが採用されたテールランプ。ライン状に光る上段のテールランプ、下段のストップランプは反射構造を利用して明るく輝く様に点灯する。細身のウインカーランプはライセンスプレートステーにマウントされている。
ホンダ・CBR250RR
乗車位置のくびれ具合が良くわかる。250ccモデルとは思えない程のボリューム感はなかなか立派。

主要諸元

車名・型式:ホンダ・2BK-MC51
全長(mm):2,065
全幅(mm):725
全高(mm):1,095
軸距(mm):1,390
最低地上高(mm):145
シート高(mm):790
車両重量(kg):168
乗車定員(人):2
燃料消費率(km/L):40.1(60km/h)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(km/L):27.1〈1名乗車時〉
最小回転半径(m):2.9
エンジン型式:MC51E
エンジン種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒
総排気量(㎤):249
内径×行程(mm):62.0×41.3
圧縮比:12.1
最高出力(kW[PS]/rpm):30[41]/13,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):25[2.5]/11,000
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式:セルフ式
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式:圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L):14
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式:常時噛合式6段リターン
変速比:
 1速 3.181
 2速 2.187
 3速 1.727
 4速 1.421
 5速 1.222
 6速 1.068
減速比(1次/2次):2.781/2.928
キャスター角(度):24° 30′
トレール量(mm):92
タイヤ(前/後):110/70R17M/C 54H / 140/70R17M/C 66H
ブレーキ形式(前/後):油圧式ディスク / 油圧式ディスク
懸架方式(前/後):テレスコピック式(倒立サス) / スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式:ダイヤモンド

試乗後の一言!

ホンダ・CBR250RR
近田茂
これぞ万能スーパースポーツ。ツーリングからサーキットまで痛快!

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…