リッターバイクよりも取り回しが容易で、しかもパワフルな600cc~800ccクラス

バイクの車重は扱いやすさの物差しです。”軽さ”で選ぶ、600cc~800ccクラスのバイク Best 5

大型自動二輪免許で運転できる600cc~800ccクラスは、普通自動二輪免許(~400ccまで)のステップアップとしても人気のカテゴリー。「普通自動二輪枠のモデル(~400ccまで)では味わえない、大型自動二輪ならではの加速力を味わいたい。でも1000cc超えのリッターバイクほどのパワーは不要」「高速道路などで余裕の走りを獲得したい」というライダーに人気。ここでは新車で入手できる、一般公道向けの国内600cc~800cc軽量モデル・上位5台をリサーチ。今も昔も、「軽さ」は最強スポーツの証し。600cc~800ccクラスで、もっとも軽いモデルとは?
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
※車両価格はすべて消費税10%込です
※車両の各数値はメーカーカタログより

400ccクラスを超越した存在感とパワーを発揮

 大型自動二輪免許で乗車できる600cc~800ccクラス。カウルを省いた軽快なネイキッドスポーツモデル、積載性や走破性に優れたアドベンチャー、サーキット走行に優れたカウル付きのスーパースポーツモデル、シティユースに最適なスクーター等々、様々なジャンルから選べるのが特徴。

 このクラスの特徴は、400ccクラスを遥かに凌ぐ、怒涛のパワーと存在感。また、リッターバイクに比べ、スリムで軽量な車体による機動性や扱いやすさの高さ。

 600cc~800ccクラスは、大型自動二輪ビギナーや、「リッターバイクほどの大パワーは必要ない」という人に最適。特に下記の軽量モデルは、「ヘビーなバイクを扱う自信がない。でもビッグバイクの楽しさを味わいたい」というユーザーにピッタリだ。

 とはいえ、下記のモデルは、列記としたオーバー400ccの大型自動二輪モデル。250ccクラスや400ccクラスを遥かに凌ぐ、ハイパワー&高トルクを発揮することをお忘れなく!

生粋のサーキット仕様からクルーザーまで!アトランダムに富んだ軽量モデルに注目

1位 ヤマハ MT-07 ABS 車両重量:184kg 排気量:688cc

81万4000円 パステルダークグレー(グレー)
ディープパープリッシュブルーメタリックC(ブルー)
シート高は805mmと一般的なレベル。前方は細くシェイプされているが、意外としっかりと幅の広いシートデザインもあって、両足べったりではない。ただ車重は183kgと軽量で、扱いは600cc程度のミドルクラス並の感触。足つき性にも不安は感じられない。ライダーの身長は170cm。PHOTO●山田俊輔

 走りの楽しさとストリートで映えるデザイン、優れたコストパフォーマンスを兼ね備えたヤマハのロードスポーツ、MT-07 ABS。リニアなレスポンス特性に磨きをかけたエンジンは、ライダーのスロットル操作に対しリニアなトルクを創り出す、「クロスプレーン・コンセプト」に基づいた、4気筒や3気筒よりも軽量な、水冷4ストローク直列2気筒・270度クランク採用の688cc。

 ボア×ストロークは、80.0mm×68.5mmのスポーティなショートストローク型。圧縮比は11.5:1とし、最高出力は73ps/8,750rpm、最大トルクは6.8kgf・m/6,500rpm発揮。力強さを追求したパワーやトルク値はもちろん、低速域でのリニアなレスポンス、粘り強いトルク特性を獲得することで、卓越した扱いやすさ、コントロール感を実現。頻繁なギアチェンジを繰り返すことなく、スロットルのオン・オフで爽快な走りを楽しめる。

 車体は軽量かつコンパクトだが、見た目は決して華奢ではなく、肉感的でマッチョな印象。軽量で軽やかな車体の扱いやすさは、まさに一級品のレベル。大型自動二輪ビギナーでも、親しみやすい1台に仕上がっている。

メーカーヤマハ発動機(YAMAHA)
モデル名ヤマハ MT-07 ABS
全長×全幅×全高2,085mm×780mm×1,105mm
軸間距離1,400mm
最低地上高140mm
シート高805mm
キャスター/トレール24°50′/90mm
最小回転半径
車両重量184kg
エンジン水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ
排気量688cc
最高出力54kW(73ps)/8,750rpm
最大トルク67N・m(6.8kgf・m)/6,500rpm
内径×行程80.0mm×68.5mm
圧縮比11.5 : 1
燃料タンク容量13L(無鉛レギュラーガソリン指定)
ミッション6速
燃料消費率・定地燃費値40.0km/L(60km/h)
燃料消費率・WMTCモード値24.6km/L
タイヤ(前後)前 120/70ZR17M/C (58W)(チューブレス)
後 180/55ZR17M/C (73W)(チューブレス)
ブレーキ(前後)前 油圧式ダブルディスクブレーキ
後 油圧式シングルディスクブレーキ
フレームダイヤモンド
価格814,000円
公式サイトヤマハ発動機(YAMAHA)公式サイト

