スーパーカブ110で!|江の島丼目当てに江の島へ行ってみた。ゆるカブツーリング第5弾 藤沢市・江の島

神奈川の湘南にある江の島は日本を代表する観光地のひとつです。付近は海水浴場になっていることから夏はとくに多くの行楽客でにぎわいますが、最近は外国人客も増加し、四季を通じて大勢の観光客が訪れています。そんな江の島の食の名物のひとつが、サザエの卵とじ丼である『江の島丼』です。今回は名物の江の島丼を目当てに、立春を過ぎた江の島へツーリングしてみました。
江の島は神奈川県の湘南海岸を代表する観光地で、その名のとおり、相模湾に突き出した陸繋島です。島内には国指定重要文化財の江島神社をはじめ、江の島展望灯台のある植物園江の島サムエル・コッキング苑、江の島南西部の海食崖基部の断層線に沿って侵蝕が進んだ海蝕洞群の総称である岩屋など観光名所が豊富です。また飲食店や土産物屋が軒を連ねていて、とくに海産物土産や新鮮な海の幸が味わえる店が多いのが特色になっています。ここ数年はインバウンド客も多くなり、年間約2000万人の観光客が訪れています。
東京に生まれ育った僕にとっても江の島はなじみ深いところで、子供のころには毎年海水浴に来ていました。バイクに乗るようになってからも、初ツーリングで江の島、鎌倉をめぐりました。思い出がたくさん残る江の島へ今回、カブでツーリングすることにしました。立春を過ぎたとはいえまだまだ寒い日が続いていましたが、快晴に恵まれた日に下道を走りつないで行きました。
我が家から江の島までは50㎞ないのですが、途中の道はとにかく交通量が多くてけっこう時間がかかりました。朝ちょっと遅めのスタートだったのですが、江の島に到着したのは昼時でした。まあ江の島丼を食べるのが最大の目的なので結果オーライなのですが、2時間半も要してしまいました。それでも抜けるような青空と紺碧の海を目の当たりにすると、気分爽快になります。
江の島は陸繋島で、歩行者用の江の島弁天橋、車、バイク、自転車用の江の島大橋で陸と結ばれている
江の島は陸繋島ですが、島と陸側の片瀬海岸とは2本の橋で結ばれています。西側に架かっているのが歩行者用の江の島弁天橋、その東隣に並んであるのがクルマやバイク、自転車用の江の島大橋です。カブはもちろん江の島大橋を渡って島に入ります。この橋、休日には渋滞します。でも冬の平日ということできょうはスムーズでした。橋を渡った道は東京オリンピックの競技会場にもなったヨットハーバーの先で行き止まりになります。周辺にはクルマ用の有料駐車場がいくつかあるのですが、バイク用はとくにありません。実はバイクや自転車は小さな公園のような江の島西緑地駐輪スペースという場所に無料で止められるのです。ライダーにとっては実にありがたい観光地なのです。
車は有料駐車場だが、バイクは江の島西緑地駐輪スペースに無料で止められる
青銅の鳥居が出迎えてくれる江島神社の参道には多くの飲食店や土産物屋が軒を連ねています。いつものことながらこの参道は人であふれかえっていました。外国人観光客の姿も多くて、さまざまな言語が飛び交っている様子はちょっと異質な感じもしました。でもいまは全国各地の観光地が同じような状況で、オーバーツーリズムも問題になっています。
江の島はもっとも高いところでも標高60mほどなのですが、実際に島内を歩くとアップダウンが多くて意外と大変です。急な階段も多く年配者にはつらい道のりになります。ということで、今回は迷わず有料のエスカレーター『江の島エスカー』を利用することにしました。江の島エスカーは国内初の屋外エスカレーターとして1959年に登場しました。3区にかけて続いていて、高低差46mを4分ほどで上ることができます。料金は3区すべてを利用すると360円。エスカレーターはタダで利用できるのが当たり前なので「お金を払うなんてバカらしい!」と思う人が多いでしょう。僕も以前はそうでした。でも階段を上るのがきついお年頃になったので、お金に糸目を付けず利用した次第です。
江の島エスカーの1区には海をテーマにした「江の島LUMINOUS WAY」というプロジェクション映像が投影されていて、エスカレーターにボーっと乗っているだけで目を楽しませてくれます。さすが観光地です。
1区目を上ったところには江島神社辺津宮があります。参拝する人の列ができていたので、そそくさと2区のエスカー乗り場に向かいました。2区目を上りきると江島神社中津宮です。朱色のお堂が目に鮮やかです。そして最後の3区目を上りきると頂上の江の島サムエル・コッキング苑に着きます。苑内には灯台のシーキャンドルが存在感を示していて、多くの観光客が展望台からの眺望を楽しんでいました。僕は料金のかからない亀ヶ岡広場の展望台からの眺めを満喫しました。幸い天候に恵まれたので伊豆大島や富士山を遠望することができて大満足でした。
江島神社の参道には土産物屋や飲食店が軒を連ねていて、大勢の観光客で賑わっている
朱の鳥居からはいよいよ上りとなる
瑞心門は竜宮城を模した楼門
瑞心門のすぐ脇に江の島エスカー1区の乗り場がある
1区のエスカー内にはプロジェクション映像が投影されている
江島神社の神域でもっとも下にある辺津宮は、エスカー1区の降り場からすぐ
エスカー2区乗り場
エスカー3区乗り場
江の島の頂上にある植物園、サムエル・コッキング苑
展望台からは伊豆大島を望む
ちょっと見えづらいが、富士山も眺められる
サムエル・コッキング苑内に建つ灯台、江の島シーキャンドル
島内の何軒かの海鮮飲食店で提供されている江の島丼。サザエの卵とじ丼で、江の島の名物料理のひとつになっている
江の島には日帰り温泉施設もある
ここから江島神社奥津宮や島の南側にある岩屋方面へは、おもに下りになります。「戻るときには上らなきゃいけないな~」と若干の憂鬱を抱きながら歩くこと数分、沿道に海鮮の店が点在してきます。そのうちの一軒の暖簾をくぐり、海を眺めながら名物の江の島丼を堪能しました。今回のゆるカブツーリングは、この江の島丼を食べるのが目的だったので、実現できてなによりでした。次に来るときはしらす丼を食べようと心に決めて、のんびりと休み休み駐輪場へと戻りました。せっかく来たんだから岩屋まで行けばいいのに、という意見もあるでしょうが、戻るときに急な階段をいくつも上るはめになるので、体力の消耗を抑えるためにエスカーを使った意味がなくなってしまいます。
 ということで、自分なりの江の島観光を満喫したゆるカブツーリングでした。走行距離:98㎞ 使用ガソリン:1.8L 支出金額は約1900円でした。

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著者プロフィール

栗栖国安 近影

栗栖国安

TV局や新聞社のプレスライダー、メーカー広告のモデルライダー経験を持つバイクジャーナリスト。およそ40…