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都市部ドライバーの多くが週に複数回遭遇 増えるキックボード利用者

株式会社ウェブクルーが運営する比較サイト「ズバット 車買取比較」が、自動車ドライバーを対象に電動キックボードに関する意識調査を実施した。調査対象は週に3日以上運転し、かつ電動キックボードを見かけた経験のある札幌、東京23区、名古屋、大阪、福岡の都市部在住の男女1088名。結果によると、53.4%が「週に複数回」電動キックボードの車道走行を目撃していると回答し、そのうち22.3%は「ほぼ毎日見かける」と答えており、都市部での電動キックボード普及が加速している様子がうかがえる。
しかし警察庁の統計によると、2024年9月までに電動キックボードの交通違反件数はすでに2万件を超えており、急増する利用者に対する法整備や安全教育の遅れが深刻な課題となっている。
約8割のドライバーが危険を感じた経験 最も多いのは「車間すり抜け」

調査では、車道で電動キックボードを見かけた経験のあるドライバーのうち、実に77.3%が「ヒヤリとしたり危険を感じたりした経験がある」と回答。その具体的な内容では、「車の間をすり抜けて走行していた」が69.1%で最多となり、次いで「路地から急に飛び出してきた」が53.4%、「信号無視していた」が48.6%となった。
さらに「逆走」「歩道と車道を繰り返し移動」「スマホ操作」「無灯火」など多様な危険行動が挙げられ、細いタイヤでフラフラと走行する姿や、急な進路変更に恐怖を感じるという声が数多く寄せられた。中には「追い越そうとしたら突然死角から現れてヒヤッとした」「暴走するように交差点を横切ってきた」など具体的なエピソードもあり、ドライバーにとってキックボードは見逃せないリスクとなっている。
6割以上が「突然の車線変更や進路変更」に不安 免許義務化を望む声多数

電動キックボードに対する不安要素として、最も多かったのは「車線変更や進路変更が突然起こる可能性がある」で64.3%。次いで「交通ルールを守っていないと感じる場面が多い」58.5%、「バランスを崩して転倒・接触するリスクがある」56.3%と続いた。小型で死角に入りやすい点や、ライトを点けていても夜間に見づらいといった声もあり、存在そのものが不安材料になっている。
こうした中、安全な共存のために「電動キックボードの利用には免許または講習を義務づけるべき」と回答したドライバーは57.8%と過半数を超えた。加えて「安全運転指導の義務化」52.9%、「違反への取り締まり強化」47.9%といった声も多く、法整備と運用面での強化を望む声が際立つ結果となった。
ドライバーが自衛的に心がける対策 「十分な間隔を取る」が最多

一方、調査ではドライバー自身が心がけている安全対策についても尋ねている。最も多かったのは「電動キックボードとの間隔を十分に取る」で72.7%。以下「速度を落とす」38.2%、「乗り手の体の向きや仕草から動きを予測する」35.8%と続いた。危険を避けるために積極的に距離を取り、慎重に運転している様子がうかがえる。
ただし「特に心がけていない」も6.1%おり、依然として認知の低さも一部には残っている。加えてドライバーからは「免許制度を原付並みに」「罰則強化や反則金制度をもっと徹底」「歩道走行と車道走行をきちんと区分けすべき」といった具体的な提案も寄せられており、今後の法規制やインフラ整備が強く求められる。
ウェブクルーの調査が映す今後の課題 安全共存へ必要な一歩

今回の調査を行ったウェブクルーは、全国328社が参加する車買取比較サイト「ズバット 車買取比較」を運営し、中古車流通のプラットフォームとしても知られる。調査は都市部ドライバー1088名を対象に2025年5月に実施され、男女比率は男性69.9%、女性30.1%、平均年齢47.4歳と幅広い層の声が集まった。
調査結果からは、急増する電動キックボードの利用に対して自動車ドライバーが高い不安を抱えている実態が明確となり、免許制度や交通ルール遵守の徹底、さらには専用レーン整備への要望が強く浮かび上がった。車と電動キックボードの安全な共存には、制度とインフラの両面から早急な整備が不可欠だ。今後こうした調査が交通政策の改善や利用者教育の後押しとなることが期待される。
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