目次
丸一日たっぷり楽しめる! 歴史と空港の街・成田ならではのツーリングコース


「千葉県成田市(なりたし)」と聞き、皆さんは何を連想しますか? 成田国際空港、成田山、成田の鰻(うなぎ)等々ありますが…まずはバイクとは切っても切れない道路(ストリート)のお話から。
成田市のメインストリートとも呼べる「成田街道(なりたかいどう)」は、成田市の名所中の名所、成田山新勝寺に続く、江戸時代に確立した歴史ある街道。水戸街道の新宿(にいじゅく)から分岐して、舟橋(現在の船橋市内)、佐倉藩(現在の佐倉市)を経由し、成田山新勝寺に至る主要道路として整備されました。
現在の成田街道は、国道296号線の千葉県船橋市前原西「中野木交差点」~千葉県印旛郡酒々井町本佐倉の「酒々井交差点」~国道51号線の酒々井町本佐倉「酒々井交差点」~千葉県成田市寺台の「寺台インター」までの区間。
かつて成田街道は成田山新勝寺へお参りに行く際の動線としても利用され、城下町として栄えた佐倉藩(佐倉市)の街道沿いには旅籠(はたご/旅人を宿泊させて食事を提供する宿泊施設)も存在。成田市に隣接する城下町の佐倉市には、現在でもその名残が色濃く残っています。
ここでは情緒溢れる成田市内観光と、成田空港から離陸&成田空港に着陸する航空機が思う存分堪能できる美しい公園。歴史・グルメ・飛行機の観察が丸一日たっぷりと楽しめる、成田市ならではのツーリングコースをご紹介しましょう。
関東屈指の初詣(はつもうで)スポット「成田山新勝寺」




1,080余年の歴史がある成田山新勝寺は、千葉県成田市内にある真言宗智山派の大本山。JR線「成田駅」と京成線「京成成田駅」から徒歩15分ほどの距離にあるこのお寺は、日本屈指の初詣スポットとしても知られ、正月三が日だけで毎年約300万人が参拝。
京成本線は大晦日に京成上野駅~京成成田駅間を終夜運転したり年末年始に運行ダイヤを増発するなど(年により異なる)、年末年始の一大行事となります。
真言宗智山派の大本山かつ、全国各地の不動尊信仰の総府でもある成田山新勝寺は、源頼朝、水戸光圀、歴代の市川團十郎(歌舞伎役者)など多くの人物が信仰したことでも有名。“成田山”という名の通り山間部の傾斜地にあり、坂や石段の多い境内には、歴史ある貴重な建造物が各所に建立。お寺好きや歴史好きにはたまらない、魅力溢れるスポットとなっています。
成田山新勝寺では毎年2月2日の節分に「成田山節分会」を開催。 節分会は大相撲力士やNHK大河ドラマ出演の人気俳優陣など様々な著名人が、大本堂の正面に設置された特設舞台から豆まきに興じることでも有名。この模様は毎年テレビのニュースでも放映されるので、記憶にある人も多いはず。
成田山新勝寺の境内には、東京ドーム約3.5個分(16万5,000m2)の広大な「成田山公園」が整備されており、梅・桜・藤・菊・紅葉など四季折々の姿も鑑賞可能。公園内各所には松尾芭蕉や高浜虚子など著名な文人たちの句碑もあり、先人の足跡を感じることができます。
大本堂内では僧侶による読経や巨大太鼓打ち、お焚き上げなども行われるなど、あらゆるところに寺院独特の空気感と和やかな時間が流れています。





老舗店の鰻(うなぎ)を堪能! 150店以上の飲食店や土産店が並ぶ「表参道」





JR成田駅前と京成成田駅~成田山新勝寺近くにかけて約800m続く「表参道」も成田市の名所。平日でも多くの観光客(特に外国人)で賑わっています。
細めの片側一方通行(駅側~成田山新勝寺側)で、一般のクルマやバイクも走行可能なこの通りは、江戸時代から門前町として栄え、今でも当時の名残を残した由緒ある風情が特徴。参道沿いには150店以上の飲食店や土産店がズラリと並び、名物の鰻(うなぎ)料理を始めとしたグルメや名産品がたっぷりと楽しめます。
筆者は20年ぶりに訪れましたが、通りは平日にも関わらず、インバウンドによる外国人観光客でいっぱい。また20年前とは異なり、スイーツなど“イマドキ”のお店が増えるなと、ややリゾート化が進行。
とはいえ地元の人が自転車に乗って買い物に来ていたり、下校時間に小中学生が普通に下校していたり。伝統を守りつつ、庶民の生活と観光業が上手く融合している街並みは、今も20年前も変わりなし。
成田空港駅~京成成田駅間は電車で約20分。上記スポットは、都心に向かう途中下車。また都心から空港までの途中下車で立ち寄る観光客も多数。特に外国人にとってこのエリアは、日本文化が肌で味わえ、摩訶不思議かつ東洋の神秘的な場所であることは間違いないようです。
成田山新勝寺も表参道も、素通りするにはもったいない場所。駐車場は成田山新勝寺の周辺にたくさんあるので(1日800円前後)、ぜひ立ち寄ってじっくりと散策してみてください!
【東京方面~成田駅のアクセス(一例)】 ・JR上野登場ライン「東京駅」~JR「我孫子駅」~JR常磐・成田線「成田駅」 ※乗車時間:約1時間30分/運賃:1,170円 ・京成本線「上野駅」~「京成成田駅」 ※乗車時間:約1時間20分/運賃:860円 |
【高速道路での成田市へのアクセス(一例)】 ・東関東自動車道~「冨里I.C」下車してクルマやバイクで約10分 |
鰻(うなぎ)はなぜ成田の名物になった?




印旛沼や利根川に挟まれた成田市内は、江戸時代から天然の鰻(うなぎ)が取れていた場所。鰻料理は成田街道をせっせと歩いて参拝に来た人々の疲れた体を癒すために振舞われたスタミナ源。
その名残は現在も残っており、表参道及び周辺には老舗の鰻専門店、また鰻重・うな丼・蒲焼きなどを提供する食事処が約20件あります。成田に行ったらちょっぴり(いや、かなり)奮発して、美味しい鰻を味わってみてください♪
成田山新勝寺や表参道をたっぷりと満喫したら、今度は成田空港の滑走路を離陸&着陸する巨大な飛行機を見に行きましょう。続きは「後編」をチェック!