目次
カスタム文化を称える「Honda Customs」が今年も始動

ホンダ・モーター・ヨーロッパが主催するカスタムバイクの祭典「Honda Customs 2025」が、今年もフランス・ビアリッツで開催された。欧州各国のディーラーやカスタムビルダーが手がけた11台の個性的なGB350Sカスタムマシンが一堂に会し、その造形美と創造力が観衆を魅了している。今年の主役は、クラシックと現代性を融合させた新型GB350S。ホンダが長年培ってきたモーターサイクル文化の粋が、この1台を起点に大胆に表現されている。
ヨーロッパ7カ国の精鋭が集結したラインアップ

今年の出展者はフランス、ドイツ、イタリア、ポルトガル、イギリス、スペイン、スイスの7カ国から集まった11のビルダーたち。スペインからはカフェレーサースタイルを貫いた「The Rocket Lion」や、60年代ロードレースを再現する「Clubman TT」などが登場。さらに、少女の名を冠した愛情あふれる「Miranda」や、80年代の名車MBX80を彷彿とさせる「MBX350」が観客の目を引いた。
イギリス勢からは、クラシックカフェレーサーの王道「Silver Bullet」や、フラットトラックに着想を得た「FTR350」が参加。スイスの「Swiss Wing」は航空機からインスピレーションを得たデザインで異彩を放つ。フランスからはアップサイクルの発想を取り入れた「Okira」、イタリアからは神道の武神・八幡をモチーフにした「Hachimaan」が登場。どのマシンも、GB350Sの持つシンプルかつ奥深い造形を新たな文脈で解釈し、オリジナリティを際立たせている。
オンラインでの人気投票と展示が恒例化

「Honda Customs」は2020年からスタートし、年を追うごとに注目度を増している。2024年にはhondacustoms.comの訪問者が2万5,500人を超え、前年比18%の増加を記録した。今年も会場展示に加え、公式サイト上でのオンライン投票が行われており、夏の終わりには最多得票を得た一台が「カスタム・オブ・ザ・イヤー」として表彰される予定。サイトではスマートフォンやPC用の壁紙もダウンロード可能で、カスタムマニアだけでなく幅広いユーザーに訴求している。
GB350Sがカスタムベースとして選ばれた理由

GB350Sは、空冷単気筒エンジンを搭載し、コンパクトで軽量なボディにクラシカルな外観を融合したモデル。扱いやすさとデザイン性の高さが評価されており、ヨーロッパのカスタムビルダーにとって理想的なベース車両とされている。イベントでは、同車の特徴を活かした多彩なカスタムが披露され、見る者に“シンプルであること”の美しさと、自由な発想の重要性を改めて印象づけた。
GB350Sを通じて、ホンダは「ライフスタイルとしてのモーターサイクル」を世界に発信している。過去と未来が交差するこの祭典で、カスタム文化の新たな一歩が踏み出された。最終的な勝者が誰になるのか、今夏の動向に注目が集まる。
画像ギャラリー