関連ページ

2位 ヤマハ XSR700 ABS 車両重量:186kg 排気量:688cc

91万6300円 ラジカルホワイト(ホワイト)
1980年代に人気を博したスポーツモデルのイメージを再現したラジカルホワイト(ホワイト)。
写真のカラーはマットグレーメタリック3(マットグレー)
シート高は835mm とやや高めだが、スリムに仕上げられたシートデザインのおかげで、足つき性は悪くない。写真のライダーは身長約170 ㎝だが、若干膝にゆとりを持ちつつ、両足はピタリと地面を捉えることができた。写真のカラーは前モデル。PHOTO●山田俊輔

 ネオレトロをコンセプトに誕生したXSR700 ABSは、懐かしさが漂う外観、街中でもリラックス&カジュアルに楽しめる扱いやすさ、カスタマイズの可能性を想起させるボディを調和させた個性派モデル。同型の688ccエンジンを搭載したヤマハ MT-07 ABSと同様、軽量な車両重量で、スポーティかつ軽やかな走りを獲得している。

 同車のコンセプトであるネオレトロとは、「スーパースポーツ」「ネイキッド」といった従来のカテゴリーを超え、レトロな外観やその背景の物語性を秘めながらも、先進技術に基づくエキサイティングな走りを楽しめるモデルを指す。

 エンジンはMT-07 ABSにも搭載の、軽量な水冷4ストローク直列2気筒・DOHC4バルブ688cc。実用域で使用頻度が高い、回転域(3,000~6,500rpm)での粘り強いトルクを重視。特に4~6速使用時での粘り強い特性は、ギアレシオとの相乗効果により、扱いやすさ・楽しさ・コントロール感を実現。

 タンクサイドカバーに加え、ヘッドランプステー、ラジエターサイドカバー、フロントフェンダーステー、ハンドルなどには、カスタム度の高いアルミを採用。加えて新たにポジションランプを追加したヘッドランプ、メーター、テールランプ、マフラーエンドは、“サークル”という普遍的なモチーフを用い、それぞれの機能を独立したデザイン要素として表現している。

メーカーヤマハ発動機(YAMAHA)
モデル名ヤマハ XSR700 ABS
全長×全幅×全高2,075mm×820mm×1,130mm
軸間距離1,405mm
最低地上高140mm
シート高835mm
キャスター/トレール25°00′/90mm
最小回転半径
車両重量186kg
エンジン水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ
排気量688cc
最高出力54kW(73ps)/9,000rpm
最大トルク68N・m(6.9kgf・m)/6,500rpm
内径×行程80.0mm×68.5mm
圧縮比11.5 : 1
燃料タンク容量13L(無鉛レギュラーガソリン指定)
ミッション6速
燃料消費率・定地燃費値38.4km/L(60km/h)
燃料消費率・WMTCモード値23.9km/L
タイヤ(前後)前 120/70ZR17M/C (58W)(チューブレス)
後 180/55ZR17M/C (73W)(チューブレス)
ブレーキ(前後)前 油圧式ダブルディスクブレーキ
後 油圧式シングルディスクブレーキ
フレームダイヤモンド
価格916,300円
公式サイトヤマハ発動機(YAMAHA)公式サイト

関連ページ

3位 カワサキ Z650 車両重量:189kg 排気量:649cc

84万7000円 メタリックスパークブラック
写真のカラーは前モデル。
ツインチューブタイプのリヤフレームにより、シート高を790mmに抑え、優れた足つき性を実現。ライダーの身長は179cm。写真のカラーは前モデル。

 ヨーロッパでは650ccクラスが昔から人気。理由はリッターバイクに比べて価格が安く、それでいて十分な動力性能を持っているから。Z650は、KawasakiのスーパーネイキッドであるZシリーズに与えられた“Sugomi”パフォーマンスと“Sugomi”デザインを具現化したモデル。

 Z650は、従来モデルからのスリム・コンパクト・軽量なパッケージを継承。軽量化されたシャシーに、4気筒よりも部品点数が少なくて軽い、低中回転域で力強いトルクを生み出す、649ccのパラレルツインエンジン(水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ)を搭載。

 現行モデルはエンジンの改良により、中回転域におけるトルクの向上に加え、排出ガスのさらなる清浄化を達成。車体面では、よりシャープなスタイリング、また新採用のLEDヘッドライトや4.3インチTFTカラー液晶スクリーンを備えるインストゥルメントパネルが、新型Z650の存在感を高めている。

 フレームは重量15kgの高張力鋼を使用したトレリス型を採用。カワサキ独自の解析技術を用いたスイングアームは、単体重量を4.8kgに抑え、形状をスイングアームピポッドからリヤアクスルまでできる限り直線的にすることで、車体の軽快さとナチュラルなハンドリングに貢献。

メーカーカワサキモータースジャパン(Kawasaki)
モデル名カワサキ Z650
全長×全幅×全高2,055mm×765mm×1,065mm
軸間距離1,410mm
最低地上高130mm
シート高790mm
キャスター/トレール24.0°/100mm
最小回転半径2.6m
車両重量189kg
エンジン水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ
排気量649cc
最高出力50kW(68ps)/8,000rpm
最大トルク63N・m(6.4kgf・m)/6,700rpm
内径×行程83.0mm×60.0mm
圧縮比10.8 : 1
燃料タンク容量15L(無鉛レギュラーガソリン指定)
ミッション6速
燃料消費率・定地燃費値32.1km/L(60km/h)
燃料消費率・WMTCモード値23.6km/L
タイヤ(前後)前 120/70ZR17M/C (58W)(チューブレス)
後 160/60ZR17M/C (69W)(チューブレス)
ブレーキ(前後)前 油圧式ダブルディスクブレーキ 300mm(外径)
後 油圧式シングルディスクブレーキ 220mm(外径)
フレームダイヤモンド
価格847,000円
公式サイトカワサキモータースジャパン(Kawasaki)公式サイト

関連ページ

4位 ホンダ Rebel(レブル)500 車両重量:190kg 排気量:471cc

79万9700円 グラファイトブラック
マットアーマードシルバーメタリック PHOTO●山田俊輔
軽量さに貢献するスリムな外観が特徴。
グラファイトブラック PHOTO⚫️佐藤恭央
シート高は690mm。シートに腰を落とすと、両足は地面にべったり。膝を曲げた状態で楽にバイクを支えることができる。ライダーの身長は身長168cm。PHOTO●山田俊輔

 レーサーレプリカ全盛の80年代中期に登場した223㏄セミチョッパーモデル、REBLE(レブル)。その名を冠し、スタイルを今風の「クルーザースタイル」にアレンジし、2017年にカムバックしたのが、Rebel(レブル)500。レブルには250cc版もあり、普通二輪免許ライダーから絶大なる人気を獲得中だ。

 レブル500は、低回転域からトルクフルで、高回転域まで気持ちよく回る、軽量な水冷4ストローク2気筒・DOHC4バルブ471ccエンジンを搭載。日常走行でのスロットルを開ける楽しさと、低回転域での粘り強さを重視しながらも、スロットルをさらに大きく開けてもスムーズに吹け上がるエンジンフィールに仕上げている。

 スリムで軽やかな、扱いやすい車体ながらも、ロー&ファットなイメージにこだわり、フロントは130/90-16、リヤは150/80-16のワイドタイヤを採用。これにより、クラスを超える存在感と、迫力あるスタイリングを実現。加えて前後には、スポーティなデザインのキャストホイールと、制動性の高い豪華なディスクブレーキを組み合わせる。

 タイヤのグリップ力を超えるブレーキの操作や、急な路面変化によるタイヤのロックを回避するABS(アンチロック・ブレーキ・システム)も搭載。

メーカー本田技研工業(HONDA)
モデル名ホンダ Rebel(レブル)500
全長×全幅×全高2,205mm×820mm×1,090mm
軸間距離1,490mm
最低地上高135mm
シート高690mm
キャスター/トレール28.0°/110mm
最小回転半径
車両重量190kg
エンジン水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ
排気量471cc
最高出力34kW(46ps)/8,500rpm
最大トルク43N・m(4.4kgf・m)/6,500rpm
内径×行程67.0mm×66.8mm
圧縮比10.7 : 1
燃料タンク容量11L(無鉛レギュラーガソリン指定)
ミッション6速
燃料消費率・定地燃費値40.2km/L(60km/h)
燃料消費率・WMTCモード値27.0km/L
タイヤ(前後)前 130/90-16M/C 67H(チューブレス)
後 150/80-16M/C 71H(チューブレス)
ブレーキ(前後)前 油圧式シングルディスクブレーキ
後 油圧式シングルディスクブレーキ
フレームダイヤモンド
価格799,700円
公式サイト本田技研工業(HONDA)公式サイト

関連ページ

5位 ホンダ CBR600RR 車両重量:194kg 排気量:599cc

160万6000円 グランプリレッド
PHOTO●山田俊輔

 600ccクラスのプロダクションレース参戦を踏まえて新開発された、ピュアでエキサイティングなスーパースポーツモデル。2021年モデルはライディングポジションの見直しに加え、随所で徹底された軽量化を推進。

 軽量な2気筒エンジン採用の上記モデルとは異なり、メカニカルで重量がかさばる水冷4スト4気筒DOHC4バルブ599ccエンジンを搭載。しかもサーキット走行に備えたフルカウルを装着。加えて最高峰とも呼べる、数々の電子制御システムや、前後サスペンションを装備。それでいて、他メーカーのプロダクションレース参戦用600ccスーパースポーツモデルを凌ぐ、194kgという軽重量を実現しているのが大きなポイントだ。

 燃料噴射や点火時期等のエンジンマネージメントには、BOSCH製5軸IMU(Inertial Measurement Unit/慣性計測装置)が採用され、車体挙動の様々な動的姿勢を把握推定し、ABS等も含め、巧みな制御が介入することでライダーの操縦をアシスト。

 また、ライダーのスロットル操作に対するレスポンス(出力特性)が5段階に任意設定できるほか、9段階+OFFのトルクコントロール、3段階+OFFのウィリー挙動緩和制御、3段階のエンジンブレーキ制御が、ライダーの好みや走るステージに応じて選択可能。

 フロントサスペンションは、剛性バランスを追求したインナーチューブ径Φ41mmの倒立式テレスコピックとし、ショーワ製BPFを採用。フロントフォークの突き出し量を15mm伸長することにより、サーキットにおける車体姿勢セッティングの自由度を高めている。

メーカー本田技研工業(HONDA)
モデル名ホンダ CBR600RR
全長×全幅×全高2,030mm×685mm×1,140mm
軸間距離1,375mm
最低地上高125mm
シート高820mm
キャスター/トレール24°06′/100mm
最小回転半径
車両重量194kg
エンジン水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ
排気量599cc
最高出力89kW(121ps)/14,000rpm
最大トルク64N・m(6.5kgf・m)/11,500rpm
内径×行程67.0mm×42.5mm
圧縮比12.2 : 1
燃料タンク容量18L(無鉛プレミアムガソリン指定)
ミッション6速
燃料消費率・定地燃費値23.5km/L(60km/h)
燃料消費率・WMTCモード値17.3km/L
タイヤ(前後)前 120/70ZR17M/C(58W)(チューブレス)
後 180/55ZR17M/C(73W)(チューブレス)
ブレーキ(前後)前 油圧式ダブルディスクブレーキ
後 油圧式シングルディスクブレーキ
フレームダイヤモンド
価格1,606,000円
公式サイト本田技研工業(HONDA)公式サイト

関連ページ

上記モデルのパワーウエイトレシオは?

バイク名車両重量排気量最高出力パワーウエイトレシオ
1ヤマハ MT-07 ABS184kg688cc73ps/8,750rpm2.52
2ヤマハ XSR700 ABS186kg688cc73ps/9,000rpm2.54
3カワサキ Z650189kg649cc68ps/8,000rpm2.77
4ホンダ Rebel 500190kg471cc46ps/8,500rpm4.13
5ホンダ CBR600RR194kg599cc121ps/14,000rpm1.60

 パワーウエイトレシオは「車両重量÷最高出力(馬力)」で算出される数値。表示単位はkg/psで、そのバイクで1馬力あたりにどれくらいの重量負担があるのかを表す。 この数値が小さければ小さいほど、加速性能に優れ、スポーティといえるのが特徴。

 1~3位のパワーウエイトレシオは、2.52~2.77という、大型バイクならではの極めて高性能な数値。なお、サーキット走行を前提に設計されたホンダ CBR600RRは、他モデルを圧倒する1.60という超スポーティな数値。

必要免許は「大型自動二輪

大型二輪免許 難易度★★☆ 取得可能な年齢:18歳

 大型自動二輪免許は、排気量400ccを超えるバイク、もしくは定格出力が20kWを超えるバイクに乗車できるライセンス。排気量や定格出力を問わず、すべてのバイクに乗車できる、バイク免許の最高峰だ。

 大型自動二輪免許には、「小型限定普通二輪免許」や「普通二輪」と同じく、スクーターに加え、ビッグバイクに採用の最新システム『DCT(Dual Clutch Transmission)』など、左手による手動式クラッチ操作なしの車両(排気量の制限なし)のみ運転可能な『AT限定』。また、すべてのバイク(排気量の制限なし)を運転できる『限定なし』の2種類あり。詳しくは下記参照。

著者プロフィール

北 秀昭 近影

北 秀昭